
「ゴルフ人口は増えたのか減ったのか」という問いは、どの調査の数字を見るかで答えが変わります。数え方の違う4つの数字を先に並べてから25年分の推移を追うと、増えたと減ったが同時に成り立つ理由が見えてきます。
ゴルフをする人は、長い目で見れば減り、直近では増えています。笹川スポーツ財団の調査によると、20歳以上で年1回以上ゴルフ(コースまたは練習場)をした人の推計は、2000年の1,332万人から2024年の912万人へと、24年で420万人減りました。ただし2020年の796万人を底に、2022年・2024年と2回続けて増えています。長期では減少、直近では増加という2つの動きが同時に起きているのが、いまのゴルフ人口です。
一方で、ゴルフ場でプレーした人だけを数える日本生産性本部『レジャー白書』では、別の動きが出ます。同白書のゴルフ(コース)参加人口は2024年に480万人で、前年から50万人減りました。同じ「ゴルフ人口」という言葉でも、誰を数えたか、対象年齢がいくつか、何年の値かで、数字は480万人にも912万人にもなります。
本記事では、笹川スポーツ財団の25年分の実施率と推計人口、2026年7月16日に公表されたレジャー白書2026(速報版)の2025年値、日本ゴルフ場経営者協会が集計したゴルフ場の延べ利用者数という3つの一次データを、図解で並べて整理します。2024年の実施率8.9%は、20歳以上のおよそ11人に1人にあたる水準です(1÷8.9%=11.2・編集部試算)。
ゴルフをする人は、増えたのか減ったのか。
24年で420万人減り、直近は2回続けて増えた。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
「ゴルフ人口」と呼ばれる数字は、4つある

最初に数え方をそろえておきます。4つの数字を同じ図に並べると、どれかが間違っているのではなく、数えている対象がそれぞれ違うだけだとわかります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
レジャー白書は、15〜79歳を対象に「ゴルフ場でプレーしたか」を尋ねています。2024年の参加人口は480万人です。笹川スポーツ財団は20歳以上を対象に、コースまたは練習場のどちらかを年1回以上したかを尋ねており、2024年は912万人と推計しています。練習場だけの人が含まれるぶん、数字は大きくなります。
ゴルフの国際統括団体であるR&Aは、各国のゴルフ団体からの報告を集計しており、9ホールまたは18ホールのコースでのプレー経験者として、日本の値を1,092万9,000人(2025年)としています。日本ゴルフ場経営者協会の8,982万人は人数ではなく、ゴルフ場利用税の課税状況から集計した延べ来場回数です。
4つの数字はどれも正しく、数え方が違うので値が違います。記事や広告で「ゴルフ人口は○○万人」という数字を見たときは、調査名・対象年齢・調査年の3点がそろっているかを確かめると、別の系列の数字を並べて比べてしまう行き違いを避けられます。
ゴルフをした人は、25年でどう動いたか

ここからは笹川スポーツ財団の系列で25年を追います。隔年調査の13時点を折れ線でつなぐと、下がり続けた期間と、底を打ってから戻っている期間がはっきり分かれて見えます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
推計人口は2000年の1,332万人が最も多く、2002年に1,027万人まで下がったあと、2010年の1,121万人まで一度戻しています。そこからは下降が続き、2016年904万人、2020年796万人と、調査開始以降の最少を記録しました。2000年から2020年までの20年で、536万人が減った計算になります。
2020年を底として、2022年は856万人、2024年は912万人と2回続けて増えました。底からの4年で116万人、率にして14.6%の増加です。ただし2000年の1,332万人と比べると、2024年はなお420万人少なく、31.5%低い水準にあります。
男女別に見ると、男性は2000年の1,119万人から2024年の732万人へ387万人減り、女性は195万人から159万人へ36万人減りました。なお推計人口は、住民基本台帳の成人人口に実施率を掛けて財団が算出した推計値です。端数処理の都合で、全体の人数と男女それぞれの合計は必ずしも一致しません。
年代別に見ると、下がった世代と上がった世代がある

全体の1本の線だけでは、年代ごとに逆向きの動きが起きていることが見えません。6つの年代を同じ縦軸に重ねると、25年で入れ替わりが起きたことがわかります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2000年に最も高かったのは50歳代の19.1%でした。この年代は2022年に7.2%まで下がり、2024年は8.8%です。25年で10.3ポイント下がり、半分以下の水準になりました。40歳代も17.0%から9.1%へ、30歳代も14.0%から8.7%へ下がっています。
反対に上がったのが70歳以上です。2000年は0.5%でしたが、2018年に10.7%まで上がり、2024年は9.0%を保っています。60歳代は2000年10.4%から2024年8.9%で、大きくは動いていません。その結果、2024年はどの年代も9%前後にそろい、年代による差がほとんど見えなくなりました。
| 年代 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 | 2022 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20歳代 | 11.8 | 7.3 | 9.0 | 6.0 | 8.5 | 7.5 | 9.1 | 6.7 | 5.3 | 6.6 | 4.8 | 4.5 | 8.5 |
| 30歳代 | 14.0 | 11.3 | 11.9 | 7.7 | 10.1 | 9.5 | 9.3 | 7.8 | 8.2 | 6.0 | 6.1 | 8.2 | 8.7 |
| 40歳代 | 17.0 | 13.4 | 13.2 | 12.6 | 12.7 | 12.3 | 12.8 | 10.9 | 10.0 | 11.9 | 6.6 | 8.8 | 9.1 |
| 50歳代 | 19.1 | 17.3 | 15.5 | 14.1 | 14.5 | 13.8 | 11.7 | 11.1 | 9.3 | 10.4 | 9.7 | 7.2 | 8.8 |
| 60歳代 | 10.4 | 7.0 | 10.4 | 12.3 | 11.2 | 13.1 | 11.5 | 9.7 | 10.1 | 10.3 | 11.5 | 10.8 | 8.9 |
| 70歳以上 | 0.5 | 2.5 | 4.5 | 4.4 | 3.6 | 7.0 | 5.9 | 8.5 | 8.5 | 10.7 | 6.7 | 9.5 | 9.0 |
| 年代 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 | 2022 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20歳代 | 18.1 | 10.8 | 13.4 | 8.0 | 13.3 | 10.7 | 13.7 | 9.6 | 7.5 | 11.3 | 7.3 | 5.2 | 10.9 |
| 30歳代 | 26.0 | 20.0 | 21.0 | 15.4 | 15.3 | 15.7 | 11.5 | 13.0 | 12.5 | 10.2 | 11.1 | 13.5 | 14.7 |
| 40歳代 | 30.9 | 23.6 | 25.5 | 22.8 | 21.0 | 20.5 | 21.8 | 19.4 | 16.6 | 20.8 | 11.6 | 15.1 | 16.1 |
| 50歳代 | 30.9 | 29.0 | 26.6 | 25.1 | 25.0 | 25.1 | 18.0 | 20.0 | 16.8 | 16.5 | 15.0 | 11.6 | 15.0 |
| 60歳代 | 18.8 | 12.7 | 19.3 | 21.1 | 20.1 | 23.7 | 21.7 | 18.2 | 18.0 | 19.6 | 19.9 | 19.1 | 14.8 |
| 70歳以上 | 1.0 | 5.4 | 9.5 | 10.2 | 4.5 | 15.0 | 13.1 | 17.5 | 17.3 | 23.2 | 12.8 | 17.6 | 16.0 |
| 年代 | 2000 | 2002 | 2004 | 2006 | 2008 | 2010 | 2012 | 2014 | 2016 | 2018 | 2020 | 2022 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20歳代 | 5.3 | 3.8 | 3.9 | 3.9 | 3.4 | 4.2 | 4.3 | 3.7 | 3.1 | 1.6 | 2.2 | 3.9 | 6.0 |
| 30歳代 | 3.4 | 3.2 | 4.1 | 1.7 | 4.7 | 3.2 | 7.1 | 2.3 | 3.7 | 1.7 | 0.9 | 2.8 | 2.4 |
| 40歳代 | 3.9 | 3.5 | 1.0 | 3.3 | 4.4 | 4.2 | 3.5 | 2.2 | 3.2 | 2.7 | 1.4 | 2.1 | 1.8 |
| 50歳代 | 6.5 | 5.5 | 5.7 | 2.3 | 4.0 | 2.7 | 5.4 | 2.4 | 1.7 | 4.2 | 4.4 | 2.7 | 2.5 |
| 60歳代 | 2.1 | 2.0 | 1.0 | 3.1 | 2.9 | 3.2 | 2.0 | 1.5 | 2.5 | 1.4 | 3.4 | 2.8 | 3.3 |
| 70歳以上 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 2.8 | 0.7 | 0.0 | 1.3 | 1.3 | 0.4 | 1.5 | 2.5 | 2.9 |
出典:笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(2000〜2024年)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
男女別の表を開くと、動きの中身がさらに分かれます。男性の40歳代は2024年に16.1%で全年代の最高、70歳以上が16.0%、50歳代が15.0%と続きます。女性は20歳代の6.0%が最も高く、60歳代3.3%、70歳以上2.9%の順です。男女で高い年代が入れ替わっている点が、全体の表からは読み取れません。
20歳代はいま、どうなっているか

若い世代の動きは報道でもよく取り上げられます。ここでは男女を分けて25年分を並べ、報じられている変化が長期の系列のどこに位置するのかを確かめます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
男性の20歳代は、2000年に18.1%でした。その後は上下しながら下がり、2016年7.5%、2020年7.3%、2022年5.2%と調査開始以降の最少まで落ちています。2024年は10.9%で、2022年からは倍近くになりました。ただし2000年の18.1%にはまだ届いていません。
女性の20歳代は2018年に1.6%まで下がったあと、2022年3.9%、2024年6.0%と上がりました。6.0%は、この調査で最も高い実施率だと財団が明記しています。全体で見た20歳代も2022年4.5%から2024年8.5%へ、4.0ポイント増えており、他の年代より直近の変化が大きい年代です。
なお、この調査は2年に1回、全国300地点で3,000人を対象に行われる抽出調査です。実施率6.0%なら該当者は数十人規模になるため、単年の動きには幅があります。2024年の1回だけを見て流れが変わったと決めるのではなく、次回2026年の調査で同じ方向が続くかどうかを見る必要があります。
人数は減り、延べ来場回数は減っていない

需要側の人数と、供給側が数えた来場回数は、別々の統計です。同じ時間軸に並べると、2つの数字が違う方向を向いていることが見えてきます。
※ ゴルフ場利用税の徴税データからの集計のため、2023年度の実際の利用期間は2023年3月から2024年2月です。また、この数字は延べ来場回数であり、人数ではありません(同じ人が年に何回来場しても回数分が数えられます)。2019年度の8,597万人は、2023年度8,982万人とその2019年度比385万人増から編集部が逆算した値です。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
日本ゴルフ場経営者協会が集計した2023年度のゴルフ場利用者数は8,982万人で、前年度から147万人(1.6%)減りました。一方で、新型コロナウイルスの流行前にあたる2019年度と比べると385万人多く、4.5%の増加です。人数が減っている期間に、延べ来場回数は流行前を上回ったままです。
同協会は、2019年度からの増加の内訳として、70歳未満の利用者数が166万人(2.5%)増え、主に70歳以上の非課税利用者数が219万人(11.3%)増えたと説明しています。これは同協会の見解であり、増減の理由を編集部として断定するものではありません。
回数の側からも見ておきます。レジャー白書2026(速報版)によれば、2025年にゴルフ(コース)をした人の年間平均活動回数は16.9回、ゴルフ(練習場)をした人は19.6回でした。参加した人が年に何回まわるかという密度は、人数の増減とは別に動く指標です。
ゴルフにかかるお金は、スポーツ部門で最も高い

最後にお金の話です。レジャー白書は種目ごとに年間平均費用も調べています。同じスポーツ部門の中で並べると、ゴルフの位置がはっきりします。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2025年にゴルフ(コース)をした人の年間平均費用は166.0千円で、スポーツ部門28種目のなかで最も高い金額でした。2位はスキンダイビング・スキューバダイビングの101.0千円、3位は乗馬の94.6千円です。参加率3.7%という数字と、費用の高さが同居しています。
全108種目で見ると、ゴルフ(コース)の166.0千円は海外旅行355.6千円、クルージング200.4千円に次ぐ3番目です。年間平均費用を年間平均活動回数で割ると、1回あたりおよそ9,800円になります(166.0千円÷16.9回=9.82千円・編集部試算)。これは用具代や年会費を含む年間費用を回数で割った値で、1回のプレー料金そのものではありません。
なお、この166.0千円はゴルフ(コース)をした人の平均であり、国民全体の平均ではありません。ゴルフ(練習場)をした人の年間平均費用は34.4千円で、同じゴルフでも施設によって5分の1程度の水準です。
楓のまとめ|「増えた」と「減った」は同時に成り立っている

ここまでの図解を並べ直すと、増えたという記事と減ったという記事が同じ年に出る理由が、数え方と期間の取り方にあることが確認できます。4つの観察事実に整理します。
「ゴルフ人口は増えたのか減ったのか」という問いに対して、本記事で並べたデータは、どの調査を、どの期間で、誰を対象に見るかによって答えが変わることを示してきました。調査どうしの優劣をつけるのではなく、見え方の違いをそのまま観察事実として整理しておきます。
4つを重ねて読むと、「ゴルフ人口が増えた」と「ゴルフ人口が減った」は、どちらも同じ年のデータから導けることがわかります。問われているのは増減の向きではなく、どの調査の・誰を数えた・何年の数字かという3点です。この3点をそろえて見るところから、いまのゴルフをめぐる景色が読み取れます。
よくある質問(FAQ)

ゴルフ人口の数字を読むときは、調査名・対象年齢・調査年の3点をセットで確認してください。同じ言葉でも、この3点が変わると別の数字になります。
Q1. 調査によって「ゴルフ人口」の数字が違うのはなぜですか?
数えている対象が違うためです。レジャー白書はゴルフ場でプレーした15〜79歳を数えて2024年480万人、笹川スポーツ財団はコースまたは練習場を年1回以上した20歳以上を数えて2024年912万人としています。R&Aの1,092万9,000人(2025年)は各国団体の報告を集計した値、日本ゴルフ場経営者協会の8,982万人(2023年度)は人数ではなく延べ来場回数です。どれかが誤っているのではなく、定義が異なります。
Q2. 2024年に20歳代が増えたのは、若い世代が戻ってきたということですか?
2024年時点の数字としては、20歳代の実施率は2022年の4.5%から8.5%へ4.0ポイント増えています。一方で2000年の11.8%には届いていません。男性20歳代も2022年5.2%から2024年10.9%へ増えましたが、2000年は18.1%でした。隔年の抽出調査で、単年の変動には幅があります。増えたことと、以前の水準に戻ったことは別の話です。
Q3. 2025年のゴルフ人口は何万人ですか?
2026年8月時点では公表されていません。レジャー白書2026(速報版)で公表されているのは、2025年のゴルフ(コース)参加率3.7%、年間平均活動回数16.9回、年間平均費用166.0千円までです。参加人口は2026年10月に発行予定の『レジャー白書2026』本体で公表される見込みです。参加率に人口を掛けて編集部が独自に人数を算出することはしていません。
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