
「日本に島はいくつあるのか」という問いには、新旧の計数方法を並べたうえで、47都道府県のタイルマップで分布を眺めるのが近道です。全国合計だけを見ても、地域の濃淡まではなかなか追えませんから、一覧と地図をセットで見比べることをおすすめします。
日本の島の数は、2023年(令和5年)2月28日に国土地理院が公表した最新値で14,125島です。1987年(昭和62年)に海上保安庁が公表していた旧値6,852島から約2.1倍に増えました。計数の基本枠(周囲長0.1km以上の自然形成島・人工島除外・内水面除外)は両時点でほぼ同一で、増加分の+7,273島は新たに島が生まれたのではなく、電子国土基本図の整備による地図表現の詳細化によるものです。同じ基準で再計測した結果、これまで1つの島として扱われていた地形が複数に分かれて記録されたのが、増加分のおおもとの構造です。
本記事では、国土地理院の資料3「我が国の島の数一覧(全国及び都道府県別)」を一次データとして、新旧計数方法の比較、都道府県別ランキング、47都道府県タイルマップ、階級別ヒストグラム、島0府県の構造分解、47都道府県完全テーブルの6つの図解で整理します。「島0の府県」が9つもあること、そのうち1つだけ大阪府が海に面しているにもかかわらず島0であることなど、全国合計だけを見ても気づきにくい分布の特徴を、図解の対比で確認していきます。
日本には島がいくつあり、47都道府県にどう分布しているのか。
2023年再計測で14,125島と確定。長崎1,479島が最多、上位3県で全体の約30%、一方で9府県は島0です。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
日本の島の数は14,125 — 2023年の再計測で何が変わったのか

全国合計14,125島という数字をどう読むかは、1987年公表の6,852島と並べて、計数条件の継続性を見るのが近道です。新旧の計数方法を1枚に並べてみると、「島が増えた」のではなく「地図が詳しくなった」ことが見えてきます。
日本の島の数は、2023年(令和5年)2月28日に国土地理院が公表した値で14,125島です。それまで広く使われてきた値は、1987年(昭和62年)に海上保安庁が『海上保安の現況』で示した6,852島でした。両時点の計数条件はほぼ同一で、周囲長0.1km以上の自然形成島が対象、人工島と内水面(湖沼・河川など)の島は除外されています。違うのは計数の基盤地図で、旧値は海図と現地確認に、新値は電子国土基本図と法令データに基づきます。
増加分の+7,273島は、新しい島が物理的に生まれたわけではありません。電子国土基本図の整備によって地形の表現が詳細になり、これまで1つの島として扱われていた範囲が複数の島として描き分けられるようになったことが主因です。国土地理院は同時に、電子国土基本図上の全陸地が120,729あるうち、上記の計数条件を満たすものが14,125島であることも公表しています。「同じ基準で測り直したら数字が変わった」というのが、再計測の本質です。
都道府県別ランキング — 長崎1,479・北海道1,473がほぼ並ぶ

都道府県別の島の数は、横棒グラフで上から並べると、上位3県と4位以下の段差がはっきり浮かびます。1,000島ラインを点線で引いてみると、ライン超えと未満の差が直感的に読み取れます。
都道府県別ランキングの1位は、長崎県の1,479島です。五島列島・対馬・壱岐・平戸諸島など、東シナ海と玄界灘に多島海域を抱え、離島の数が圧倒的に多いのが特徴です。2位の北海道は1,473島で、長崎との差はわずか6島です。北海道は知床・利尻・礼文などの離島に加え、オホーツク海沿岸や宗谷海峡周辺の小島群が島数を押し上げています。3位の鹿児島県は1,256島で、奄美群島・トカラ列島・薩南諸島が中心です。上位3県の合計は4,208島で、全国14,125島の約30%を3県だけで占めています。
4位以下は、岩手県861島、沖縄県691島、宮城県666島、和歌山県655島、東京都635島、島根県600島、三重県540島と続きます。岩手・宮城はリアス海岸の三陸海域、沖縄は南西諸島、和歌山は紀伊水道、東京は伊豆諸島と小笠原諸島、島根は隠岐諸島、三重は熊野灘の入り組んだ海岸線が、それぞれの島数の背景にあります。1,000島を超える3県は離島系列を多く抱える地域、500〜999島の7県は複雑な海岸線や島群を持つ地域、という地理的なまとまりが見て取れます。
47都道府県マップで見る、島の数の地域分布

ランキングを順位で見ると上位と下位は分かりますが、地図に置き換えると地域のかたまりが見えてきます。47都道府県を島の数で5階級に塗り分けたタイルマップを並べると、九州西部・東北リアス・東京の南方海域に色が集中していく構造が読み取れます。
47都道府県を島の数で5階級に分けたタイルマップを眺めると、色が濃い(島数の多い)地域が地理的にいくつかのまとまりを作っているのが分かります。1,000島以上の濃紫は、九州西端の長崎県・北海道・九州南端の鹿児島県の3県で、いずれも本州から離れた海域に離島系列を抱える地域です。500〜999島の中濃紫は、東北のリアス海岸を持つ岩手・宮城、紀伊半島の和歌山、東京都(伊豆諸島・小笠原諸島を含む)、中国地方日本海側の島根、三重の熊野灘沿岸、沖縄の南西諸島と、海岸線が複雑な地域に分布しています。
一方、色が淡い(島数の少ない)地域は、関東内陸・中部山岳地帯・近畿盆地・北東北の内陸寄りに集まります。とりわけ最も淡い島0の淡紫は9府県あり、栃木・群馬・埼玉・山梨・長野・岐阜・滋賀・奈良の内陸8県と、海に面しながらも自然形成島を持たない大阪府が含まれます。島の数の分布は、海岸線の長さや複雑さ、本土からの距離、海域の水深といった地理的条件と強く結びついていることが、タイルマップの色の濃淡からそのまま読み取れます。
島数階級でみる47都道府県の分布 — 平均・中央値・最頻階級

都道府県を島の数で5階級に分けると、どの階級にいくつ県があるかというヒストグラムができます。平均値・中央値・最頻階級を並べて見ると、47都道府県の島数分布がどんな形をしているかが見えてきます。
47都道府県を島の数で5階級に分けてヒストグラム化すると、最も多いのは100〜499島の階級で20県です。次いで多いのが島0の階級で9府県、その次が1〜99島の階級で8県、500〜999島の階級で7県、そして最上位の1,000島以上の階級で3県と続きます。中央付近(100〜499島)に集中する山と、両端(島0と1,000以上)に小さなふくらみがある形です。
代表値で見ると、47都道府県の島の数の平均値は約300.6島、中央値は180島です。平均値が中央値より大きいのは、長崎・北海道・鹿児島の上位3県が極端に多くの島を持ち、平均を引き上げているためです。47都道府県の半数(中央値)はおおむね180島以下に収まっており、最頻階級(最も県数が多い区間)はいずれも100〜499島の階級に当たります。「平均は300島だが、半数の県は180島以下」という対比が、上位3県の影響力を端的に示しています。
島の数が0の9府県 — 内陸8県と「海に面する唯一」の大阪府

島の数が0の府県は9つあります。8県は地理的に内陸ですが、1つだけ例外があります。大阪府は海に面しているにもかかわらず、自然形成島の計数では0となっています。内陸8県と大阪府を分けて並べると、「島0」の意味が2つに分かれて見えてきます。
島の数が0の9府県のうち、栃木・群馬・埼玉・山梨・長野・岐阜・滋賀・奈良の8県は内陸で、そもそも海岸線そのものを持ちません。自然形成島の計数対象(海域の島)が地理的に存在しないため、結果として島の数が0となります。関東北部の栃木・群馬・埼玉、中部山岳地帯の山梨・長野・岐阜、近畿盆地の滋賀・奈良と、いずれも本州内陸部に位置しています。
残る1府が大阪府です。大阪府は大阪湾と紀伊水道に面する沿岸の府でありながら、国土地理院の計数では自然形成島が0となります。理由は、計数条件の「人工島を除外する」というルールにあります。大阪湾沿岸は浅い水深と大規模な埋立地で構成され、関西国際空港や夢洲などの主要な人工島が並びますが、これらは計数対象外です。また、淀川河口部や大阪湾内に自然形成された周囲長0.1km以上の島は記録されていません。「海に面しているのに島0」という日本で唯一の府が大阪府で、この点が9府県のうち1つだけ性格の異なる例外として記録されています。
完全一覧 — 47都道府県のすべての島の数

47都道府県の島の数を都道府県コード順に並べた完全データテーブルです。「内数」の列に数字が入っている県は、隣接する2府県をまたいで分布する島を持っています。全国合計14,125島の内訳を1枚に並べると、地域差の全体像が把握できます。
完全データテーブルは、47都道府県を都道府県コード順(北海道→沖縄)に並べ、各県の島の数と、隣接2府県にまたがる島の「内数」を併記したものです。内数の対象となるのは、福井・京都・兵庫・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知の10府県で、それぞれ1〜3島の範囲で2府県にまたがる島を持ちます。例えば岡山県は3島、広島県と香川県はそれぞれ2島、その他は1島ずつです。
都道府県別の単純合計と全国合計14,125島の関係についても触れておきます。都道府県別の島の数は、各県が「自県の島」として計数しているもので、本土4島(北海道本島・本州・四国・九州)も含まれます。また、2府県にまたがる島は両県で重複計上されています。一方、全国合計14,125島は、これらの重複を整理した実数値です。テーブルを読むときは、都道府県別の値は地域の島数の規模感を示すもの、全国合計は実数値、という二段構えで理解するのが正確です。
楓のまとめ|14,125島の分布から読み取れる3つの観察事実

ここまで6つの図解で、新旧計数方法・上位ランキング・タイルマップ・階級分布・島0府県・完全テーブルを並べてきました。それぞれを重ね合わせると、3つの観察事実に整理できます。
「日本の島の数」という問いに対して、本記事で並べた6つの図解は、全国合計14,125島という1つの数字の背後に、新旧計数の継続性、上位3県への偏在、内陸府県との対比という3つの構造があることを示してきました。数値の規模感や順位そのものに優劣をつけるのではなく、分布の特徴を観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねて読むと、いまの日本の島の数14,125という数字は、再計測のタイミング、地形の複雑さ、地理的位置という3つの要素が組み合わさった結果として現れていることが分かります。どの県にいくつの島があるか、どの府県が島0なのかは、地理的条件と計数ルールが重なって決まる構造として整理できます。「日本に島はいくつあるか」への答えは、計数の基盤地図と条件の定め方しだいで変わる、という観察事実そのものが、いまの島の数をめぐる景色を最もよく映しています。
よくある質問(FAQ)

島の数を読むときは、「いつの公表値か」「どの計数条件か」「本土を含むか」の3点を必ずセットで確認してください。同じ数字でも、この3点が変わるだけで読み取れる物語が変わります。
Q1. 島の数が2倍以上に増えたのは、新しい島ができたからですか?
いいえ、新しい島が物理的に生まれたわけではありません。1987年の旧公表値6,852島から2023年の新公表値14,125島への増加分(+7,273島)は、計数の基盤地図が紙の海図から電子国土基本図に切り替わり、地形の表現が詳細化したことによるものです。計数条件(周囲長0.1km以上の自然形成島・人工島除外・内水面除外)は両時点でほぼ同一で、これまで1つの島として扱われていた範囲が、より精密な地図表現の中で複数の島として描き分けられるようになりました。「島が増えた」のではなく「地図が詳しくなった」というのが、再計測の構造です。
Q2. 北方領土の島は数に含まれているのですか?
国土地理院の2023年公表値14,125島には、択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島などの北方領土も日本の領土として計数に含まれています。北海道の1,473島という数値は、北海道本島に加え、こうした北方領土の島々や、知床・利尻・礼文などの離島、オホーツク海沿岸・宗谷海峡周辺の小島群を含めた合計です。ただし、現実の実効支配や立ち入り可否とは別の議論となり、あくまで「日本の領土として地図に記された島の数」という前提に立った数値であることに注意が必要です。
Q3. 本州・北海道・四国・九州の本土4島も「島」として数えていますか?
はい、計数条件(周囲長0.1km以上の自然形成島)に照らせば、本州・北海道・四国・九州の本土4島はすべて「島」として計数対象に含まれます。都道府県別の値(北海道1,473島など)も、本土の県別領域を1島として含んだ合計です。一方で、本土4島は全国合計14,125島のなかでもごく一部にあたり、残り14,121島が離島系列です。沖縄本島も同様に計数対象に含まれ、その上で南西諸島・先島諸島などが加わって沖縄県691島となっています。「日本の島の数」を語るときは、本土を含む値か離島のみの値かを明示すると、読み手の誤解を避けやすくなります。
🔍 この記事のファクトチェックについて

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。


