
人口の「多い・少ない」は、47都道府県を1枚に並べると一気に見えてきます。ランキングの横棒、日本地図のタイルマップ、長期推移の折れ線を重ねると、人口がどこに集まり、これからどう動くのかが立体的に浮かびます。
いちばん人口が多い都道府県は東京都の約1,418万人、いちばん少ないのは鳥取県の約53万人で、その差は約27倍です。総務省統計局の人口推計(2024年10月1日現在)によると、全国の総人口は1億2,380万人で、14年連続の減少。人口は東京・大阪・愛知などの大都市圏に集中し、上位5都府県だけで全国の約38%を占めています。「人口が多い県・少ない県」の差は、面積よりも都市圏への集中度で決まっているのが、いまの日本の人口分布です。
本記事では、総務省統計局の人口推計(2024年10月1日現在・確定値)と、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」をもとに、47都道府県の人口を、ランキング横棒・日本地図のタイルマップ・1920年からの長期推移・直近1年の増減・2050年の将来推計・「人口」という言葉の定義という6枚の図解で整理します。いまの人口分布と、これから起きる変化の両方を、別々の角度から重ねて観察していきます。
人口がいちばん多い都道府県と、いちばん少ない都道府県では、どれくらい差があるのか。
最多の東京都(約1,418万人)は、最少の鳥取県(約53万人)の約27倍。人口は一部の大都市圏に強く集中している。
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最多と最少で約27倍|東京都と鳥取県の人口差

47都道府県を多い順・少ない順に並べると、人口の偏りが横棒の長さでそのまま見えてきます。上位10と下位10を左右に並べてみます。
都道府県別の人口を多い順に見ると、首位は東京都の約1,418万人です。2位は神奈川県の約923万人、3位は大阪府の約876万人、4位は愛知県の約746万人、5位は埼玉県の約733万人と続きます。いずれも東京・名古屋・大阪という三大都市圏に属する都府県で、上位5都府県だけで全国人口の約38%、上位10都道府県では半分以上を占めています。
一方、人口が最も少ないのは鳥取県の約53万人です。次いで島根県が約64万人、高知県が約66万人、徳島県が約69万人と、下位には中国・四国地方の県が並びます。最多の東京都は最少の鳥取県の約27倍にあたり、同じ「1つの都道府県」でも、人口規模はこれほど大きく異なります。東京都の人口は、下位10県(鳥取・島根・高知・徳島・福井・佐賀・山梨・和歌山・秋田・香川)の合計(約780万人)を大きく上回る規模です。
ランキングの横棒を眺めると、上位と下位のあいだには連続的な階段ではなく、東京都だけが頭一つ抜けた「断絶」があることがわかります。2位の神奈川県でも東京都の3分の2程度で、3位以下はさらになだらかに下がっていきます。人口ランキングは、都道府県が均等に並んでいるのではなく、ごく一部の大都市圏に偏って積み上がっている構造を映しています。
人口は太平洋ベルトに集まっている|日本地図で見る分布

数字のランキングだけでは「どこに集まっているか」は見えません。47都道府県を地図の形に並べたタイルマップで、人口の濃淡を確かめます。
人口を日本地図の形に並べたタイルマップにすると、色の濃い「人口が多い地域」が、関東から東海・近畿・北部九州へと連なる帯のように分布していることが見えてきます。これは太平洋側の沿岸部に都市と産業が集中してきた、いわゆる太平洋ベルトとほぼ重なります。関東1都6県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬)だけで全国人口の約35%を占め、首都圏への集中が際立ちます。
対照的に、東北・山陰・四国・南九州などの地域は色が薄く、人口が少ない県が固まっています。東京都が約1,418万人である一方、東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)を合計しても約710万人で、東京都1つの半分程度にとどまります。地理的な面積で見れば東北は広大ですが、人口で見ると首都圏のほうがはるかに密度が高い、という逆転が起きています。
タイルマップは、各都道府県を同じ大きさのマスで表すため、面積の大小に惑わされず「人口がどこに偏っているか」だけを純粋に比べられます。ランキングの横棒が「どれだけ違うか」を示すのに対し、タイルマップは「どこに集まっているか」という空間の偏りを示します。2つを重ねると、人口の多さが特定の地域に面として広がっていることが立体的に理解できます。
2008年がピーク、いまは14年連続の減少|全国人口の長期推移

いまの人口を理解するには、100年の流れの中で「どのあたりにいるか」を知るのが近道です。1920年からの折れ線で、増えてきた時代と減り始めた転換点を見ます。
全国の総人口を1920年(第1回国勢調査)から追うと、長く右肩上がりを続けてきたことがわかります。1920年の約5,596万人から、戦後の高度経済成長期にかけて急増し、1970年には1億人を突破しました。その後も増加は続き、1990年に約1億2,361万人、2000年代に入って2008年に約1億2,808万人でピークを迎えます。約90年で人口は2倍以上に膨らんだ計算です。
しかし、ピークを境に流れは反転します。2011年以降、全国の総人口は減少局面に入り、2024年まで14年連続で減り続けています。2024年の総人口は1億2,380万人で、前年から約55万人減りました。これは1年でひとつの政令指定都市が消えるのに近い規模の減少です。出生数の減少と高齢化による死亡数の増加が重なり、自然減は47都道府県すべてに及んでいます。
長期の折れ線で見ると、いまの日本は「増え続けた約90年」と「減り始めた十数年」のちょうど転換点に立っていることがわかります。ピークの2008年から2024年までの減少幅は約430万人で、まだ全体の数%ですが、減少のペースは年々速まっています。この全国規模の縮小が、次に見る「都道府県ごとの増減」や「2050年の将来推計」の前提になっていきます。
直近1年で人口が増えたのは2都県だけ|都道府県別の増減

全国が減るなかでも、増えている地域はあるのでしょうか。直近1年の増減率を47都道府県で並べると、その答えがはっきり出ます。
2023年から2024年にかけての人口増減率を47都道府県で並べると、増加(プラス)はわずか2都県しかありません。東京都が+0.66%、埼玉県が+0.01%で、全国で人口が増えたのは東京都と埼玉県だけでした。残る45道府県はすべて減少で、図解の横棒も大半が左(マイナス)に伸びています。全国が縮むなかでの「増加」は、ごく一部の都市圏に限られています。
最も減少率が大きかったのは秋田県の1.87%減で、青森県(1.66%減)、岩手県(1.57%減)、高知県(1.56%減)と、東北や四国の県が減少の上位に並びます。これらの地域では、若い世代が進学や就職で都市部へ流出する社会減に、高齢化による自然減が重なり、減少が加速しています。東京都の増加も、出生による自然増ではなく、地方からの転入超過(社会増)が支えている点が特徴です。
つまり直近1年の動きは、全国の総人口が減るなかで、人口が「東京都を中心とする首都圏へ移動している」構図を映しています。日本全体の人口が増えているわけではなく、減っていく人口が一部の都市圏に集まり直しているのです。この「全国減・首都圏集中」という流れが、将来推計ではさらに極端な形で現れることになります。
2050年に人口が増えるのは東京都だけ|将来推計

いまの分布は、これからどう変わるのでしょうか。社人研の将来推計で、2050年の人口変化率を47都道府県で見ると、一極集中の行き着く先が見えてきます。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計(令和5年推計)で、2020年から2050年にかけての人口変化率を見ると、30年後に人口が増えているのは東京都(+2.5%)ただ1都だけになります。直近1年では東京都と埼玉県の2都県が増えていましたが、長期で見ると埼玉県も減少に転じ、増加は東京都のみに収束する見通しです。
残る46道府県はすべて減少し、しかも減り方は急になります。人口が30%以上減ると見込まれる県は11県にのぼり、最も減少率が大きい秋田県は41.6%減と、30年で人口の4割超が失われる推計です。青森県(39.0%減)、岩手県(35.3%減)、高知県(34.8%減)など、すでに直近で減少が進む地域ほど、将来の減少幅も大きくなる傾向が見られます。
この推計が示すのは、現在の「全国減・首都圏集中」という流れが、今後30年でさらに鮮明になるという見通しです。いまは2都県だった増加が、2050年には東京都1都へ。人口は東京一極集中へと収束していく方向にあります。ただし、これは出生・死亡・人口移動について一定の仮定を置いた推計値であり、実際の値ではありません。前提が変われば結果も変わる点には注意が必要です。
同じ「人口」でも数字が変わる|指標の種類に注意

「人口」と一口に言っても、総人口・日本人人口・調査の種類で数字は変わります。ランキングを読むときに知っておきたい違いを整理します。
人口ランキングを読むとき、意外と見落とされがちなのが「どの人口を指しているか」です。本記事の数字は、総務省統計局の人口推計による総人口(在留外国人を含む)で統一しています。一方、日本人だけを数えた「日本人人口」は2024年で約1億2,030万人で、総人口(1億2,380万人)との差の約350万人が在留外国人にあたります。同じ「人口」でも、外国人を含むかどうかで数字が変わります。
さらに、人口を測る調査にも種類があります。5年ごとに全数を調べる「国勢調査」と、その間を毎年補う「人口推計」では、基準となる時点や方法が異なります。例えば東京都の人口は、人口推計の総人口では約1,418万人ですが、2020年の国勢調査では約1,405万人と、調査によって数字が変わります。どちらかが間違っているわけではなく、調査の設計が違うために生じる差です。
人口ランキングの記事やニュースを比べると、出典によって順位や数値が微妙に異なることがあります。その多くは、総人口か日本人人口か、人口推計か国勢調査か、どの時点の数字か、という前提の違いによるものです。本記事では、最新の確定値である総務省統計局「人口推計(2024年10月1日現在)」の総人口に統一し、将来推計のみ社人研のデータを用いています。
楓のまとめ|人口は「東京一極集中」へと収束していく

ここまでの6枚を重ねると、人口分布が「東京一極集中」へと収束していく流れが見えてきます。3つの観察事実に整理します。
「都道府県の人口ランキング」という問いから出発して、本記事ではランキング・地図・長期推移・直近増減・将来推計・指標の定義という6つの角度で人口を眺めてきました。そこから浮かび上がるのは、単なる順位表ではなく、人口が特定の地域に集まり、これからさらに集中していくという一貫した流れです。データに優劣をつけるのではなく、見えてきた構造を観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねて読むと、いまの人口分布は「すでに東京圏に偏っている」だけでなく「これからさらに東京圏へ収束していく」途中にあることがわかります。全国が14年連続で縮むなかで、人口が増えるのは直近で2都県、2050年には東京都1都のみという推計は、人口減少と一極集中が同時に進む日本の姿を象徴しています。「東京は鳥取の何倍か」という素朴な問いの先には、人口がどこへ向かって動いているのか、という大きな流れが続いているのです。
よくある質問(FAQ)

人口ランキングを読むときは、どの人口か・いつの時点か・全国の流れの中でどう位置づくか、の3点をセットで確認してください。同じ「人口」でも、この3点で見え方が変わります。
Q1. 都道府県の人口ランキングは、何のデータを見ればいいですか?
最も基本となるのは、総務省統計局が毎年公表する「人口推計」と、5年ごとの「国勢調査」です。本記事では、最新の確定値である人口推計(2024年10月1日現在)の総人口を用いています。人口推計は毎年更新されるため最新の状況を追うのに向いており、国勢調査は5年ごとに全数を調べるため精度の高い基準値になります。ニュースや他サイトの数字と比べる際は、どちらの調査のいつ時点のデータか、総人口か日本人人口かを確認すると、数字の食い違いの理由がわかります。
Q2. なぜ東京都と埼玉県だけ人口が増えているのですか?
出生による自然増ではなく、他の地域からの転入が転出を上回る「社会増」が主な理由です。進学や就職を機に、地方から東京都を中心とする首都圏へ移り住む若い世代が多く、その流れが東京都と、東京都に隣接する埼玉県の人口を押し上げています。一方で全国的には出生数の減少と高齢化による死亡数の増加で自然減が続いており、47都道府県すべてが自然減の状態です。つまり「増加」といっても、人口が新たに生まれているのではなく、減っていく人口が首都圏に集まり直している、という構図になっています。
Q3. 2050年に人口が増えるのが東京都だけ、というのは本当ですか?
国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位・死亡中位の仮定では、2020年から2050年にかけて人口が増えるのは東京都(+2.5%)のみと推計されています。残る46道府県は減少し、30%以上減る県は11県、最大の秋田県は41.6%減と見込まれています。ただし、これはあくまで一定の前提を置いた推計値であり、確定した未来ではありません。出生率の回復や人口移動の変化など、前提が変われば結果も変わります。「現状の傾向が続けばこうなる」という見通しとして読むのが適切です。
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