
箱根駅伝のコースは、距離・標高・区間記録を1枚ずつ図にして並べると、10区間の違いが数字で見えてきます。往路と復路を同じ縦軸の標高図に置くと、5区と6区がほかの区間とどれだけ離れているかがはっきりします。
毎年1月2日・3日に行われる東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は、東京・大手町の読売新聞社前と、箱根町の芦ノ湖駐車場入口を往復する10区間のレースです。関東学生陸上競技連盟の第102回大会の要項によると、往路は107.5km、復路は109.6kmで、合計217.1kmです。国土地理院の標高データで地点の標高を取ると、5区は小田原中継所の34mから国道1号の最高地点873mまで839m上ります。
本記事では、要項の区間距離、箱根駅伝公式サイトの「コース紹介」と「区間別 歴代最速ランキング」、国土地理院の標高データを組み合わせ、距離に比例させた路線図、往路と復路の標高図、10区間の一覧表、1kmあたりの時間、往路と復路の距離の差の5つの図で整理します。レースの予想や大学・選手の評価は扱いません。
第103回大会(2027年1月)の要項は、2026年10月21日時点でまだ公表されていません。このため、本記事の区間距離と競走路は第102回大会(2026年1月)の要項によります。
箱根駅伝の217.1kmは、どの区間でどれだけ上り下りし、区間記録は1kmあたり何分で走られているのか。
217.1kmの10区間。5区は839m上り、区間記録の1kmあたりは6区の2分44秒が最速。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
箱根駅伝のコースは10区間217.1km|中継所は4か所

10区間の並びは、地図より距離に比例させた路線図のほうが長さを比べやすくなります。往路と復路を上下に並べると、同じ中継所を逆の順にたどっていることがひと目でわかります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
箱根駅伝のコースは、大手町から鶴見・戸塚・平塚・小田原の4つの中継所を経て芦ノ湖に至る往路5区間と、同じ中継所を逆にたどる復路5区間でできています。要項の区間距離は、1区21.3km、2区23.1km、3区21.4km、4区20.9km、5区20.8kmで、往路の合計は107.5kmです。
復路は6区20.8km、7区21.3km、8区21.4km、9区23.1km、10区23.0kmで、合計は109.6kmです。10区間で最も長いのは2区と9区の23.1km、最も短いのは5区と6区の20.8kmで、その差は2.3kmです。公式のコース紹介は、1区の17km過ぎに六郷橋があると説明しています。
要項は、往路の経由地として日比谷・西新橋・三田・品川・六郷橋・鶴見・横浜駅・保土ケ谷・戸塚・藤沢・平塚・大磯・二宮・小田原・元箱根を挙げ、復路は往路を逆にたどって日本橋を経由すると定めています。出場する21チームの決まり方や繰り上げスタートの時間の規定は、箱根駅伝の仕組みを図解した記事で扱っています。
往路と復路は2.1km違う|1区と10区で1.7km、4区と7区で0.4km

同じ中継所の間を走るのに、往路と復路の合計の距離はそろっていません。区間を組にして往路と復路の棒を並べると、差がどこにあるかを絞り込めます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
往路107.5kmと復路109.6kmの差は2.1kmです。同じ中継所の間を走る区間を組にして比べると、2区と9区(23.1km)、3区と8区(21.4km)、5区と6区(20.8km)の3組は、往路と復路で同じ距離です。距離が違うのは、1区(21.3km)と10区(23.0km)の1.7km、4区(20.9km)と7区(21.3km)の0.4kmの2組で、この合計が2.1kmになります。
要項の競走路の記載では、10区は鶴見から日本橋を経由して大手町に至り、往路の経由地には日本橋が含まれていません。4区と7区の0.4kmの差については、要項に理由の記載がありません。本記事では、差の数値と経路の記載だけを示しています。
標高で見る箱根駅伝のコース|5区は839m上り、6区は839m下る

標高は、往路と復路を同じ縦軸の折れ線にすると、平地の区間と山の区間の差がそのまま形になります。中継所の点を結んだ図なので、途中の坂の細かな起伏は含まれない点に注意してください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
国土地理院の標高データで、スタートとゴール、4つの中継所、国道1号の最高地点の標高を取得しました。大手町は4m、鶴見中継所は1m、戸塚中継所は55m(復路の中継所は54m)、平塚中継所は4m、小田原中継所は34mです。大手町と4つの中継所は、いずれも標高55m以下の位置にあります。
これに対して5区は、小田原中継所の34mから、5区の16.2km地点にある国道1号の最高地点873mまで上ります。小田原中継所から最高地点までに上る標高差は839mで、そこから芦ノ湖駐車場入口の728mまで145m下ります。箱根駅伝公式サイトのコース紹介は、この最高地点を標高約874mと記しています。
6区は5区を逆にたどり、芦ノ湖の728mから最高地点まで145m上ったあと、小田原中継所まで839m下ります。公式のコース紹介は、6区について最初の4kmが上りだと説明しています。2区の13kmからの権太坂や、8区の9kmにわたる上り坂など、中継所の間にある坂はこの図の点に含まれていません。
10区間の距離・標高・区間記録を一覧で見る

距離・標高・記録は出典がそれぞれ別ですが、区間ごとに1行へまとめると比べやすくなります。表は「距離と標高」と「区間記録」の2つに分けました。
| 区間 | 起点→終点 | 距離 | 標高 |
|---|---|---|---|
| 1区 | 大手町→鶴見 | 21.3km | 4m→1m |
| 2区 | 鶴見→戸塚 | 23.1km | 1m→55m |
| 3区 | 戸塚→平塚 | 21.4km | 55m→4m |
| 4区 | 平塚→小田原 | 20.9km | 4m→34m |
| 5区 | 小田原→芦ノ湖 | 20.8km | 34m→728m(最高地点873m) |
| 6区 | 芦ノ湖→小田原 | 20.8km | 728m→34m(最高地点873m) |
| 7区 | 小田原→平塚 | 21.3km | 34m→4m |
| 8区 | 平塚→戸塚 | 21.4km | 4m→54m |
| 9区 | 戸塚→鶴見 | 23.1km | 54m→1m |
| 10区 | 鶴見→大手町(日本橋経由) | 23.0km | 1m→4m |
| 合計 | 往路107.5km・復路109.6km | 217.1km | 中継所は1〜55m |
| 区間 | 区間記録 | 保持者・年 | 1kmあたり |
|---|---|---|---|
| 1区 | 1時間0分28秒 | 青木瑠郁(國學院大學4年)・2026年 | 2分50秒 |
| 2区 | 1時間5分9秒 | キムタイ(城西大学4年)・2026年 | 2分49秒 |
| 3区 | 59分25秒 | ビンセント(東京国際大学1年)・2020年 | 2分47秒 |
| 4区 | 1時間0分0秒 | ビンセント(東京国際大学4年)・2023年 | 2分52秒 |
| 5区 | 1時間7分16秒 | 黒田朝日(青山学院大学4年)・2026年 | 3分14秒 |
| 6区 | 56分47秒 | 野村昭夢(青山学院大学4年)・2025年 | 2分44秒 |
| 7区 | 1時間0分43秒 | 佐藤圭汰(駒澤大学3年)・2025年 | 2分51秒 |
| 8区 | 1時間3分45秒 | 塩出翔太(青山学院大学4年)・2026年 | 2分59秒 |
| 9区 | 1時間7分15秒 | 中村唯翔(青山学院大学3年)・2022年 | 2分55秒 |
| 10区 | 1時間7分31秒 | 佐藤圭汰(駒澤大学4年)・2026年 | 2分56秒 |
| 合計 | 10時間28分19秒 | 10区間の記録を足した値(大会記録ではない) | - |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
一覧にすると、往路と復路で起点と終点が入れ替わっていることがわかります。区間記録は箱根駅伝公式サイトの「区間別 歴代最速ランキング」の1位で、2026年10月時点の値です。10区間のうち、1区・2区・5区・8区・10区の5区間の記録は2026年(第102回大会)に出たものです。
公式のランキングは、距離が変わった区間について、変更以降の大会を集計の対象にしています。対象の回は、1区・3区・8区が第55回以降、2区・7区・9区が第59回以降、4区が第93回以降、5区・6区が第82回以降、10区が第75回以降です。区間ごとに、比べている期間が異なる点に注意が必要です。
区間記録を1kmあたりに直す|最速は6区の2分44秒

区間ごとに距離が違うので、記録そのものより、1kmあたりの時間に直した横棒にすると、10区間を同じ物差しで並べられます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
区間記録を区間の距離で割り、1kmあたりの時間を計算しました。最も速いのは6区の2分44秒、最も遅いのは5区の3分14秒で、その差は約30秒です。6区の2分44秒を時速に直すと約22kmで、5区の3分14秒は時速約18.6kmにあたります。
ほかの8区間は、2分47秒(3区)から2分59秒(8区)の範囲にあります。上りの5区が最も遅く、下りの6区が最も速いという並びは、標高図で見た5区と6区の形と重なっています。
10区間の区間記録をすべて足すと、10時間28分19秒になります。これは区間ごとの最速記録を足し合わせた仮の値で、実際の大会記録ではありません。大会記録や優勝タイムの推移は、箱根駅伝の歴史を年表で整理した記事で扱っています。
楓のまとめ|箱根駅伝のコースは距離・標高・記録の3つで違いが見える

ここまでの5つの図を並べると、10区間の違いを3つの観察事実に整理できます。
箱根駅伝のコースは、距離・標高・区間記録という別々の公式データを同じ区間の単位でそろえると、区間ごとの違いを数字で比べられます。評価や予想は加えず、図から読み取れる事実を3点にまとめます。
距離は20.8〜23.1kmの範囲にそろい、標高は5区と6区だけが大きく動き、1kmあたりの時間は6区と5区が両端に並ぶ。これが、3つの公式データを重ねて見えるコースの形です。第103回大会の要項が公表されたら、区間距離と競走路に変更がないかを確認する必要があります。
よくある質問(FAQ)

コースの数字を読むときは、距離は要項、標高は国土地理院、記録は公式ランキングと、出典を分けて確認してください。
Q1. 箱根駅伝は全部で何kmですか?
第102回大会の要項では、往路(1区〜5区)が107.5km、復路(6区〜10区)が109.6kmで、合計217.1kmです。区間の距離は20.8kmから23.1kmの範囲にあり、最も長いのは2区と9区、最も短いのは5区と6区です。第103回大会(2027年1月)の要項は2026年10月21日時点で公表されていないため、公表後に変更の有無を確認する必要があります。
Q2. 5区の最高地点の標高は何mですか?
箱根駅伝公式サイトのコース紹介では、5区の16.2km地点にある国道1号の最高地点を標高約874mとしています。国土地理院の標高データで同じ地点の標高を取得すると873mで、小田原中継所(34m)との差は839mです。最高地点から芦ノ湖駐車場入口(728m)までは145m下ります。
Q3. 区間記録はどこで確認できますか?
箱根駅伝公式サイトの「過去の記録」にある「区間別 歴代最速ランキング」に、区間ごとの歴代上位の記録が掲載されています。参考記録は除かれており、距離が変わった区間は変更以降の大会が集計の対象です。2026年10月時点の各区間の1位は、本記事の一覧表のとおりです。
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