
「力士はどの都道府県の出身が多いのか」という問いは、47都道府県のタイルマップと地図を並べると、多い地域と少ない地域の輪郭がはっきり見えてきます。実数と人口あたりの2つの見方を重ねると、景色がもう一段変わります。
現役力士603人の出身地をたどると、最も多いのは東京都の48人で、大阪府29人、千葉県28人、埼玉県27人と続きます。これは令和8年5月場所の番付に載る全段の力士を、日本相撲協会の公表データから出身地別に数えたものです。47都道府県のすべてに在籍者がおり、出身者が0人の県はありません。
一方で、人口10万人あたりに直すと順位は大きく入れ替わります。実数で上位の都市圏は人口あたりでは下位に下がり、青森県や熊本県、大分県といった県が上位に並びます。本記事では、47都道府県タイルマップ・実形状の分布地図・実数と人口あたりのスロープ・外国出身の国別内訳といった図解で、力士の出身地の分布を観察していきます。
現役力士の出身地は、どの都道府県に多いのか。
最も多いのは東京都の48人。47都道府県すべてに在籍し、0人の県はない。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
出身力士が多いのはどこか|東京48人を筆頭に都市圏が上位

まずは実数で、多い県と少ない県を上下に並べてみます。上位と下位で人数の幅がどれくらい違うのか、横棒の長さで見えてきます。
実数で見ると、出身力士が最も多いのは東京都の48人です。次いで大阪府29人、千葉県28人、埼玉県27人、神奈川県27人、愛知県26人と続き、上位には人口の多い都市圏が並びます。東京都の48人は2位の大阪府29人を大きく引き離しており、単独で全体の約8%を占めます。
一方、少ない側を見ると、最も少ないのは福井県の1人で、奈良県・鳥取県・佐賀県が各2人と続きます。最多の東京都48人と最少の福井県1人では、48倍の開きがあります。ただし、ここで見ているのは出身者の実数であり、県の人口規模が大きいほど出身者も多くなりやすい関係がある点には留意が必要です。
47都道府県を一覧で見る|タイルマップでの分布

47都道府県を同じ大きさのタイルに並べると、面積の大小に惑わされず、どの県に何人いるかを等価に見比べられます。色が濃いほど人数が多い県です。
タイルマップは、各都道府県を同じ大きさの区画で表すことで、面積の違いによる見た目の偏りをなくして人数を比較する図解です。色が濃いほど出身力士が多く、東京都が最も濃く表示されます。首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)と近畿(大阪・兵庫)、そして九州北部(熊本・福岡)にまとまった濃さが見られます。
右側のサイドパネルには、多い上位8県と少ない8県を並べました。上位8県は東京48人から熊本22人まで、下位8県はいずれも一桁台です。47都道府県すべてに在籍者がいるため、データなし(0人)の県は存在しません。全国どの県からも力士が出ているというのが、この一覧から読み取れる事実です。
どの地域に集まるか|実際の地図での分布

県の形と位置を保った地図に重ねると、「どの地方に多いか」という地域のまとまりが面で見えてきます。タイルマップとは別の角度からの確認です。
実際の日本地図に出身力士数を重ねると、色の濃い県が地理的にどこに集まっているかが分かります。首都圏に濃い色が密集し、近畿、九州北部にもまとまりが見られます。一方、東北の一部や中国地方には淡い色の県が広がっており、地域によって濃淡の差があることが面として確認できます。
地図上では人数のラベルを置かず、色の濃淡だけで分布を示しています。具体的な人数は凡例と右側の一覧で補えるようにしました。タイルマップが各県を等価に並べるのに対し、この地図は実際の位置関係のなかで地域のまとまりを見るための図解です。2つを見比べると、同じデータでも伝わる情報の角度が変わります。
人口あたりで見ると順位は入れ替わる|実数と相対値

実数では都市圏が上位でしたが、人口10万人あたりに直すとどうなるでしょうか。左右の順位を線で結ぶと、入れ替わりが一目で見えます。
出身力士の実数は人口規模に影響されます。そこで、人口10万人あたりの力士数に直すと、順位は大きく入れ替わります。実数で37位だった東京都は、人口あたりでは下位に下がります。代わりに、実数では11位だった青森県が人口あたりでは1位に、熊本県や大分県、高知県といった県が上位に並びます。
この入れ替わりは、左右の順位を線で結ぶと交差として現れます。都市圏は実数で上位・人口あたりで下位、地方の県はその逆になる、という対照的な関係が見て取れます。なお、人口10万人あたりの値は協会の公表値ではなく、総務省の国勢調査人口をもとに編集部が算出したものです。実数と相対値のどちらが正しいということではなく、見る角度の違いとして整理しておきます。
外国出身の力士|モンゴルが最多

出身地には海外も含まれます。どの国・地域の出身者が、何人いるのかを国別に並べてみます。
現役力士603人のうち、外国出身は28人で、全体の約4.6%にあたります。国・地域別ではモンゴルが21人と最も多く、外国出身力士の大半を占めます。次いでウクライナが2人、米国・中国・ロシア・カザフスタン・フィリピンが各1人です。
モンゴル出身の力士には、上位の番付に在籍する力士も含まれます。外国出身者の数自体は全体の一部ですが、出身国の内訳を見ると、特定の国に集中している様子が分かります。出身地という切り口で見たとき、国内の都道府県分布と並んで、海外の内訳も力士の構成を知る一つの手がかりになります。
47都道府県の完全な一覧|実数と人口あたりを並べて

最後に、47都道府県すべての実数と人口10万人あたりの値を一覧表にまとめました。気になる県の位置を確かめてみてください。
| 順位 | 都道府県 | 力士数 | 10万人 あたり |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 48 | 0.34 |
| 2 | 大阪府 | 29 | 0.33 |
| 3 | 千葉県 | 28 | 0.45 |
| 4 | 埼玉県 | 27 | 0.37 |
| 4 | 神奈川県 | 27 | 0.29 |
| 6 | 愛知県 | 26 | 0.35 |
| 7 | 兵庫県 | 24 | 0.45 |
| 8 | 熊本県 | 22 | 1.31 |
| 9 | 福岡県 | 21 | 0.41 |
| 10 | 静岡県 | 19 | 0.55 |
| 11 | 青森県 | 17 | 1.49 |
| 12 | 鹿児島県 | 15 | 0.99 |
| 13 | 岐阜県 | 14 | 0.74 |
| 13 | 大分県 | 14 | 1.30 |
| 15 | 福島県 | 13 | 0.76 |
| 15 | 茨城県 | 13 | 0.47 |
| 15 | 三重県 | 13 | 0.77 |
| 18 | 北海道 | 12 | 0.24 |
| 18 | 栃木県 | 12 | 0.64 |
| 18 | 石川県 | 12 | 1.10 |
| 21 | 愛媛県 | 11 | 0.87 |
| 21 | 沖縄県 | 11 | 0.75 |
| 23 | 宮城県 | 10 | 0.45 |
| 23 | 長野県 | 10 | 0.51 |
| 23 | 長崎県 | 10 | 0.81 |
| 26 | 岩手県 | 9 | 0.80 |
| 26 | 秋田県 | 9 | 1.02 |
| 26 | 新潟県 | 9 | 0.44 |
| 26 | 富山県 | 9 | 0.91 |
| 30 | 京都府 | 8 | 0.32 |
| 30 | 高知県 | 8 | 1.24 |
| 32 | 山形県 | 7 | 0.70 |
| 32 | 岡山県 | 7 | 0.39 |
| 32 | 香川県 | 7 | 0.77 |
| 35 | 山口県 | 6 | 0.47 |
| 36 | 島根県 | 5 | 0.79 |
| 36 | 広島県 | 5 | 0.19 |
| 36 | 宮崎県 | 5 | 0.49 |
| 39 | 群馬県 | 4 | 0.21 |
| 40 | 山梨県 | 3 | 0.38 |
| 40 | 滋賀県 | 3 | 0.22 |
| 40 | 和歌山県 | 3 | 0.35 |
| 40 | 徳島県 | 3 | 0.44 |
| 44 | 奈良県 | 2 | 0.16 |
| 44 | 鳥取県 | 2 | 0.38 |
| 44 | 佐賀県 | 2 | 0.26 |
| 47 | 福井県 | 1 | 0.14 |
出典:日本相撲協会「力士を探す」(令和8年5月場所)、総務省「令和7年国勢調査」人口速報集計(2025年)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。人口10万人あたりは編集部算出です。
この表は、47都道府県の出身力士数を実数の多い順に並べ、それぞれの人口10万人あたりの値を併記したものです。実数の列と人口あたりの列を見比べると、同じ県でも2つの指標で順位が異なることが確認できます。出身地の分布を、実数と相対値の両面から把握するための資料としてご利用ください。
楓のまとめ|全国に分布しつつ、見方で景色が変わる

ここまでの図解を一通り並べると、力士の出身地が全国に広く分布していること、そして実数と人口あたりで景色が変わることが確認できます。3つの観察事実に整理してみます。
「力士はどの都道府県の出身が多いのか」という問いに対して、本記事で並べた図解は、実数では都市圏が上位に来る一方、人口あたりでは地方の県が上位に入れ替わることを示してきました。指標の取り方によって見える順位が変わります。データに優劣をつけるのではなく、見え方の違いを観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねて読むと、力士の出身地は全国に広く分布しており、どの指標を、どの単位で見るかによって、上位に来る県が変わることが分かります。「力士はどの都道府県の出身が多いのか」への答えは、実数で見れば東京都、人口あたりで見れば青森県、という具合に、見る角度によって変わります。その違いそのものが、力士の出身地をめぐる景色をよく映しています。
よくある質問(FAQ)

出身地のデータを読むときは、実数で見るか人口あたりで見るか、いつ時点の番付か、という点をセットで確認してください。同じデータでも、この見方で読み取れることが変わります。
Q1. このデータはいつ時点のものですか?
本記事の出身力士数は、令和8年5月場所の番付に載る全段の力士を、日本相撲協会の公表データから出身地別に数えたものです。番付は場所ごとに編成され、引退や新弟子の入門によって在籍者は変動します。そのため、別の場所では人数や順位が変わる可能性があります。人口10万人あたりの算出に用いた人口は、総務省「令和7年国勢調査」人口速報集計(2025年)の都道府県別総人口です。
Q2. 出身力士が多い県は「相撲が盛んな県」といえますか?
単純にそう言い切れるとは限りません。実数で上位の県の多くは人口の多い都市圏で、人口規模が大きいほど出身者も多くなりやすい関係があります。人口10万人あたりに直すと、青森県や熊本県、大分県といった地方の県が上位に来ます。実数は人口動態を、人口あたりは人口規模を補正した相対的な傾向を反映します。どちらか一方だけで「盛んさ」を測るより、両方を見比べる方がデータの読み方として近くなります。
Q3. 47都道府県すべてに力士がいるというのは本当ですか?
本記事で用いた令和8年5月場所のデータでは、47都道府県すべてに出身者が在籍しており、出身者0人の県はありませんでした。最も少ない福井県でも1人の在籍者がいます。ただし、これは特定の場所時点での集計であり、力士の引退や入門によって、将来的に在籍者が0人になる県が生じる可能性は残ります。あくまで執筆時点での観察事実としてご理解ください。
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