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副業をしている人は何%?47都道府県の差を図解【2026年】

副業をしている人は何%?47都道府県の差を図解
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楓

副業をしている人の割合は、調査によって4.8%から8.4%まで開きがあります。まずは国の基幹統計の数字を起点に、分母のとり方と5年間の変化を順番に見ていきます。

総務省統計局の令和4年就業構造基本調査によると、2022年(令和4年)10月1日現在で本業のほかに仕事がある人、いわゆる副業がある者は304.9万人でした。非農林業従事者に占める割合である副業者比率は4.8%で、5年前の2017年(3.9%)から0.9ポイント上がっています。副業者比率の分母は有業者の総数ではなく、農業・林業と分類不能の産業を除いた非農林業従事者です

本記事では、この調査の公表値をもとに、20年間の推移、正規と非正規の差、「している人」と「したい人」のひらき、47都道府県の差を図解で整理します。就業構造基本調査は5年ごとに実施される基幹統計で、最新は2022年調査です。数値はすべて2022年10月1日現在の状態を表しています。

働き方や収入をめぐる長期の変化については、物価と賃金、30年の推移を比較&図解【2026年】でも別の角度から整理しています。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

本業のほかに仕事がある人は、日本にどれくらいいる?

非農林業従事者の4.8%、304.9万人。5年前より0.9ポイント高い。

非農林業従事者に占める、本業のほかに仕事がある人の割合(副業者比率) 4.8 2022年10月1日現在・総務省「令和4年就業構造基本調査」。分母は有業者の総数ではなく、農業・林業と分類不能の産業を除いた非農林業従事者です。
している(副業がある者) 304.9万人 非農林業従事者の4.8%
したい(追加就業希望者) 7.8% 493.4万人・同じ分母での割合
5年前との差 +0.9 ポイント上昇(2017年3.9%→2022年4.8%)

SOURCE

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査」(2023年7月21日公表)。副業者比率は非農林業従事者に占める副業がある者の割合です。

楓の整理
この記事の要点

◆ 2022年10月1日現在、本業のほかに仕事がある人は304.9万人で、非農林業従事者に占める割合は4.8%です。5年前より0.9ポイント高い水準です。
◆ 副業者比率は正規の職員・従業員が2.5%、非正規の職員・従業員が7.2%。一方、追加就業希望者比率は正規7.7%・非正規8.4%で、両者の差は小さくなっています。
◆ 都道府県別では京都府が7.5%で最も高く、宮崎県が3.3%で最も低い水準です。その差は約2.3倍にあたります。

出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」表5-1・表5-2ほか(2023年7月21日公表)。数値はすべて2022年(令和4年)10月1日現在です。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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副業をしている人は何%か|4.8%の分母を確かめる

楓

最初に、この4.8%が何を分母にした割合なのかを確かめておきます。ここを取り違えると、ほかの調査の数字と並べたときに話がかみ合わなくなります。

就業構造基本調査でいう「副業がある者」とは、有業者のうち本業のほかに仕事がある人を指します。そしてこの人数を割る分母が「非農林業従事者」です。非農林業従事者とは、有業者のうち本業の産業が「農業,林業」および「分類不能の産業」以外の者をいいます。有業者の総数6,706万人ではない、という点がこの指標の出発点になります。

あわせて押さえておきたいのが「追加就業希望者」です。これは、いま就いている仕事を続けながら、他の仕事もしたいと思っている人を指します。2022年の追加就業希望者は493.4万人で、同じ分母に対する追加就業希望者比率は7.8%でした。「している人」と「したい人」は、同じ分母の上で並べて比べられる関係にあります。

副業がある者の中身を別の角度から見ると、フリーランスとの関係が見えてきます。同じ調査でフリーランスは257.4万人。このうち本業がフリーランスの人が209.4万人、副業のみがフリーランスの人が48.0万人でした。本業がフリーランスで副業もある人は6.4万人です。副業がある者304.9万人のうち、副業の形がフリーランスである人は一部にとどまります。

4.8%という割合を人数の感覚に置き換えると、100 ÷ 4.8 = 20.8 で、およそ21人に1人にあたります。これは公表値から編集部が算出した目安です。職場や学校で20人ほどが集まったとき、そのうち1人が本業のほかにも仕事を持っている、という規模感になります。

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20年でどう変わったか|2012年を底に増加

楓

人数の推移は、5年ごとの調査結果を棒で並べると節目が見えてきます。一本調子ではなく、いったん下がってから上向いた形をしています。

副業がある者の数と副業者比率の推移(2002年〜2022年) 棒=副業がある者(万人)/折れ線=副業者比率(%) 非農林業従事者ベース 2012 直近20年で最少 0 200 400 600 万人 0 2 4 6 236.4 2002 241.5 2007 214.6 2012 245.1 2017 304.9 2022 3.9% 3.6% 3.9% 4.8% 副業がある者(万人・左目盛) 副業者比率(%・右目盛) ※ 副業者比率の公表系列は2007年からのため、2002年は棒のみを掲載しています。 出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」 図2/総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」 図5-1・図5-2 ※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」図2/同「結果の概要」図5-1・図5-2
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

副業がある者の人数は、2002年が236.4万人、2007年が241.5万人、2012年が214.6万人、2017年が245.1万人、そして2022年が304.9万人でした。直近20年で最も少なかったのは2012年の214.6万人で、そこから2022年までに90.3万人増えています。5年前の2017年と比べると59.8万人の増加です。

割合で見ると、副業者比率は2007年3.9%、2012年3.6%、2017年3.9%、2022年4.8%と推移しています。2007年から2017年までの10年間はおおむね横ばいで、2017年から2022年にかけての0.9ポイントが、この20年で最も大きな動きでした。なお比率の公表系列は2007年からのため、2002年については人数のみを掲載しています。

追加就業希望者も同じ期間に増えています。2002年315.2万人、2007年321.3万人、2012年340.5万人、2017年399.9万人、2022年493.4万人と、5時点すべてで前回を上回りました。副業がある者が2012年にいったん減ったのに対し、追加就業希望者は減った時点がありません。5年前との比較では93.5万人の増加で、副業がある者の増加幅59.8万人を上回っています。

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正規と非正規で差はあるか|2.5%と7.2%

楓

次は雇用形態別です。同じ副業者比率でも、正規と非正規では水準がはっきり分かれています。3本の折れ線を重ねると、その間隔の変化まで確認できます。

雇用形態別 副業者比率の推移(2007年〜2022年) 単位:% 非農林業従事者に占める、本業のほかに仕事がある人の割合 0 2 4 6 8 2007 2012 2017 2022 5.4 5.3 5.8 7.2 3.9 3.6 3.9 4.8 2.2 1.8 1.9 2.5 非正規 総数 正規 2022年は非正規の職員・従業員が7.2%、正規の職員・従業員が2.5%となっています。 出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」 図5-2 ※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」図5-2
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

2022年の副業者比率を雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員が2.5%、非正規の職員・従業員が7.2%でした。非正規の職員・従業員の比率は、正規の職員・従業員の約2.9倍にあたります。5年前と比べると、正規は0.6ポイント、非正規は1.3ポイントの上昇です。

過去の推移を見ると、正規の職員・従業員は2007年2.2%、2012年1.8%、2017年1.9%と2%前後で推移し、2022年に2.5%まで上がりました。非正規の職員・従業員は2007年5.4%、2012年5.3%、2017年5.8%、2022年7.2%で、水準は一貫して正規を上回っています。

雇用形態そのものの構成比の変化については、正規と非正規の雇用、40年の推移を図解で解説【2026年】で整理しています。

「している人」と「したい人」|ひらき方が雇用形態で違う

楓

ここがこの調査でいちばん見え方の変わるところです。「している」と「したい」を同じ目盛の上に並べると、雇用形態ごとのひらき方が入れ替わります。

「副業をしている」と「副業をしたい」(2022年) 単位:% 左=副業者比率/右=追加就業希望者比率 いずれも非農林業従事者ベース 0 2 4 6 8 10 働く人全体 している / したい 4.8 7.8 正規の職員・従業員 している / したい 2.5 7.7 非正規の職員・従業員 している / したい 7.2 8.4 している(副業者比率) したい(追加就業希望者比率) 「している」は非正規が正規の約2.9倍、「したい」は正規7.7%・非正規8.4%です。 出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」 図5-2・図5-4 ※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」図5-2・図5-4
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

働く人全体では、副業者比率が4.8%、追加就業希望者比率が7.8%です。雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員は「している」が2.5%に対し「したい」は7.7%、非正規の職員・従業員は「している」が7.2%に対し「したい」は8.4%でした。

「している」では非正規が正規の約2.9倍でしたが、「したい」では正規7.7%・非正規8.4%で、その差は0.7ポイントです。実施している割合では大きく開き、希望している割合ではほぼ並ぶ、という形になっています。追加就業希望者比率の推移を見ると、正規は2017年の5.3%から2022年に7.7%へと2.4ポイント上がり、非正規は8.4%で前回と同じ水準でした。

なお、「したい」から「している」を差し引いた値は、公表値どうしの引き算による編集部の試算です。全国では 7.8 − 4.8 = 3.0ポイント となります。両比率は分母が同じ非農林業従事者ですが、四捨五入前の値から求めた差とは最大0.1ポイント程度ずれることがあります。

都道府県でどれくらい違うか|京都府7.5%から宮崎県3.3%まで

楓

47都道府県の差は、表よりタイルマップで見ると分布の偏りがつかめます。色の濃いタイルがどこに散らばっているかを確かめてみてください。

47都道府県の副業者比率 非農林業従事者に占める、本業のほかに仕事がある人の割合(2022年10月1日現在) 📖 凡例 / HOW TO READ タイル色=副業者比率の高さ(5階調) ← 副業者比率が高い 副業者比率が低い → 6.0% 以上 (最も高い) 5.0 〜 5.9% 未満 4.5 〜 4.9% 未満 4.0 〜 4.4% 未満 3.9% 以下 (最も低い) データ出所 公式 = 総務省「令和4年就業構造基本調査」表5-1 の公表値(47都道府県すべてが公表値) 北海道 4.2% 青森 3.7% 秋田 4.1% 岩手 4.7% 山形 4.5% 宮城 4.0% 福島 4.1% 沖縄 4.3% 石川 4.5% 富山 4.4% 新潟 4.3% 福井 4.8% 岐阜 4.2% 長野 5.3% 山梨 4.8% 愛知 4.8% 静岡 3.6% 群馬 4.2% 栃木 4.3% 埼玉 4.5% 茨城 4.1% 東京 6.5% 神奈川 5.1% 千葉 4.3% 滋賀 4.6% 京都 7.5% 兵庫 4.8% 大阪 4.8% 奈良 4.9% 三重 4.1% 和歌山 5.6% 鳥取 5.5% 島根 5.3% 岡山 4.8% 広島 4.5% 山口 4.4% 香川 4.0% 愛媛 4.3% 徳島 4.4% 高知 5.2% 福岡 4.0% 長崎 4.3% 佐賀 4.8% 大分 3.5% 熊本 4.4% 宮崎 3.3% 鹿児島 4.2% 京都府が東京都を上回る ▲ 副業者比率が高い上位8都道府県 1. 京都府 公式 7.5% 2. 東京都 公式 6.5% 3. 和歌山県 公式 5.6% 4. 鳥取県 公式 5.5% 5. 島根県 公式 5.3% 5. 長野県 公式 5.3% 7. 高知県 公式 5.2% 8. 神奈川県 公式 5.1% ▼ 副業者比率が低い下位8都道府県 1. 宮崎県 公式 3.3% 2. 大分県 公式 3.5% 3. 静岡県 公式 3.6% 4. 青森県 公式 3.7% 5. 宮城県 公式 4.0% 5. 福岡県 公式 4.0% 5. 香川県 公式 4.0% 8. 三重県 公式 4.1% 出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」 表5-1(2023年7月21日公表) ※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」表5-1
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

都道府県別の副業者比率は、京都府が7.5%で最も高く、次いで東京都6.5%、和歌山県5.6%、鳥取県5.5%、長野県と島根県が各5.3%と続きます。最も低いのは宮崎県の3.3%で、大分県3.5%、静岡県3.6%、青森県3.7%の順でした。最高の京都府と最低の宮崎県の差は約2.3倍にあたります

上位に並ぶのは大都市を抱える都府県だけではありません。京都府と東京都に続く3位から6位は和歌山県・鳥取県・長野県・島根県で、いずれも人口規模の大きい地域ではありません。一方、大阪府・兵庫県・愛知県は全国と同じ4.8%、埼玉県は4.5%、千葉県は4.3%です。

5年前との比較では、上昇幅が最も大きいのは京都府の2.5ポイントで、東京都と高知県が各1.5ポイント、愛知県が1.3ポイントと続きます。反対にポイント差がマイナスとなったのは、秋田県が-0.5、山形県が-0.3、岩手県と宮崎県が各-0.2、新潟県が-0.1の5県でした。三重県は-0.0で、表章単位に満たない差として公表されています。

都道府県ごとの賃金水準の差については、最低賃金、47都道府県の20年推移を図解【2026年】で20年分の推移を整理しています。

都道府県別の一覧|比率順と「したい−している」差順

楓

同じ47都道府県を、比率の高い順と、「したい」と「している」の差が大きい順の2つの並びで置いてみます。上位に来る顔ぶれが入れ替わります。

副業者比率が高い順(47都道府県・2022年)
総務省の公表値(%)。非農林業従事者に占める、本業のほかに仕事がある人の割合。
1京都府7.5%
2東京都6.5%
3和歌山県5.6%
4鳥取県5.5%
5島根県5.3%
5長野県5.3%
7高知県5.2%
8神奈川県5.1%
9奈良県4.9%
10佐賀県4.8%
10兵庫県4.8%
10大阪府4.8%
10山梨県4.8%
10岡山県4.8%
10愛知県4.8%
10福井県4.8%
17岩手県4.7%
18滋賀県4.6%
19埼玉県4.5%
19山形県4.5%
19広島県4.5%
19石川県4.5%
23富山県4.4%
23山口県4.4%
23徳島県4.4%
23熊本県4.4%
27千葉県4.3%
27愛媛県4.3%
27新潟県4.3%
27栃木県4.3%
27沖縄県4.3%
27長崎県4.3%
33北海道4.2%
33岐阜県4.2%
33群馬県4.2%
33鹿児島県4.2%
37三重県4.1%
37福島県4.1%
37秋田県4.1%
37茨城県4.1%
41宮城県4.0%
41福岡県4.0%
41香川県4.0%
44青森県3.7%
45静岡県3.6%
46大分県3.5%
47宮崎県3.3%
「したい」と「している」の差が大きい順
編集部が公表値から算出(ポイント)。追加就業希望者比率から副業者比率を差し引いた値。
1沖縄県+5.9pt
2福岡県+4.4pt
3宮崎県+3.7pt
3東京都+3.7pt
3神奈川県+3.7pt
6千葉県+3.5pt
6奈良県+3.5pt
6滋賀県+3.5pt
9大阪府+3.4pt
9熊本県+3.4pt
9静岡県+3.4pt
12埼玉県+3.3pt
12愛知県+3.3pt
14鹿児島県+3.2pt
15香川県+3.0pt
16大分県+2.9pt
16宮城県+2.9pt
18三重県+2.8pt
18北海道+2.8pt
20広島県+2.6pt
20青森県+2.6pt
22岐阜県+2.5pt
23岡山県+2.4pt
24兵庫県+2.3pt
25茨城県+2.2pt
26山梨県+2.1pt
27佐賀県+2.0pt
27秋田県+2.0pt
27長崎県+2.0pt
30群馬県+1.9pt
31栃木県+1.8pt
31石川県+1.8pt
31長野県+1.8pt
34愛媛県+1.7pt
34高知県+1.7pt
36和歌山県+1.6pt
36富山県+1.6pt
36山口県+1.6pt
36徳島県+1.6pt
36福井県+1.6pt
41山形県+1.5pt
41新潟県+1.5pt
43京都府+1.3pt
43福島県+1.3pt
43鳥取県+1.3pt
46岩手県+1.0pt
47島根県+0.9pt
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」 表5-1・表5-2
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

左の並びは副業者比率の高い順、右の並びは追加就業希望者比率から副業者比率を差し引いた値の大きい順です。右の並びで最も大きいのは沖縄県の5.9ポイントで、福岡県4.4ポイント、東京都・神奈川県・宮崎県が各3.7ポイントと続きます。

左で1位の京都府は、右では1.3ポイントで43位です。反対に、左で47位の宮崎県は、右では3.7ポイントで3位に位置します。左で2位の東京都は右でも3位につきますが、左で3位の和歌山県は右では1.6ポイントで36位です。同じ47都道府県でも、「している割合」で並べるか「したいとの差」で並べるかで、上位に来る顔ぶれが入れ替わります。

調査によって数字が違うのはなぜか|分母と対象と方法

楓

最後に、ほかの調査で見かける6%や8%という数字との関係を整理します。どれかが誤っているのではなく、測っている対象と方法が違います。

調査公表値分母・対象方法時点
就業構造基本調査(本記事の基準)4.8%非農林業従事者全国約54万世帯を対象とする標本調査(基幹統計)2022年10月1日
同調査を有業者ベースで再集計した値約5.0%有業者総数(農林業を含む)同じ統計表を第三者が別の分母で再集計2022年10月1日
労働政策研究・研修機構の調査6.0%仕事をしている18〜64歳調査会社の登録モニターへのインターネット調査(有効回答18万8,980人)2022年10月3〜13日
人材サービス会社Aの自社調査6.8%自社調査対象のビジネスパーソン18,022人自社アンケート各社の公表による
人材サービス会社Bの自社調査8.4%自社調査対象の社会人15,000人自社アンケート各社の公表による
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」/労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」(2023年5月19日)/各社公表資料
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

就業構造基本調査は、全国の約54万世帯(15歳以上の世帯員約108万人)を対象とする基幹統計調査です。副業者比率4.8%は、非農林業従事者を分母として算出されています。同じ統計表を有業者の総数で割り直した約5.0%という値も流通していますが、これは第三者による再集計であり、総務省が公表している指標ではありません。

労働政策研究・研修機構の「副業者の就労に関する調査」では、副業をしている人は6.0%でした。こちらは調査会社の登録モニターのうち仕事をしている18〜64歳を対象としたインターネット調査で、有効回答は18万8,980人です。人材サービス会社が公表している6.8%・8.4%という値は、自社の調査対象へのアンケートにもとづくものです。

分母・対象・方法が異なれば、同じ「副業をしている人の割合」でも数値は変わります。どの数字を使うかを決めるときは、割合の分母が何か、誰を対象に、どのような方法で、いつ調べたものかを揃えて比べる必要があります。

楓のまとめ|4.8%の内訳を3つの観察事実で整理する

楓

ここまでの推移・雇用形態・地域差を並べ終えました。数値から読み取れることを、3つの観察事実にまとめておきます。

「副業をしている人は何%か」という問いに対して、本記事で並べた図解は、分母のとり方と、雇用形態、そして地域によって見え方が変わることを示してきました。全体の割合だけでは見えない構造を、観察事実として整理しておきます。

楓の観察整理
3つの観察事実

観察1. 2022年10月1日現在、本業のほかに仕事がある人は304.9万人で、非農林業従事者に占める割合は4.8%でした。5年前の3.9%から0.9ポイント上がっています。人数では2012年の214.6万人が直近20年で最も少なく、そこから2022年までに90.3万人増えています。

観察2. 副業者比率は正規の職員・従業員が2.5%、非正規の職員・従業員が7.2%で、非正規が正規の約2.9倍です。一方、追加就業希望者比率は正規7.7%・非正規8.4%で、その差は0.7ポイントにとどまります。「している」と「したい」で、雇用形態の開き方が異なっています。

観察3. 都道府県別の副業者比率は京都府7.5%が最も高く、東京都6.5%、和歌山県5.6%と続きます。最も低いのは宮崎県3.3%で、最高と最低の差は約2.3倍です。5年前と比べてポイント差がマイナスとなったのは、秋田県・山形県・岩手県・宮崎県・新潟県の5県です。

3つの観察事実を重ねると、4.8%という一つの数字の内側に、雇用形態による2.5%と7.2%の差、そして京都府7.5%と宮崎県3.3%という地域の幅が含まれていることがわかります。同じ調査の中でも、どの切り口で分けるかによって、示される水準は大きく動きます。次回の就業構造基本調査は令和9年(2027年)に実施される予定です。

よくある質問(FAQ)

楓

副業の割合を調べるときは、分母・対象・時点の3点をセットで確認してください。この3点が変わるだけで、読み取れる数字が変わります。

Q1. 「副業をしている人は4.8%」の分母は何ですか?

有業者の総数ではなく、有業者のうち本業の産業が「農業,林業」および「分類不能の産業」以外の者、すなわち非農林業従事者です。総務省が公表している副業者比率は、この分母で算出されています。有業者の総数6,706万人を分母に置き換えると別の値になるため、他の資料の数字と比べるときは分母をそろえて確認してください。

Q2. ほかの調査では6%や8%と書かれています。どちらが正しいのですか?

いずれも各調査の定義に沿って算出された値です。就業構造基本調査は全国約54万世帯を対象とする基幹統計調査で、労働政策研究・研修機構や人材サービス会社の調査は、登録モニターや自社の調査対象を母集団とするインターネット調査です。分母・対象・方法・時点が異なるため、数値も異なります。

Q3. このデータはいつの時点のものですか?

2022年(令和4年)10月1日現在です。結果は2023年(令和5年)7月21日に公表されました。就業構造基本調査は5年ごとに実施されており、次回は令和9年(2027年)に実施される予定です。そのため本記事の数値は、公開時点での最新の状態を示すものではありません。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年8月

記事内の主要な数値・事実について、確認の度合いを4段階で示しています。

✅ 一次確認:公式発表・省庁・原典で直接確認 🔍 二次確認:報道など二次情報で確認 📊 筆者試算:一次データを基にした独自計算 ⚠ 要確認:状況により変わるもの
✅ 一次確認

副業がある者304.9万人・副業者比率4.8%(5年前比+0.9ポイント)・追加就業希望者493.4万人・同比率7.8%

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」表5-1・表5-2 →
✅ 一次確認

雇用形態別の副業者比率 正規2.5%・非正規7.2%/追加就業希望者比率 正規7.7%・非正規8.4%(2022年)

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」図5-2・図5-4 →
✅ 一次確認

47都道府県別の副業者比率(京都府7.5%・東京都6.5%・宮崎県3.3%ほか全数)とポイント差の公表値

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」表5-1 →
✅ 一次確認

2002年から2022年までの5時点系列(236.4万人→304.9万人)・有業者6,706万人・調査規模 約54万世帯

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の要約」図2 →
✅ 一次確認

副業をしている人6.0%(対象=仕事をしている18〜64歳・調査会社の登録モニターへのインターネット調査・有効回答18万8,980人)

労働政策研究・研修機構「副業者の就労に関する調査」 →
✅ 一次確認

フリーランス257.4万人・本業がフリーランス209.4万人・副業のみがフリーランス48.0万人・本業がフリーランスで副業もある者6.4万人(2022年)

総務省統計局「令和4年就業構造基本調査 結果の概要」表6-1 →
📊 筆者試算

「4.8%=およそ21人に1人」。100 ÷ 4.8 = 20.8 として、公表値から編集部が算出しました。

算出の基礎データ:同調査 結果の概要 表5-1 →
📊 筆者試算

「したい」と「している」の差=追加就業希望者比率 − 副業者比率。全国は 7.8 − 4.8 = 3.0ポイント。公表値(小数第1位)どうしの引き算のため、四捨五入前の値から求めた差とは最大0.1ポイント程度ずれることがあります。

算出の基礎データ:同調査 結果の概要 表5-1・表5-2 →
⚠ 要確認

本記事の数値は2022年(令和4年)10月1日現在のものです。就業構造基本調査は5年ごとに実施され、次回は令和9年(2027年)に実施される予定のため、公開時点の最新の状態を示すものではありません。

更新の可能性あり。総務省統計局 調査の結果ページ →
⚠ 要確認

有業者の総数を分母に置き換えた約5.0%という値は、第三者が同じ統計表を再集計したものであり、総務省が公表している副業者比率とは分母が異なります。

分母の定義は総務省の公表資料をご確認ください →
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