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日本のロケットの成功率は?世代別の推移を図解【2026年】

日本のロケットの成功率は?世代別の推移を図解
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楓

「日本のロケットの成功率は」という問いは、世代ごとに分けて並べると輪郭がはっきりします。6系列を同じ物差しで見比べると、通算の数字だけでは見えない差が浮かびます。

1994年以降に打ち上げられた日本の基幹ロケットは6系列88機で、このうち所定の軌道に到達したのは81機です。通算の成功率は92.0%になります。ただし、この1つの数字の内側では、世代ごとの水準がはっきり分かれています。

H-IIAとH-IIBは通算59機のうち58機が成功し、成功率は98.3%です。一方、2023年に始まったH3は9機のうち7機で77.8%です。同じ「日本のロケット」でも、どの世代を指すかで数字は20ポイント以上動きます

88機を打ち上げた期間は、1994年2月4日から2026年8月11日までの390か月です。390を88で割ると、平均およそ4.4か月に1機のペースになります(編集部試算)。本記事では、世代別の成功率、年ごとの打上げ回数、失敗から次の打上げまでの間隔、各国との比較を図解で整理します。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

日本のロケットは、これまでどれくらい成功してきたのか。

1994年以降の基幹ロケット88機のうち、81機が所定の軌道に到達しました。

H-IIA・H-IIB|2001〜2025年・59機 98.3% 59機中58機が成功 53機連続で成功
H3|2023〜2026年・9機 77.8% 9機中7機が成功 母数は9機
1994 H-II初号機 2003 H-IIA6号機失敗 2005 連続成功の起点 2026 H3 9号機成功

Source

JAXA「打上げ実績」/文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)ほか。2026年8月13日時点。1994年以降の基幹ロケット6系列88機を集計。

出典:JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」/文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

楓の整理
この記事の要点

◆ 1994年以降に打ち上げられた日本の基幹ロケットは88機で、うち81機が所定の軌道に到達しました。
◆ H-IIAとH-IIBは通算59機中58機が成功し、2005年2月から2025年6月まで53機連続で失敗がありませんでした。
◆ 2023年に始まったH3は9機中7機です。母数が小さい時期は、1機の結果で成功率が大きく動きます。

出典:JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」/文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)。集計基準日は2026年8月13日です。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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日本のロケットは88機中81機が成功しています

楓

世代ごとの機数と成功率は、同じ横棒の上に並べると差が一目で見えます。母数の大きさと成功率の高さを、いっしょに見るのが読みどころです。

世代別に見た打上げ機数と成功率 1994年以降の基幹ロケット6系列・88機 成功 失敗 H-II(1994〜1999年) 7機中5機成功 71.4% M-V(1997〜2006年) 7機中6機成功 85.7% H-IIA(2001〜2025年) 50機中49機成功 98.0% H-IIB(2009〜2020年) 9機中9機成功 100% イプシロン(2013〜2022年) 6機中5機成功 83.3% H3(2023〜2026年) 9機中7機成功 77.8% 母数が小さい世代は1機で数値が動く 6系列 合計 88機中81機成功 92.0%
出典:文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)/JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

6系列を運用開始の古い順に並べると、H-IIが7機中5機、M-Vが7機中6機、H-IIAが50機中49機、H-IIBが9機中9機、イプシロンが6機中5機、H3が9機中7機です。機数が最も多いのはH-IIAの50機で、6系列全体の半分以上を占めます

成功率にすると、H-IIが71.4%、M-Vが85.7%、H-IIAが98.0%、H-IIBが100%、イプシロンが83.3%、H3が77.8%です。合計88機のうち81機が成功しており、通算は92.0%になります。

液体燃料の大型ロケット4系列(H-II・H-IIA・H-IIB・H3)は75機中70機で93.3%、固体燃料の2系列(M-V・イプシロン)は13機中11機で84.6%です。世代を追うと水準は上がっていますが、新しい機体に切り替わる時期には母数が小さく、数字が振れやすくなります。

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H-IIAとH-IIBは20年4か月にわたり53機連続で成功しました

楓

連続成功は、1機ずつを点にして並べると長さが実感できます。失敗した1点から右へ、どこまで途切れずに続いたのかを見てください。

H-IIAとH-IIBが53機連続で成功した20年4か月 2005年2月26日から2025年6月29日まで 2003年11月 H-IIA 6号機が失敗 2025年6月 H-IIA 50号機 53機連続で失敗ゼロ H-IIA 44機 H-IIB 9機
出典:文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)参考2・参考4
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

文部科学省の宇宙開発利用部会に提出された資料によれば、H-IIAは6号機を除く49機、H-IIBは9機すべてが成功しています。通算では59機中58機で、成功率は98.3%です。

連続成功の起点は、2003年11月のH-IIA 6号機の失敗の次に打ち上げられた、2005年2月26日のH-IIA 7号機です。ここから2025年6月29日のH-IIA 50号機まで、53機続けて失敗がありませんでした

2005年2月26日から2025年6月29日までは7,428日で、年に直すとおよそ20年4か月にあたります。53機で割ると、平均しておよそ140日に1機のペースで成功を重ねた計算になります(編集部試算)。H-IIAは50号機をもって運用を終えました。

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打上げ回数は年によって0機から6機まで開きがあります

楓

年ごとの回数は、液体大型と固体を積み上げた縦棒で見ると、多い年と少ない年の並びがそのまま形になります。

年ごとの打上げ回数(1994年〜2026年) 2026年は8月11日時点 液体大型 固体 0 2 4 6 1994 1998 2002 2006 2010 2014 2018 2022 2026 2004 打上げなし 2017 年間最多6機 単位:機数 1年間に打ち上げた基幹ロケットの数
出典:JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」/文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

1994年から2026年8月11日までの年別の打上げ回数を数えると、最も多いのは2006年と2017年の各6機です。逆に2004年は年間の打上げがゼロでした。前年の2003年11月にH-IIA 6号機の失敗があった期間にあたります。

2022年も1機だけで、この年に打ち上げられたのはイプシロン6号機です。H-IIAが端境期に入り、H3がまだ就役していなかった時期にあたります。2023年以降は3機、5機、4機と推移し、2026年は8月11日時点で2機です。

33年間の合計は88機で、内訳は液体大型が75機、固体が13機です。年ごとの回数には衛星側の準備状況や射場の運用計画も関わりますが、ここでは回数の並びだけを事実として示します。

H3は9機中7機で、2回の失敗はいずれも原因が特定されています

楓

全88機の記録は、世代のタブを切り替えて一覧で確かめられます。号機番号と打上げ順が一致しない並びも、日付順に見ると分かります。

H-II 7機中5機成功

号機打上げ日おもな搭載物結果
試験機1号機1994年2月4日りゅうせい(OREX)/みょうじょう(VEP)成功
試験機2号機1994年8月28日きく6号(ETS-VI)成功
試験機3号機1995年3月18日SFU/ひまわり5号(GMS-5)成功
4号機1996年8月17日みどり(ADEOS)/ふじ3号成功
6号機1997年11月28日きく7号(ETS-VII)/TRMM成功
5号機1998年2月21日かけはし(COMETS)失敗
8号機1999年11月15日運輸多目的衛星(MTSAT-1)失敗

M-V 7機中6機成功

号機打上げ日おもな搭載物結果
1号機1997年2月12日はるか(MUSES-B)成功
3号機1998年7月4日のぞみ(PLANET-B)成功
4号機2000年2月10日ASTRO-E失敗
5号機2003年5月9日はやぶさ(MUSES-C)成功
6号機2005年7月10日すざく(ASTRO-EII)成功
8号機2006年2月22日あかり(ASTRO-F)成功
7号機2006年9月23日ひので(SOLAR-B)成功

H-IIA 50機中49機成功

号機打上げ日おもな搭載物結果
1号機2001年8月29日性能確認用ペイロード2型(VEP-2)成功
2号機2002年2月4日つばさ(MDS-1)/VEP-3/小型副衛星1基成功
3号機2002年9月10日こだま(DRTS)/USERS成功
4号機2002年12月14日みどりII(ADEOS-II)/小型副衛星3基成功
5号機2003年3月28日情報収集衛星(2機)成功
6号機2003年11月29日情報収集衛星2号機(2機)失敗
7号機2005年2月26日ひまわり6号(MTSAT-1R)成功
8号機2006年1月24日だいち(ALOS)成功
9号機2006年2月18日ひまわり7号(MTSAT-2)成功
10号機2006年9月11日情報収集衛星光学2号機成功
11号機2006年12月18日きく8号(ETS-VIII)成功
12号機2007年2月24日情報収集衛星レーダ2号機/光学3号機実証衛星成功
13号機2007年9月14日かぐや(SELENE)成功
14号機2008年2月23日きずな(WINDS)成功
15号機2009年1月23日いぶき(GOSAT)/小型副衛星7基成功
16号機2009年11月28日情報収集衛星光学3号機成功
17号機2010年5月21日あかつき(PLANET-C)/小型副衛星5基成功
18号機2010年9月11日みちびき初号機(QZS-1)成功
19号機2011年9月23日情報収集衛星光学4号機成功
20号機2011年12月12日情報収集衛星レーダ3号機成功
21号機2012年5月18日しずく(GCOM-W1)/KOMPSAT-3ほか成功
22号機2013年1月27日情報収集衛星レーダ4号機/実証衛星成功
23号機2014年2月28日GPM主衛星/小型副衛星7基成功
24号機2014年5月24日だいち2号(ALOS-2)/小型副衛星4基成功
25号機2014年10月7日ひまわり8号成功
26号機2014年12月3日はやぶさ2/小型副衛星3基成功
27号機2015年2月1日情報収集衛星レーダ予備機成功
28号機2015年3月26日情報収集衛星光学5号機成功
29号機2015年11月24日Telstar 12 VANTAGE(海外受注)成功
30号機2016年2月17日ひとみ(ASTRO-H)/小型副衛星3基成功
31号機2016年11月2日ひまわり9号成功
32号機2017年1月24日きらめき2号(DSN-2)成功
33号機2017年3月17日情報収集衛星レーダ5号機成功
34号機2017年6月1日みちびき2号機成功
35号機2017年8月19日みちびき3号機成功
36号機2017年10月10日みちびき4号機成功
37号機2017年12月23日しきさい(GCOM-C)/つばめ(SLATS)成功
38号機2018年2月27日情報収集衛星光学6号機成功
39号機2018年6月12日情報収集衛星レーダ6号機成功
40号機2018年10月29日いぶき2号(GOSAT-2)/KhalifaSatほか成功
41号機2020年2月9日情報収集衛星光学7号機成功
42号機2020年7月20日UAE火星探査機HOPE(海外受注)成功
43号機2020年11月29日JDRS衛星(光データ中継)成功
44号機2021年10月26日みちびき初号機後継機(QZS-1R)成功
45号機2021年12月23日Inmarsat-6 F1(海外受注)成功
46号機2023年1月26日情報収集衛星レーダ7号機成功
47号機2023年9月7日XRISM/SLIM成功
48号機2024年1月12日情報収集衛星光学8号機成功
49号機2024年9月26日情報収集衛星レーダ8号機成功
50号機2025年6月29日いぶきGW(GOSAT-GW)成功

H-IIB 9機中9機成功

号機打上げ日おもな搭載物結果
試験機2009年9月11日HTV技術実証機成功
2号機2011年1月22日こうのとり2号機(HTV2)成功
3号機2012年7月21日こうのとり3号機(HTV3)成功
4号機2013年8月4日こうのとり4号機(HTV4)成功
5号機2015年8月19日こうのとり5号機(HTV5)成功
6号機2016年12月9日こうのとり6号機(HTV6)成功
7号機2018年9月23日こうのとり7号機(HTV7)成功
8号機2019年9月25日こうのとり8号機(HTV8)成功
9号機2020年5月21日こうのとり9号機(HTV9)成功

イプシロン 6機中5機成功

号機打上げ日おもな搭載物結果
試験機2013年9月14日ひさき(SPRINT-A)成功
2号機2016年12月20日あらせ(ERG)成功
3号機2018年1月18日ASNARO-2成功
4号機2019年1月18日革新的衛星技術実証1号機成功
5号機2021年11月9日革新的衛星技術実証2号機成功
6号機2022年10月12日革新的衛星技術実証3号機失敗

H3 9機中7機成功

号機打上げ日おもな搭載物結果
試験機1号機2023年3月7日だいち3号(ALOS-3)失敗
試験機2号機2024年2月17日VEP-4/CE-SAT-IE/TIRSAT成功
3号機2024年7月1日だいち4号(ALOS-4)成功
4号機2024年11月4日きらめき3号成功
5号機2025年2月2日みちびき6号機成功
7号機2025年10月26日HTV-X1(新型宇宙ステーション補給機1号機)成功
8号機2025年12月22日みちびき5号機失敗
6号機2026年6月12日VEP-5/小型副衛星6基成功
9号機2026年8月11日みちびき7号機成功
出典:文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)参考4/JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

H3は2023年3月7日の試験機1号機から2026年8月11日の9号機まで9機が打ち上げられ、7機が成功しました。打上げ順は号機番号の順ではなく、5号機、7号機、8号機、6号機、9号機の順に飛んでいます

2023年の試験機1号機は、第2段エンジンに着火信号を送った直後に推進系コントローラの電源供給が遮断され、エンジンが着火しませんでした。JAXAは原因を3つのシナリオに絞り込み、そのすべてに対策を実施しています。

2025年12月22日の8号機は、みちびき5号機を予定の軌道に投入できませんでした。文部科学省の調査・安全小委員会は、衛星搭載アダプタ(PSS)の製造工程で生じた内部の剥離が、フェアリング分離時の衝撃などで進展して破損したことを主要因と特定しています。この報告書は2026年7月23日に宇宙開発利用部会で決定されました。

対策としては、剥離のリスクを排除したファスナ結合方式のPSSを当面適用する方針が示されています。2026年8月11日の9号機は、みちびき7号機を所定の軌道に投入しました。

失敗から次の打上げまでの間隔は短くなっています

楓

失敗のあと、同じ系列が次に飛ぶまでの月数を横棒で並べます。棒の長さの違いが、そのまま再開までの距離になります。

失敗から次の打上げまでの間隔 同じ系列で次に打ち上げるまでの月数 M-V 4号機(2000年2月) 約39か月 H-II 8号機(1999年11月) 約21か月 H-IIA 6号機(2003年11月) 約15か月 H3 試験機1号機(2023年3月) 約11か月 H3 8号機(2025年12月) 約6か月 イプシロン6号機(2022年10月) 約46か月(再開前) イプシロンは2026年8月時点で次の打上げ前
出典:JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」ほか公表資料
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

2000年2月のM-V 4号機の失敗から次のM-V 5号機までは約39か月でした。1999年11月のH-II 8号機からH-IIA 試験機1号機までは約21か月、2003年11月のH-IIA 6号機から7号機までは約15か月です。

2023年3月のH3 試験機1号機から試験機2号機までは約11か月、2025年12月の8号機から2026年6月の6号機までは約6か月でした。液体燃料の大型ロケットに限ると、間隔は39か月から6か月へと段階的に短くなっています。

一方、2022年10月のイプシロン6号機の失敗以降、同じ系列の打上げはまだ行われていません。2026年8月時点で約46か月が経過しており、6件のなかで最も長い状態が続いています。ここでは月数の並びだけを示し、長短の理由には立ち入りません。

各国のロケットと並べるとH-IIA・H-IIBは3番目に位置します

楓

各国の値は、同じ0から100の物差しに載せて比べます。成功率とオンタイム率で順番が入れ替わる点が読みどころです。

各国のロケットとの比較 他国は2025年2月末時点、H-IIA・H-IIBは2025年6月末時点の値 打上げ成功率 ファルコン9(米) 99.3% アトラス5(米) 99.0% H-IIA・H-IIB(日) 98.3% デルタ4(米) 97.8% アリアン5(欧) 96.6% 長征3(中) 95.7% ゼニット3(露) 91.3% プロトンM(露) 90.3% 打上げオンタイム率 H-IIA・H-IIB(日) 85.1% ファルコン9(米) 84.6% アリアン5(欧) 69.9% アトラス5(米) 63.7% デルタ4(米) 45.9% オンタイム率はH-IIA 13号機以降の値。天候などの外部要因による延期を除く。
出典:文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日)参考2
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

文部科学省の資料に載る各国ベンチマークでは、打上げ成功率はファルコン9が99.3%、アトラス5が99.0%、H-IIA・H-IIBが98.3%と続きます。8機種のなかでH-IIA・H-IIBは3番目に位置します

打上げオンタイム率では順番が変わります。H-IIA・H-IIBが85.1%で最も高く、ファルコン9が84.6%、アリアン5が69.9%、アトラス5が63.7%、デルタ4が45.9%です。オンタイム率はH-IIA 13号機以降の値で、天候などの外部要因による延期は除かれています。

この比較表は、基準日がそろっていない点に注意が必要です。他国のロケットは2025年2月末時点、H-IIA・H-IIBは2025年6月末時点の値です。とくにファルコン9は打上げ数が多く、現在の値とは異なります。

この記事の「成功率」はこう数えています

楓

数え方の前提を先に開示します。同じ「成功率」でも、範囲と基準が変わると数字は変わります。

この記事の「成功率」の数え方 集計の前提を先に開示します 1 成功と失敗の分け方 ロケットが搭載物を所定の軌道へ入れられたかどうかで判定します。 衛星が分離後に起こした不具合は、打上げの失敗には数えません。 2 数える範囲 1994年以降の基幹ロケット6系列88機を対象にしています。 1970年代から1992年までのN・H-I・Mシリーズ前期は含みません。 3 母数の効き方 母数が小さいほど、1機の結果で成功率が大きく動きます。 9機のH3は、次の1機で7ポイントから8ポイント動く計算になります。
出典:JAXA・文部科学省の公表資料をもとにした本記事の集計基準
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

本記事では、ロケットが搭載物を所定の軌道に投入できたかどうかを、成功と失敗の基準にしています。JAXAと文部科学省が「打上げ成功」「打上げ失敗」という言葉を使うときの基準と同じです。

衛星が分離されたあとに衛星側で起きた不具合は、打上げの失敗には数えません。たとえば1994年8月のH-II 試験機2号機が打ち上げた「きく6号」は静止軌道に到達しませんでしたが、ロケットは所定の軌道に投入しており、打上げは成功として計上しています。

集計の範囲は1994年2月4日以降の基幹ロケット6系列88機です。1970年の「おおすみ」以降のN・H-I・Mシリーズ前期は、失敗機を含む完全な公式一覧が1つの資料としてまとまっていないため、成功率の集計からは外しています。地上での燃焼試験は打上げ回数に含めません。

楓のまとめ|世代が進むほど水準は上がり、切り替えの時期に数字が振れます

楓

ここまで並べた図解を重ねると、成功率の見え方が母数と世代でどう変わるかが整理できます。3つの観察事実にまとめます。

「日本のロケットの成功率は」という問いに対して、本記事で並べた図解は、1つの数字ではなく世代ごとの層として答えを示してきました。どの世代を、どの期間で見るかによって、同じ「日本のロケット」の姿は変わります。

楓の観察整理
3つの観察事実

観察1. 6系列88機の通算は92.0%です。系列別に見ると、H-IIBの100%からH-IIの71.4%まで28.6ポイントの幅があります。世代が進むにつれて水準は上がってきましたが、新しい機体に切り替わる時期には数字が一時的に下がって見えます。H-IIの最初の7機は5機成功、H3の最初の9機は7機成功でした。

観察2. H-IIAとH-IIBは通算59機中58機が成功し、2005年2月26日から2025年6月29日まで53機連続で失敗がありませんでした。期間にすると20年4か月です。打上げオンタイム率も85.1%で、資料に並ぶ5機種のなかで最も高い値でした。

観察3. 失敗から次の打上げまでの間隔は、2000年のM-V 4号機で約39か月、2025年のH3 8号機で約6か月でした。一方でイプシロンは2022年10月以降まだ打ち上げておらず、2026年8月時点で約46か月が経過しています。

3つの観察事実を重ねると、「日本のロケットの成功率」という問いには、通算の92.0%と、世代別の71.4%から100%までの幅という、2つの答えが同時に成立していることが分かります。母数の小さい世代ほど1機の結果が数字を動かすため、H3の77.8%は、次の1機で7ポイントから8ポイント動く位置にあります。

よくある質問(FAQ)

楓

ロケットの成功率を読むときは、集計の範囲・基準日・母数の3点をセットで確認してください。同じ公式データでも、この3点が変わると数字が変わります。

Q1. 日本のロケットの成功率は何%ですか?

1994年以降の基幹ロケット6系列88機で見ると、81機が成功しており92.0%にあたります。系列別ではH-IIAが98.0%、H-IIBが100%、H3が77.8%です(2026年8月13日時点)。H-IIAとH-IIBを合わせた通算は59機中58機で98.3%となり、文部科学省の資料にも同じ値が記載されています。

Q2. H3ロケットはこれまで何回失敗しましたか?

9機のうち2機です。2023年3月の試験機1号機は第2段エンジンが着火せず、2025年12月の8号機は衛星搭載アダプタの破損により、みちびき5号機を予定の軌道に投入できませんでした。8号機の原因究明の報告書は2026年7月23日に宇宙開発利用部会で決定され、7月30日に文部科学省の対策本部が了承しています。

Q3. イプシロンロケットの打上げはいつ再開されますか?

2022年10月の6号機の失敗以降、イプシロンロケットの打上げは行われていません。JAXAは後継のイプシロンSロケットを開発しており、2026年2月4日の宇宙開発利用部会でその開発状況を報告しています。再開の時期は公表計画に沿って更新されるため、最新の情報はJAXAの発表でご確認ください。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年8月

記事内の主要な数値・事実について、確認の度合いを4段階で示しています。

✅ 一次確認:公式発表・省庁・原典で直接確認 🔍 二次確認:報道など二次情報で確認 📊 筆者試算:一次データを基にした独自計算 ⚠ 要確認:状況により変わるもの
✅ 一次確認

H-IIAは6号機を除く49機、H-IIBは9機すべてが成功。通算成功率98.3%(58/59)・53機連続成功・各国ベンチマーク表

文部科学省 宇宙開発利用部会 資料97-1(2025年7月4日) →
✅ 一次確認

H3ロケット9号機は2026年8月11日に「みちびき7号機」を所定の軌道に投入。全88機の打上げ日と搭載物

JAXA「打上げ実績(2026年8月11日現在)」 →
✅ 一次確認

H3ロケット8号機の失敗は、衛星搭載アダプタ(PSS)の製造工程で生じた内部の剥離が進展し破損したことが主要因

文部科学省 調査・安全小委員会 報告書【概要】(2026年7月30日) →
✅ 一次確認

M-Vは7回の打上げのうち4号機のみが失敗。イプシロン6号機は2022年10月12日に打上げ失敗

JAXA宇宙科学研究所「M-V」 →
📊 筆者試算

6系列88機中81機成功=92.0%(81÷88)。53機連続の期間は2005年2月26日から2025年6月29日までの7,428日=20年4か月(7,428÷53=約140日に1機)。1994年2月4日から2026年8月11日までの390か月で88機=約4.4か月に1機

元データ:JAXA「打上げ実績」・文部科学省 資料97-1(編集部が集計) →
🔍 二次確認

H-IIロケット8号機の打上げ日(1999年11月15日)。JAXAの当該アーカイブページが文字コードの都合で正しく表示されないため、国立国会図書館の調査資料で確認

国立国会図書館 ISSUE BRIEF No.470 →
⚠ 要確認

H3の成功率77.8%は母数9機の値で、次の1機で7ポイントから8ポイント動きます。各国比較は他国が2025年2月末、H-IIA・H-IIBが2025年6月末時点の値です

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