
箱根駅伝の仕組みは、出場チームの決まり方とレース中の時間の規定に分けて図にすると整理しやすくなります。前回大会の順位から予選会、本選までの流れを1枚のフローにし、中継所ごとの基準時間を棒で並べてみます。
箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)は、毎年1月2日と3日に東京・大手町と箱根・芦ノ湖を往復する10区間217.1kmの大会です。出場するのは21チームで、前回大会で総合10位までに入ったシード校10校、10月の予選会を通過した10校、予選会で通過しなかった大学の選手で編成する関東学生連合で構成されます。レース中は、先頭から往路の鶴見・戸塚で10分、平塚・小田原で15分、復路の各中継所で20分を超えて遅れたチームが繰り上げスタートになります。
本記事では、関東学生陸上競技連盟(関東学連)が定めた第102回大会の要項と競技注意事項、2025年に公表された2つの文書、2026年10月17日の第103回予選会の総合結果、第102回大会の選手変更一覧をもとに、出場チームの決まり方とレース中の規定を図解で整理します。大学の評価やレースの予想は扱いません。
箱根駅伝に出場する21チームはどう決まり、繰り上げスタートは先頭から何分遅れると起きるのか。
前回10位までのシード10校、10月の予選会を通過した10校、関東学生連合の21チーム。繰り上げは往路で10〜15分、復路で20分の遅れが基準。
- 01 シード 10校 第102回大会で総合10位までに入り、第103回大会の出場権を得た大学の数
- 02 予選会 45校 2026年10月の予選会に参加した大学の数(通過は上位10校)
- 03 当日変更 82件 第102回大会で21チームが行った当日の選手変更の合計(上限は1チーム6人)
- 04 繰り上げ 20分 復路の中継所で、先頭の通過からこの時間を超えて遅れたチームの次の走者が先に出発する(往路は10〜15分)
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
- 出場21チームは2段階で決まる|シード10校・予選会10校・関東学生連合
- 予選会は「上位10人の合計タイム」で順位が決まる
- 関東学生連合はどう選ばれるか|チーム枠10名と個人枠6名
- 16人の登録から10人の出走へ|エントリーと当日変更の規定
- 第102回の当日変更は82件|21チームすべてが選手を入れ替えた
- 繰り上げスタートは何分で起きるか|往路10〜15分・復路20分
- 繰り上げスタートは毎年何チームで起きているか|第92回〜第102回
- 第104回から出場は24チームへ|記念大会は4年に1回に
- 楓のまとめ|出場チームの決まり方と、繰り上げ・当日変更の規定
- よくある質問(FAQ)
- 🔍 この記事のファクトチェックについて
出場21チームは2段階で決まる|シード10校・予選会10校・関東学生連合

出場チームの決まり方は、文章で読むより分岐のフローで見るほうが早く伝わります。前回大会の順位で1回目の振り分け、予選会の順位で2回目の振り分けが起き、最後に3つの枠が合流する形です。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
出場チームを決める1回目の振り分けは、前回大会の総合順位です。第102回大会の要項は、総合10位までに入った大学が次の第103回大会のシード権を得ると定めています。2026年1月の第102回大会では、青山学院大学・國學院大學・順天堂大学・早稲田大学・中央大学・駒澤大学・城西大学・創価大学・帝京大学・日本大学の10校が総合1〜10位に入り、第103回大会のシード校になりました。
シード権を得られなかった大学や前回大会に出場していない大学は、10月の予選会に回ります。2回目の振り分けはこの予選会の順位で、上位10校が本選の出場権を得ます。2026年10月17日の第103回予選会では、東洋大学・中央学院大学・東海大学・専修大学・東京農業大学・山梨学院大学・大東文化大学・神奈川大学・日本体育大学・法政大学の10校が通過しました。シード10校と予選会通過10校に関東学生連合を加えた21チームが、2027年1月の第103回大会に出場します。
選手個人にも出場の条件があります。要項では、本大会と予選会への出場が通算4回未満であることが参加資格とされ、予選会だけに出場した場合も回数に数えます。出場チーム数そのものの移り変わりは、箱根駅伝の歴史を年表で整理した記事で扱っています。
予選会は「上位10人の合計タイム」で順位が決まる

予選会の順位は、個人の着順ではなくチームの合計タイムで決まります。通過した10位と通過できなかった11位の差を、1人あたりの秒数に直すと、境目の近さが実感しやすくなります。
予選会は、陸上自衛隊立川駐屯地をスタートし、立川市街地を通って国営昭和記念公園にフィニッシュするハーフマラソン(21.0975km)で行われます。第103回予選会の要項では、各校が10〜16名をエントリーして10〜12名が出走し、各校の上位10名の合計タイムが少ない順に順位が決まります。第103回予選会には45校が参加しました。
総合結果では、1位の東洋大学が10時間31分30秒、通過圏の最後となる10位の法政大学が10時間40分08秒、11位の国士舘大学が10時間41分54秒でした。10位と11位の合計タイムの差は1分46秒で、10人で割ると1人あたり約11秒です。1位と10位の差は8分38秒でした。
予選会の順位は、本選に出られなかった大学の選手にも関わります。11〜20位の大学と21位以下の大学では、次の見出しで扱う関東学生連合の選手の選ばれ方が異なります。参加校数や通過ラインの年ごとの推移は、本記事では扱いません。
関東学生連合はどう選ばれるか|チーム枠10名と個人枠6名

関東学生連合の16名は、予選会の順位帯によって選ばれ方が分かれています。先ほどのフロー図では、下半分にあるチーム枠と個人枠の2つの箱がこれにあたります。
関東学生連合は、予選会で通過しなかった大学の選手で編成するチームです。関東学連が2025年6月19日に公表した「箱根駅伝に関する新たな取り組みについて」により、第102回大会から編成方法が変わりました。16名のうち10名は予選会の総合11〜20位の10大学に1枠ずつ割り当てる「チーム枠」、6名は総合21位以下の大学から各校1名ずつ予選会の個人順位で上位6名を選ぶ「その他個人枠」です。
第103回予選会に当てはめると、チーム枠の対象は11位の国士舘大学から20位の日本薬科大学までの10大学で、個人枠の対象は21位以下の25校の選手です。チーム枠の選手は、12月上旬のエントリー締切までに各大学の中で選ばれます。個人枠は、所属大学の総合順位にかかわらず、予選会の個人順位で選ばれます。
あわせて、本選に単独チームまたは連合チームとして2回以上出走した選手は対象外となり、第101回大会までの「1回以上」から変わりました。外国人留学生は引き続き対象外です。関東学生連合は本大会にオープン参加し、記録はチーム・個人とも参考記録として扱われます。
16人の登録から10人の出走へ|エントリーと当日変更の規定

エントリーの流れは、日付を左から右へ並べた時間軸にすると、登録人数が段階的に絞られていく様子がわかります。最後の2日間は、入れ替えられる人数に上限があります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
第102回大会の要項では、各チームは12月10日のチームエントリーで16名以内の選手を登録し、12月29日の区間エントリーで1〜10区を走る正競技者10名と補欠競技者6名以内を決めます。区間エントリーの時点で、どの区間を誰が走るかがいったん発表されます。
レース当日は、区間エントリーした正競技者と補欠競技者の入れ替えが認められています。入れ替えは往路・復路を通じて6名まで、1日あたり4名までで、受付は各日の競技開始1時間10分前の6時50分までです。正競技者どうしで区間を入れ替えることはできません。第103回大会の要項は2026年10月20日時点で公表されていないため、日付と人数は第102回大会のものです。
第102回の当日変更は82件|21チームすべてが選手を入れ替えた

当日変更の数は、チームごとに往路と復路を積み上げた横棒にすると、上限の6件までの余白も一緒に見えます。右側の基準線までの距離に注目してください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
箱根駅伝公式サイトの選手変更一覧によると、第102回大会の当日の選手変更は、2026年1月2日の往路が38件、3日の復路が44件で、合計82件でした。変更を行ったのは21チームすべてで、往路では19チーム、復路では18チームが変更しています。
チーム別に見ると、5件が5チーム、4件が12チーム、3件が2チーム、2件と1件が各1チームでした。1チームあたりの平均は約3.9件で、上限の6件に達したチームはありませんでした。1日あたりの上限の4件まで入れ替えたのは、復路の1チームだけでした。
繰り上げスタートは何分で起きるか|往路10〜15分・復路20分

繰り上げの基準時間は、中継所を区間の順に並べて時間を棒の高さにすると、違いがはっきりします。往路の前半と後半、復路で、棒の高さが3段階に分かれます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
繰り上げスタートは、前の区間の走者が中継所に着く前に、次の区間の走者が出発する規定です。第102回大会の競技注意事項では、先頭の走者が中継所を通過してから一定の時間を超えて遅れたチームについて、中継所の審判員主任の裁定で次の走者をスタートさせると定めています。
基準の時間は、往路の鶴見・戸塚中継所が10分、平塚・小田原中継所が15分、復路の小田原・平塚・戸塚・鶴見の4中継所が20分です。繰り上げでスタートしたチームは、主催者が用意する黄色と白色のストライプのたすきを使います。ただし5区と10区は、各チーム独自のたすきを使います。
復路のスタートには、繰り上げとは別の規定があります。往路1位のチームのフィニッシュから10分以内に往路を終えたチームは、往路の差のとおりに時差スタートします。それ以外のチームは、往路1位のスタートから10分後に芦ノ湖から一斉にスタートします。また、途中で棄権したチームは、その区間より前の記録が公式に認められ、次の区間からはオープン参加になります。
繰り上げスタートは毎年何チームで起きているか|第92回〜第102回

11大会分の回数は、大会ごとに2本の棒を並べると、芦ノ湖の一斉スタートと中継所の繰り上げを比べやすくなります。2024年の大会には、出場チーム数が23だった記念大会の印を付けました。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
繰り上げスタートや一斉スタートの回数は、箱根駅伝公式サイトの過去の記録には注記されていません。そこで、報道や記録サイトの集計をもとに、復路の規定が現在と同じであることを一次資料で確認できる第92回大会(2016年)から、第102回大会(2026年)までの11大会を並べました。
11大会で、芦ノ湖の復路一斉スタートは延べ87チーム、復路の中継所での繰り上げは延べ64件でした。一斉スタートは1大会あたり平均約8チーム(87÷11=7.9)です。最も多かったのは第100回大会(2024年)の16チームでした。第100回大会は記念大会で、23チームが出場しています。往路の中継所での繰り上げは、第95回大会(2019年)の2件だけでした。
第102回大会では、一斉スタートが8チーム、中継所の繰り上げが鶴見中継所での2件でした。一斉スタートの8チームは、公式記録の往路タイムで、往路1位の青山学院大学(5時間18分08秒)から10分を超えて往路を終えたチームの数と一致します。
第104回から出場は24チームへ|記念大会は4年に1回に

チーム数の変更は、変更前と変更後を左右に並べた表にすると、増える場所がはっきりします。通常の大会と記念大会で、それぞれ3チームずつ増えます。
出走チーム数の変更|第103回までと第104回(2028年)から
第104回大会(2028年1月)は記念大会。記念大会は開催回数・西暦ともに4の倍数の年に行い、予選会には全国の大学が参加できる
| 区分 | 第103回まで | 第104回から |
|---|---|---|
| 通常大会の出走チーム | 21チーム | 24チーム |
| 通常大会の内訳 | 単独20チーム+関東学生連合 | 単独23チーム+関東学生連合 |
| 記念大会の出走チーム | 23チーム | 26チーム |
| 記念大会の内訳 | 単独23チーム | 単独25チーム+日本学生選抜チーム |
| 記念大会の間隔 | 5年に1回 | 4年に1回 |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
関東学連は2025年12月25日、「出走チーム数の増加と記念大会の改革について」を公表しました。第104回大会から、通常の大会の出走チームは21チームから24チーム(単独23チームと関東学生連合)に、記念大会は23チームから26チーム(単独25チームと日本学生選抜チーム)に増えます。第103回大会は、これまでどおり21チームで行われます。
記念大会の間隔も、5年に1回から4年に1回に変わります。開催回数と西暦がどちらも4の倍数になる年の大会が記念大会となり、次の記念大会は2028年1月の第104回大会です。記念大会の予選会には全国の大学が参加できます。増える出場枠をシード校と予選会通過校にどう分けるかは、同じ文書には書かれていません。
楓のまとめ|出場チームの決まり方と、繰り上げ・当日変更の規定

ここまでの図解を通して見ると、出場チームの決まり方もレース中の規定も、順位と時間の数字で線が引かれていることがわかります。3つの観察事実に整理します。
箱根駅伝の仕組みを、出場チームの決まり方、当日の選手変更、繰り上げスタートの3つに分けて図解してきました。規定の是非や大学の評価ではなく、要項と公式記録に書かれている数字を観察事実として整理しておきます。
出場チームは前回大会と予選会の順位で、レース中の繰り上げは先頭からの時間で決まり、どちらも要項に書かれた数字で線が引かれています。第103回大会の要項は2026年10月20日時点で公表されていないため、本記事の人数と時間の規定は第102回大会のものです。
よくある質問(FAQ)

箱根駅伝の規定を読むときは、どの大会の要項に書かれた数字かを確認してください。人数や時間の規定は大会ごとの要項で定められ、関東学生連合の編成のように変わることがあります。
Q1. 関東学生連合とはどのようなチームですか?
予選会で通過しなかった大学の選手で編成する選抜チームです。第102回大会からは、予選会11〜20位の10大学に1枠ずつの「チーム枠」10名と、21位以下の大学から個人順位上位の6名(各校1名)の「その他個人枠」で、計16名を登録します。本選に2回以上出走した選手と外国人留学生は対象外です。本大会にはオープン参加で、記録はチーム・個人とも参考記録になります。
Q2. 当日の選手変更は何人までできますか?
第102回大会の要項では、区間エントリーされた正競技者と補欠競技者の入れ替えに限り、往路・復路を通じて6名まで、1日あたり4名までと定められています。正競技者どうしで区間を入れ替えることはできません。受付は各日のスタートの1時間10分前までです。第102回大会では、21チームで合計82件の変更がありました。
Q3. 繰り上げスタートになると、たすきはどうなりますか?
前の走者のたすきは次の走者に渡らず、次の走者は主催者が用意する黄色と白色のストライプのたすきで走ります。ただし5区と10区は、各チーム独自のたすきを使います(第102回大会の競技注意事項)。途中で棄権した場合は、その区間より前の記録が公式に認められ、次の区間からはオープン参加になります。
🔍 この記事のファクトチェックについて

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