
副業をしている人の割合は、調査によって4.8%から8.4%まで開きがあります。まずは国の基幹統計の数字を起点に、分母のとり方と5年間の変化を順番に見ていきます。
総務省統計局の令和4年就業構造基本調査によると、2022年(令和4年)10月1日現在で本業のほかに仕事がある人、いわゆる副業がある者は304.9万人でした。非農林業従事者に占める割合である副業者比率は4.8%で、5年前の2017年(3.9%)から0.9ポイント上がっています。副業者比率の分母は有業者の総数ではなく、農業・林業と分類不能の産業を除いた非農林業従事者です。
本記事では、この調査の公表値をもとに、20年間の推移、正規と非正規の差、「している人」と「したい人」のひらき、47都道府県の差を図解で整理します。就業構造基本調査は5年ごとに実施される基幹統計で、最新は2022年調査です。数値はすべて2022年10月1日現在の状態を表しています。
働き方や収入をめぐる長期の変化については、物価と賃金、30年の推移を比較&図解【2026年】でも別の角度から整理しています。
本業のほかに仕事がある人は、日本にどれくらいいる?
非農林業従事者の4.8%、304.9万人。5年前より0.9ポイント高い。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
副業をしている人は何%か|4.8%の分母を確かめる

最初に、この4.8%が何を分母にした割合なのかを確かめておきます。ここを取り違えると、ほかの調査の数字と並べたときに話がかみ合わなくなります。
就業構造基本調査でいう「副業がある者」とは、有業者のうち本業のほかに仕事がある人を指します。そしてこの人数を割る分母が「非農林業従事者」です。非農林業従事者とは、有業者のうち本業の産業が「農業,林業」および「分類不能の産業」以外の者をいいます。有業者の総数6,706万人ではない、という点がこの指標の出発点になります。
あわせて押さえておきたいのが「追加就業希望者」です。これは、いま就いている仕事を続けながら、他の仕事もしたいと思っている人を指します。2022年の追加就業希望者は493.4万人で、同じ分母に対する追加就業希望者比率は7.8%でした。「している人」と「したい人」は、同じ分母の上で並べて比べられる関係にあります。
副業がある者の中身を別の角度から見ると、フリーランスとの関係が見えてきます。同じ調査でフリーランスは257.4万人。このうち本業がフリーランスの人が209.4万人、副業のみがフリーランスの人が48.0万人でした。本業がフリーランスで副業もある人は6.4万人です。副業がある者304.9万人のうち、副業の形がフリーランスである人は一部にとどまります。
4.8%という割合を人数の感覚に置き換えると、100 ÷ 4.8 = 20.8 で、およそ21人に1人にあたります。これは公表値から編集部が算出した目安です。職場や学校で20人ほどが集まったとき、そのうち1人が本業のほかにも仕事を持っている、という規模感になります。
20年でどう変わったか|2012年を底に増加

人数の推移は、5年ごとの調査結果を棒で並べると節目が見えてきます。一本調子ではなく、いったん下がってから上向いた形をしています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
副業がある者の人数は、2002年が236.4万人、2007年が241.5万人、2012年が214.6万人、2017年が245.1万人、そして2022年が304.9万人でした。直近20年で最も少なかったのは2012年の214.6万人で、そこから2022年までに90.3万人増えています。5年前の2017年と比べると59.8万人の増加です。
割合で見ると、副業者比率は2007年3.9%、2012年3.6%、2017年3.9%、2022年4.8%と推移しています。2007年から2017年までの10年間はおおむね横ばいで、2017年から2022年にかけての0.9ポイントが、この20年で最も大きな動きでした。なお比率の公表系列は2007年からのため、2002年については人数のみを掲載しています。
追加就業希望者も同じ期間に増えています。2002年315.2万人、2007年321.3万人、2012年340.5万人、2017年399.9万人、2022年493.4万人と、5時点すべてで前回を上回りました。副業がある者が2012年にいったん減ったのに対し、追加就業希望者は減った時点がありません。5年前との比較では93.5万人の増加で、副業がある者の増加幅59.8万人を上回っています。
正規と非正規で差はあるか|2.5%と7.2%

次は雇用形態別です。同じ副業者比率でも、正規と非正規では水準がはっきり分かれています。3本の折れ線を重ねると、その間隔の変化まで確認できます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2022年の副業者比率を雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員が2.5%、非正規の職員・従業員が7.2%でした。非正規の職員・従業員の比率は、正規の職員・従業員の約2.9倍にあたります。5年前と比べると、正規は0.6ポイント、非正規は1.3ポイントの上昇です。
過去の推移を見ると、正規の職員・従業員は2007年2.2%、2012年1.8%、2017年1.9%と2%前後で推移し、2022年に2.5%まで上がりました。非正規の職員・従業員は2007年5.4%、2012年5.3%、2017年5.8%、2022年7.2%で、水準は一貫して正規を上回っています。
雇用形態そのものの構成比の変化については、正規と非正規の雇用、40年の推移を図解で解説【2026年】で整理しています。
「している人」と「したい人」|ひらき方が雇用形態で違う

ここがこの調査でいちばん見え方の変わるところです。「している」と「したい」を同じ目盛の上に並べると、雇用形態ごとのひらき方が入れ替わります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
働く人全体では、副業者比率が4.8%、追加就業希望者比率が7.8%です。雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員は「している」が2.5%に対し「したい」は7.7%、非正規の職員・従業員は「している」が7.2%に対し「したい」は8.4%でした。
「している」では非正規が正規の約2.9倍でしたが、「したい」では正規7.7%・非正規8.4%で、その差は0.7ポイントです。実施している割合では大きく開き、希望している割合ではほぼ並ぶ、という形になっています。追加就業希望者比率の推移を見ると、正規は2017年の5.3%から2022年に7.7%へと2.4ポイント上がり、非正規は8.4%で前回と同じ水準でした。
なお、「したい」から「している」を差し引いた値は、公表値どうしの引き算による編集部の試算です。全国では 7.8 − 4.8 = 3.0ポイント となります。両比率は分母が同じ非農林業従事者ですが、四捨五入前の値から求めた差とは最大0.1ポイント程度ずれることがあります。
都道府県でどれくらい違うか|京都府7.5%から宮崎県3.3%まで

47都道府県の差は、表よりタイルマップで見ると分布の偏りがつかめます。色の濃いタイルがどこに散らばっているかを確かめてみてください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
都道府県別の副業者比率は、京都府が7.5%で最も高く、次いで東京都6.5%、和歌山県5.6%、鳥取県5.5%、長野県と島根県が各5.3%と続きます。最も低いのは宮崎県の3.3%で、大分県3.5%、静岡県3.6%、青森県3.7%の順でした。最高の京都府と最低の宮崎県の差は約2.3倍にあたります。
上位に並ぶのは大都市を抱える都府県だけではありません。京都府と東京都に続く3位から6位は和歌山県・鳥取県・長野県・島根県で、いずれも人口規模の大きい地域ではありません。一方、大阪府・兵庫県・愛知県は全国と同じ4.8%、埼玉県は4.5%、千葉県は4.3%です。
5年前との比較では、上昇幅が最も大きいのは京都府の2.5ポイントで、東京都と高知県が各1.5ポイント、愛知県が1.3ポイントと続きます。反対にポイント差がマイナスとなったのは、秋田県が-0.5、山形県が-0.3、岩手県と宮崎県が各-0.2、新潟県が-0.1の5県でした。三重県は-0.0で、表章単位に満たない差として公表されています。
都道府県ごとの賃金水準の差については、最低賃金、47都道府県の20年推移を図解【2026年】で20年分の推移を整理しています。
都道府県別の一覧|比率順と「したい−している」差順

同じ47都道府県を、比率の高い順と、「したい」と「している」の差が大きい順の2つの並びで置いてみます。上位に来る顔ぶれが入れ替わります。
| 1 | 京都府 | 7.5% |
| 2 | 東京都 | 6.5% |
| 3 | 和歌山県 | 5.6% |
| 4 | 鳥取県 | 5.5% |
| 5 | 島根県 | 5.3% |
| 5 | 長野県 | 5.3% |
| 7 | 高知県 | 5.2% |
| 8 | 神奈川県 | 5.1% |
| 9 | 奈良県 | 4.9% |
| 10 | 佐賀県 | 4.8% |
| 10 | 兵庫県 | 4.8% |
| 10 | 大阪府 | 4.8% |
| 10 | 山梨県 | 4.8% |
| 10 | 岡山県 | 4.8% |
| 10 | 愛知県 | 4.8% |
| 10 | 福井県 | 4.8% |
| 17 | 岩手県 | 4.7% |
| 18 | 滋賀県 | 4.6% |
| 19 | 埼玉県 | 4.5% |
| 19 | 山形県 | 4.5% |
| 19 | 広島県 | 4.5% |
| 19 | 石川県 | 4.5% |
| 23 | 富山県 | 4.4% |
| 23 | 山口県 | 4.4% |
| 23 | 徳島県 | 4.4% |
| 23 | 熊本県 | 4.4% |
| 27 | 千葉県 | 4.3% |
| 27 | 愛媛県 | 4.3% |
| 27 | 新潟県 | 4.3% |
| 27 | 栃木県 | 4.3% |
| 27 | 沖縄県 | 4.3% |
| 27 | 長崎県 | 4.3% |
| 33 | 北海道 | 4.2% |
| 33 | 岐阜県 | 4.2% |
| 33 | 群馬県 | 4.2% |
| 33 | 鹿児島県 | 4.2% |
| 37 | 三重県 | 4.1% |
| 37 | 福島県 | 4.1% |
| 37 | 秋田県 | 4.1% |
| 37 | 茨城県 | 4.1% |
| 41 | 宮城県 | 4.0% |
| 41 | 福岡県 | 4.0% |
| 41 | 香川県 | 4.0% |
| 44 | 青森県 | 3.7% |
| 45 | 静岡県 | 3.6% |
| 46 | 大分県 | 3.5% |
| 47 | 宮崎県 | 3.3% |
| 1 | 沖縄県 | +5.9pt |
| 2 | 福岡県 | +4.4pt |
| 3 | 宮崎県 | +3.7pt |
| 3 | 東京都 | +3.7pt |
| 3 | 神奈川県 | +3.7pt |
| 6 | 千葉県 | +3.5pt |
| 6 | 奈良県 | +3.5pt |
| 6 | 滋賀県 | +3.5pt |
| 9 | 大阪府 | +3.4pt |
| 9 | 熊本県 | +3.4pt |
| 9 | 静岡県 | +3.4pt |
| 12 | 埼玉県 | +3.3pt |
| 12 | 愛知県 | +3.3pt |
| 14 | 鹿児島県 | +3.2pt |
| 15 | 香川県 | +3.0pt |
| 16 | 大分県 | +2.9pt |
| 16 | 宮城県 | +2.9pt |
| 18 | 三重県 | +2.8pt |
| 18 | 北海道 | +2.8pt |
| 20 | 広島県 | +2.6pt |
| 20 | 青森県 | +2.6pt |
| 22 | 岐阜県 | +2.5pt |
| 23 | 岡山県 | +2.4pt |
| 24 | 兵庫県 | +2.3pt |
| 25 | 茨城県 | +2.2pt |
| 26 | 山梨県 | +2.1pt |
| 27 | 佐賀県 | +2.0pt |
| 27 | 秋田県 | +2.0pt |
| 27 | 長崎県 | +2.0pt |
| 30 | 群馬県 | +1.9pt |
| 31 | 栃木県 | +1.8pt |
| 31 | 石川県 | +1.8pt |
| 31 | 長野県 | +1.8pt |
| 34 | 愛媛県 | +1.7pt |
| 34 | 高知県 | +1.7pt |
| 36 | 和歌山県 | +1.6pt |
| 36 | 富山県 | +1.6pt |
| 36 | 山口県 | +1.6pt |
| 36 | 徳島県 | +1.6pt |
| 36 | 福井県 | +1.6pt |
| 41 | 山形県 | +1.5pt |
| 41 | 新潟県 | +1.5pt |
| 43 | 京都府 | +1.3pt |
| 43 | 福島県 | +1.3pt |
| 43 | 鳥取県 | +1.3pt |
| 46 | 岩手県 | +1.0pt |
| 47 | 島根県 | +0.9pt |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
左の並びは副業者比率の高い順、右の並びは追加就業希望者比率から副業者比率を差し引いた値の大きい順です。右の並びで最も大きいのは沖縄県の5.9ポイントで、福岡県4.4ポイント、東京都・神奈川県・宮崎県が各3.7ポイントと続きます。
左で1位の京都府は、右では1.3ポイントで43位です。反対に、左で47位の宮崎県は、右では3.7ポイントで3位に位置します。左で2位の東京都は右でも3位につきますが、左で3位の和歌山県は右では1.6ポイントで36位です。同じ47都道府県でも、「している割合」で並べるか「したいとの差」で並べるかで、上位に来る顔ぶれが入れ替わります。
調査によって数字が違うのはなぜか|分母と対象と方法

最後に、ほかの調査で見かける6%や8%という数字との関係を整理します。どれかが誤っているのではなく、測っている対象と方法が違います。
| 調査 | 公表値 | 分母・対象 | 方法 | 時点 |
|---|---|---|---|---|
| 就業構造基本調査(本記事の基準) | 4.8% | 非農林業従事者 | 全国約54万世帯を対象とする標本調査(基幹統計) | 2022年10月1日 |
| 同調査を有業者ベースで再集計した値 | 約5.0% | 有業者総数(農林業を含む) | 同じ統計表を第三者が別の分母で再集計 | 2022年10月1日 |
| 労働政策研究・研修機構の調査 | 6.0% | 仕事をしている18〜64歳 | 調査会社の登録モニターへのインターネット調査(有効回答18万8,980人) | 2022年10月3〜13日 |
| 人材サービス会社Aの自社調査 | 6.8% | 自社調査対象のビジネスパーソン18,022人 | 自社アンケート | 各社の公表による |
| 人材サービス会社Bの自社調査 | 8.4% | 自社調査対象の社会人15,000人 | 自社アンケート | 各社の公表による |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
就業構造基本調査は、全国の約54万世帯(15歳以上の世帯員約108万人)を対象とする基幹統計調査です。副業者比率4.8%は、非農林業従事者を分母として算出されています。同じ統計表を有業者の総数で割り直した約5.0%という値も流通していますが、これは第三者による再集計であり、総務省が公表している指標ではありません。
労働政策研究・研修機構の「副業者の就労に関する調査」では、副業をしている人は6.0%でした。こちらは調査会社の登録モニターのうち仕事をしている18〜64歳を対象としたインターネット調査で、有効回答は18万8,980人です。人材サービス会社が公表している6.8%・8.4%という値は、自社の調査対象へのアンケートにもとづくものです。
分母・対象・方法が異なれば、同じ「副業をしている人の割合」でも数値は変わります。どの数字を使うかを決めるときは、割合の分母が何か、誰を対象に、どのような方法で、いつ調べたものかを揃えて比べる必要があります。
楓のまとめ|4.8%の内訳を3つの観察事実で整理する

ここまでの推移・雇用形態・地域差を並べ終えました。数値から読み取れることを、3つの観察事実にまとめておきます。
「副業をしている人は何%か」という問いに対して、本記事で並べた図解は、分母のとり方と、雇用形態、そして地域によって見え方が変わることを示してきました。全体の割合だけでは見えない構造を、観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねると、4.8%という一つの数字の内側に、雇用形態による2.5%と7.2%の差、そして京都府7.5%と宮崎県3.3%という地域の幅が含まれていることがわかります。同じ調査の中でも、どの切り口で分けるかによって、示される水準は大きく動きます。次回の就業構造基本調査は令和9年(2027年)に実施される予定です。
よくある質問(FAQ)

副業の割合を調べるときは、分母・対象・時点の3点をセットで確認してください。この3点が変わるだけで、読み取れる数字が変わります。
Q1. 「副業をしている人は4.8%」の分母は何ですか?
有業者の総数ではなく、有業者のうち本業の産業が「農業,林業」および「分類不能の産業」以外の者、すなわち非農林業従事者です。総務省が公表している副業者比率は、この分母で算出されています。有業者の総数6,706万人を分母に置き換えると別の値になるため、他の資料の数字と比べるときは分母をそろえて確認してください。
Q2. ほかの調査では6%や8%と書かれています。どちらが正しいのですか?
いずれも各調査の定義に沿って算出された値です。就業構造基本調査は全国約54万世帯を対象とする基幹統計調査で、労働政策研究・研修機構や人材サービス会社の調査は、登録モニターや自社の調査対象を母集団とするインターネット調査です。分母・対象・方法・時点が異なるため、数値も異なります。
Q3. このデータはいつの時点のものですか?
2022年(令和4年)10月1日現在です。結果は2023年(令和5年)7月21日に公表されました。就業構造基本調査は5年ごとに実施されており、次回は令和9年(2027年)に実施される予定です。そのため本記事の数値は、公開時点での最新の状態を示すものではありません。
🔍 この記事のファクトチェックについて

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。



