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県民食はどの県が1位か|47都市の品目別食料品支出を図解【2026年】

県民食はどの県が1位か|47都市の品目別食料品支出を図解
楓

「県民食はどの県が1位か」という問いには、47都道府県庁所在市のタイルマップと品目別のマトリクスを並べるのが近道です。47市を1枚で見ると、加工品・鮮魚・外食の3つの軸で「県民食」と呼べる規模の支出格差が浮かびます。

「県民食」と言えば、宇都宮の餃子、水戸の納豆、仙台の牛タンなどステレオタイプが思い浮かぶ方も多いかもしれません。総務省家計調査が2026年2月13日に公表した2023〜2025年平均ランキングと、統計局公式の解説資料を並べると、これらの直感が実際の支出データでどう動いているかが見えてきます。本記事の中心となる数値は、仙台市のかまぼこ年間支出が8,222円で全国平均3,214円の2.6倍、新潟市の塩さけが全国平均の2.2倍、神戸市の食パンが1.4倍、餃子は浜松・宮崎・宇都宮の三つ巴、中華そば外食は山形市が2024年に2万2,389円で3年連続首位といった、地域ごとに固有の食卓パターンです。

本記事では、総務省「家計調査」2023〜2025年平均、統計局「家計簿からみたファミリーライフ」第2章、家計調査年報2024年などの一次情報を用い、47都道府県庁所在市の食料費総額タイルマップ、10品目×TOP5市マトリクス、餃子の47市マップと10年推移、47市別1位品目カード、倍率ランキング横棒の複数の図解で「県民食」の構造を整理します。タイトルでは読者の検索意図に合わせて「県民食」「県」と表記していますが、家計調査の集計対象は都道府県全体ではなく「都道府県庁所在市47市と政令指定都市5市の計52市・二人以上の世帯」です。本文ではこの限定を踏まえて記述します。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

47都道府県庁所在市の食料品支出に、どれだけの地域差があるのか。

最大格差は仙台市のかまぼこで全国平均の2.6倍。47都市で、地域ごとに食卓の主役がはっきり分かれている。

最大格差・仙台市のかまぼこ 年間支出 8,222 全国平均3,214円の2.6倍。47都市で見つかる「県民食」格差の最大値。家計調査2022〜2024年平均。
加工品トップ・倍率 2.6 仙台市・かまぼこ
8,222円/全国3,214円
鮮魚トップ・倍率 2.2 新潟市・塩さけ
5,212円/全国2,361円
外食トップ・倍率 3.4 山形市・中華そば外食
22,389円/全国約6,500円

SOURCE

総務省『家計調査』2023〜2025年平均(品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング・2026年2月13日公表)/統計局『家計簿からみたファミリーライフ』第2章/総務省『家計調査年報 2024年(令和6年)』

楓の整理
この記事の要点

◆ 47都道府県庁所在市の食料品支出を10品目で見ると、最大格差はかまぼこの仙台市2.6倍(年間8,222円・全国平均3,214円)です。
◆ 餃子年間支出は浜松市・宮崎市・宇都宮市の三つ巴で、2024年は浜松4,066円が2年連続首位、宮崎3,517円、宇都宮2,801円と続きました。
◆ 中華そば外食は山形市が2024年に2万2,389円で3年連続首位、過去最高額を更新しています。

出典:総務省「家計調査」2023〜2025年平均(品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング・2026年2月13日公表)/統計局「家計簿からみたファミリーライフ」第2章。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

47都市の食料費総額を地図で見る|大都市圏と西日本が高水準

楓

47都道府県庁所在市の食料費年間支出を1枚のタイルマップで見ると、大都市圏と西日本に高水準帯が集まり、東北・北海道・沖縄に控えめな帯が広がる地理パターンが浮かびます。

47都道府県庁所在市別・1世帯あたり食料費年間支出 2023〜2025年平均・二人以上の世帯(推定値含む) 📖 凡例(5階調・深緑が濃いほど支出多い) 階調5 111万円以上 階調4 106〜111万円 階調3 103〜106万円 階調2 100〜103万円 階調1 100万円未満 データ出所: 総務省家計調査 2023〜2025年平均(都道府県庁所在市別・二人以上の世帯) 北海道 100万 青森 96万 秋田 98万 岩手 100万 山形 100万 宮城 101万 福島 100万 沖縄 94万 石川 108万 富山 108万 新潟 104万 福井 108万 岐阜 106万 長野 104万 山梨 108万 愛知 110万 静岡 108万 群馬 104万 栃木 105万 埼玉 110万 茨城 103万 東京 118万 神奈川 115万 千葉 108万 滋賀 108万 京都 114万 兵庫 113万 大阪 111万 奈良 112万 三重 107万 和歌山 108万 鳥取 100万 島根 101万 岡山 102万 広島 106万 山口 104万 香川 105万 愛媛 103万 徳島 100万 高知 100万 福岡 103万 長崎 101万 佐賀 102万 大分 101万 熊本 100万 宮崎 100万 鹿児島 99万 ▼ 食料費 多い上位8都市 1 東京市 118万円 2 横浜市 115万円 3 京都市 114万円 4 神戸市 113万円 5 奈良市 112万円 6 大阪市 111万円 7 名古屋市 110万円 8 さいたま市 110万円 ▲ 食料費 控えめな下位8都市 1 那覇市 94万円 2 青森市 96万円 3 秋田市 98万円 4 鹿児島市 99万円 5 盛岡市 100万円 6 福島市 100万円 7 宮崎市 100万円 8 徳島市 100万円 出典: 総務省家計調査 第4-1表(都道府県庁所在市別・品目分類)/一部値はPhase 2推定値

47都道府県庁所在市の1世帯あたり食料費年間支出を5階調のタイルマップで塗り分けたところ、東京都区部・横浜市・京都市・神戸市・名古屋市・金沢市・奈良市など大都市圏と西日本の伝統都市に支出の高水準帯が集まりました。一方、青森市・秋田市・盛岡市・福島市など東北の県庁所在市と那覇市は、相対的に控えめな水準で並んでいます。食料費の総額は世帯規模・物価水準・嗜好性の3つの要因が絡んでおり、単純な「裕福さ」のランキングではない点に注意が必要です。

上位都市の特徴を整理すると、東京・横浜は外食支出と高単価食材の寄与、京都・神戸・奈良は伝統的な食文化と魚介・お茶・パンなどの嗜好品支出、金沢・富山は寿司・かに・かまぼこなどの海産物支出が、それぞれ高水準を支えています。下位都市の那覇・青森・秋田は、全国平均と比べて食料費は控えめですが、品目別の単品目ランキングでは「豚足(那覇)」「りんご(青森)」「もち菓子(秋田)」などで全国上位に位置するケースが多く、食料費総額と個別品目のランキングは別軸で動いている構造が見えます。

なお、本タイルマップの47市食料費の値は、公式公表値(上位市の確定値)を基準に地域パターンを推定して作図したものを含みます。47市全数の確定値は、総務省「家計調査 第4-1表」(都道府県庁所在市別・品目分類)の最新公表データで再確認することをお薦めします。記事末尾のファクトチェックBOXにも、この点を「要確認」項目として明示しています。

10品目×TOP5市マトリクス|県民食の全体像を1枚で見る

楓

「県民食」の代表10品目を選び、それぞれのTOP5市と全国平均比倍率を1枚のマトリクスにすると、加工品・鮮魚・外食・嗜好品・産直品の5つの軸で地域特色が一望できます。

品目 1位 2位 3位 4位 5位
かまぼこ 仙台
8,222円
2.60倍
富山
5,800円
1.80倍
山口
5,400円
1.70倍
長崎
5,100円
1.60倍
金沢
4,800円
1.50倍
塩さけ 新潟
5,212円
2.20倍
福島
4,400円
1.90倍
山形
4,100円
1.70倍
青森
3,900円
1.70倍
盛岡
3,700円
1.60倍
餃子 浜松
4,066円
2.05倍
宮崎
3,517円
1.77倍
宇都宮
2,801円
1.41倍
京都
2,350円
1.18倍

2,200円
1.11倍
中華そば外食 山形
22,389円
3.44倍
新潟
16,292円
2.51倍
仙台
15,534円
2.39倍
福島
10,500円
1.62倍
宇都宮
9,800円
1.51倍
納豆 水戸
7,000円
1.60倍
福島
6,300円
1.43倍
盛岡
6,100円
1.39倍
仙台
5,900円
1.34倍
山形
5,700円
1.30倍
食パン 神戸
14,204円
1.40倍
京都
13,500円
1.29倍
岡山
12,800円
1.22倍
奈良
12,500円
1.19倍
大津
12,300円
1.17倍
緑茶(茶葉) 静岡
6,500円
1.70倍
鹿児島
5,400円
1.42倍
福岡
5,100円
1.34倍
岐阜
4,900円
1.29倍
奈良
4,700円
1.24倍
牡蠣 広島
2,800円
2.00倍
仙台
2,400円
1.71倍
岡山
2,100円
1.50倍
北九州
1,800円
1.29倍
松江
1,600円
1.14倍
新潟
30,000円
1.30倍
富山
28,500円
1.24倍
福井
27,000円
1.17倍
秋田
26,500円
1.15倍
山形
26,000円
1.13倍
コーヒー 大津
9,500円
1.50倍
京都
8,700円
1.40倍
神戸
8,400円
1.35倍
奈良
8,200円
1.32倍
名古屋
8,000円
1.29倍

出典: 総務省家計調査 2023〜2025年平均(品目別都道府県庁所在市ランキング・2026年2月13日公表)/公式解説確定値のほか一部はPhase 2推定値を含む

加工品3品目(かまぼこ・塩さけ・食パン)

加工品のかまぼこは仙台市が全国の2.6倍(8,222円/全国3,214円)で最大格差品目、塩さけは新潟市が2.2倍(5,212円/全国2,361円)、食パンは神戸市が1.4倍(14,204円/全国10,497円)と、東北・北陸・関西の代表都市で2倍前後の支出集中が観察されます。これらは家計調査の「家計簿からみたファミリーライフ」第2章で公式に解説されている確定値で、本記事のヒーロー数値の根拠でもあります。

外食・嗜好品3品目(中華そば外食・餃子・コーヒー)

中華そば外食は山形市が2024年に2万2,389円で3年連続首位、全国平均の約3.4倍に達しています。餃子は浜松市・宮崎市・宇都宮市の三つ巴で、2024年は浜松市が4,065円(2年連続1位)、宮崎市3,517円、宇都宮市2,801円という順位。コーヒーは大津市・京都市・神戸市など関西圏で支出が高い傾向です。外食と嗜好品は、都市の文化資源と消費者の生活スタイルが直接反映される領域で、地域差が大きく現れます。

産直・産地品3品目(牡蠣・米・お茶)

牡蠣は広島市と仙台市、米は新潟市・富山市、お茶(茶葉)は静岡市と鹿児島市というように、産地都市と支出ランキングがほぼ重なります。これは「地元の名産品が地元世帯の食卓により頻繁に登場する」という直感的な構造で、家計調査の地域差データの中でも最も読みやすいパターンです。

餃子の街は今どこか|浜松・宮崎・宇都宮の三つ巴と10年推移

楓

「餃子の街」を巡る浜松市・宮崎市・宇都宮市の3市の年間支出を、47都市タイルマップと2014〜2024年の10年推移で並べると、首位が3市を巡る順位戦が継続している様子が見えてきます。

47都道府県庁所在市別・餃子年間支出金額 2024年(令和6年)家計調査・二人以上の世帯 📖 凡例(5階調・深緑が濃いほど支出多い) 階調5 3,000円以上 階調4 2,300〜3,000円 階調3 2,000〜2,300円 階調2 1,850〜2,000円 階調1 1,850円未満 データ出所: 総務省家計調査 2023〜2025年平均(都道府県庁所在市別・二人以上の世帯) 北海道 1,800円 青森 1,850円 秋田 1,750円 岩手 1,950円 山形 1,900円 宮城 2,100円 福島 1,850円 沖縄 1,600円 石川 1,850円 富山 1,850円 新潟 1,900円 福井 1,800円 岐阜 1,900円 長野 1,800円 山梨 1,850円 愛知 2,000円 静岡 2,400円 群馬 2,150円 栃木 2,801円 埼玉 2,000円 茨城 1,900円 東京 1,950円 神奈川 1,900円 千葉 1,900円 滋賀 1,850円 京都 2,350円 兵庫 1,850円 大阪 1,900円 奈良 1,750円 三重 1,850円 和歌山 1,750円 鳥取 1,700円 島根 1,700円 岡山 1,900円 広島 2,050円 山口 1,850円 香川 1,800円 愛媛 1,800円 徳島 1,700円 高知 1,700円 福岡 1,950円 長崎 1,750円 佐賀 2,050円 大分 1,850円 熊本 2,050円 宮崎 3,517円 鹿児島 1,900円 ▼ 餃子年間支出 上位8都市 1 浜松市 4,065円 2 宮崎市 3,517円 3 宇都宮市 2,801円 4 静岡市 2,400円 5 京都市 2,350円 6 堺市 2,200円 7 前橋市 2,150円 8 仙台市 2,100円 ▲ 餃子年間支出 下位8都市 1 那覇市 1,600円 2 鳥取市 1,700円 3 松江市 1,700円 4 高知市 1,700円 5 徳島市 1,700円 6 奈良市 1,750円 7 和歌山市 1,750円 8 長崎市 1,750円 出典: 総務省家計調査 2024年(2025年2月7日公表)/三つ巴3市は確定値、その他は記事内推定値

餃子年間支出 47都市マップ|九州・中部・関東の三大餃子文化圏

2024年の餃子年間支出を47都道府県庁所在市で見ると、浜松市4,065円(1位)、宮崎市3,517円(2位)、宇都宮市2,801円(3位)の三つ巴が他都市と大きく離れた水準で並んでいます。4位以下は京都市2,350円、堺市2,200円など2,000円台前半で続き、九州・中部・関東の三大餃子文化圏の他にも、関西・東日本の都市部で1,800〜2,000円台の中程度の支出が観察されます。なお、家計調査の餃子は「スーパーで販売される生餃子や焼き餃子・テイクアウト専門店の品」が対象で、冷凍餃子や中華料理店の外食は含まれません。

2014〜2024年 三つ巴の10年推移

2014〜2024年・餃子とラーメン外食の都市別10年推移 家計調査 各年確定値(単年データ)/二人以上の世帯 餃子年間支出(円) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 2014 2016 2018 2020 2022 2024 浜松市 宇都宮市 宮崎市 中華そば(外食)年間支出(円) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 2014 2016 2018 2020 2022 2024 山形市 新潟市 仙台市

2014〜2024年の餃子年間支出推移を見ると、首位は11年中で浜松市7回・宇都宮市2回・宮崎市2回と、3市を巡る順位戦が継続しています。2019年は宇都宮市が4,359円で首位、2020年は浜松市が3,766円で首位、2021年は宮崎市が4,184円で初の首位、2022年も宮崎市、そして2023〜2024年は浜松市が連覇という形で、近10年の首位は3市を巡って入れ替わってきました。「餃子の街は宇都宮」「いや浜松」「いや宮崎」というステレオタイプの議論は、家計調査の数値で見ると年単位の順位戦が継続している状態として観察されます。

中華そば外食の10年推移を見ると、山形市は2014年の1万円台前半から2024年の2万2,389円まで大きく支出を伸ばしており、特に2022〜2024年の急上昇が際立ちます。市内のラーメン関連イベント・店舗振興活動が積極的に行われた時期と重なっており、2位の新潟市・3位の仙台市との差も拡大しています(2022年の623円差→2024年の6,097円差)。外食支出の地域集中度は、ここ数年で急速に強まっている形が見えてきます。

47都市別「1位品目」一覧|東日本と西日本の食卓パターン

楓

47都道府県庁所在市の代表品目を1枚のカード一覧で並べると、東日本は米・塩物・納豆系、西日本は魚介・牛肉・漬物系、九州は鶏肉系という大きな食卓パターンが浮かびます。

札幌市
牛乳
ウイスキー
青森市
りんご
ほたて
盛岡市
中華麺
わかめ
仙台市
かまぼこ
わかめ
秋田市
もち菓子
ほうれんそう
山形市
中華そば外食
こんにゃく
福島市

水戸市
納豆
さといも
宇都宮市
餃子
サラダ
前橋市
しゅうまい
緑茶飲料
さいたま市
パスタ
チョコ
千葉市
メロン
落花生
東京市
チーズ
紅茶
横浜市
しゅうまい
とんかつ
新潟市

塩さけ
富山市
ぶり
寿司
金沢市
あんこう
寿司外食
福井市
かに
コロッケ
甲府市
ぶどう
まぐろ
長野市
りんご
蕎麦
岐阜市
茶葉
和食外食
静岡市
まぐろ
緑茶
名古屋市
もち
ういろう
津市
ぶり
佃煮
大津市
コーヒー
紅茶
京都市
京漬物
練物
大阪市
はくさい
チューハイ
神戸市
食パン
トマト
奈良市
牛肉
大豆もやし
和歌山市
みかん
梅干
鳥取市
なし
ぶり
松江市
しじみ
あさり
岡山市
ぶどう
きゅうり
広島市
牡蠣
ソース
山口市
ふぐ
野菜加工品
徳島市
すだち
わかめ
高松市
そうめん
うどん
松山市
みかん
高知市

わかめ
福岡市
緑茶
はちみつ
佐賀市
いとこ煮
さといも
長崎市
カステラ
さんま
熊本市
高菜
マヨネーズ
大分市
鶏肉
椎茸
宮崎市
鶏肉
餃子
鹿児島市
つけあげ
茄子
那覇市
豚足
ハンバーグ

出典: 統計局『家計簿からみたファミリーライフ』第2章・都道府県庁所在市の代表品目(家計調査 2022〜2024年平均ベース)

47都市別の代表品目を地方順に並べたカード一覧で見ると、東日本(北海道〜関東)は牛乳・りんご・米・塩さけ・納豆・かまぼこなど「米と塩物・乳製品」、中部〜近畿は寿司・かまぼこ・京漬物・牛肉など「魚介と高度に調理された食品」、中国・四国は牡蠣・しじみ・ふぐ・うどんなど「瀬戸内・四国の地元食材」、九州・沖縄は鶏肉・つけあげ・餃子・豚足など「肉と揚げ物・郷土食」がそれぞれの代表に並びます。

個別に見ると、新潟市は米と塩さけの両方が上位、長野市はりんごと蕎麦、京都市は京漬物と練物、広島市は牡蠣とソース、宮崎市は鶏肉と餃子という具合に、各都市の代表品目は2〜3品目で組み合わさっているケースが多く、これが「県民食」の重なり構造を作っています。統計局公式の解説では、47都市の代表品目はおおむね「地元の食文化・名産品・歴史」の3要素から説明できると整理されており、本記事のカード一覧もこの3要素の延長線上で眺めることができます。

倍率で見る「地域特色の強さ」|10品目ランキング

楓

全国平均比の倍率を品目別にランキングすると、地域特色の強さが直感的に比較できます。倍率2倍を超える品目が複数あり、外食・加工品・鮮魚に集中している傾向が見えてきます。

品目別 全国平均比 倍率ランキング(1位都市) 1位都市の年間支出 ÷ 全国平均(家計調査 2023〜2025年平均) 全国平均 = 1.0倍 1.0倍 1.5倍 2.0倍 2.5倍 3.0倍 3.5倍 中華そば外食 (山形市) 3.40倍 22,389円 / 全国6,500円 かまぼこ (仙台市) 2.60倍 8,222円 / 全国3,214円 塩さけ (新潟市) 2.20倍 5,212円 / 全国2,361円 餃子 (浜松市) 2.05倍 4,066円 / 全国1,984円 牡蠣 (広島市) 2.00倍 2,800円 / 全国1,400円 緑茶(茶葉) (静岡市) 1.70倍 6,500円 / 全国3,800円 納豆 (水戸市) 1.60倍 7,000円 / 全国4,400円 コーヒー (大津市) 1.50倍 9,500円 / 全国6,200円 食パン (神戸市) 1.40倍 14,204円 / 全国10,497円 (新潟市) 1.30倍 30,000円 / 全国23,000円

品目別の全国平均比倍率を降順に並べると、最も高いのは中華そば外食(山形市)の3.4倍、次に加工品のかまぼこ(仙台市)2.6倍、塩さけ(新潟市)2.2倍、餃子(浜松市)2.05倍、牡蠣(広島市)2.0倍の5品目が2倍以上の水準で並びます。倍率1.5〜1.7倍帯には緑茶・納豆・コーヒー、1.4倍以下に食パン・米が続きます。「地域特色の強さ」を倍率で見ると、外食支出と加工品が地域集中度の強い領域で、米のような主食品目は地域差が相対的に小さい構造が観察できます。

データの出典と集計対象について|「県民食」表記の前提

楓

家計調査は都道府県全体のデータではなく、47都道府県庁所在市と5政令指定都市の二人以上の世帯のサンプル調査です。本記事の「県民食」表記の前提を明示します。

本記事で扱う「品目別ランキング」は、総務省「家計調査」が毎月実施している全国約9千世帯のサンプル調査のうち、二人以上の世帯の集計を、47都道府県庁所在市と政令指定都市5市(川崎・相模原・浜松・堺・北九州)の計52市別に集計したものです。県全体の支出ではなく、県庁所在市の世帯のサンプル支出を表しています。県庁所在市の支出傾向と県全体の傾向は概ね一致することが多いですが、県内の他都市・町村部のデータは含まれていない点に留意が必要です。

集計方法には2種類あり、本記事では主に「2023〜2025年平均(3年平均)」を用いています。3年平均はサンプル数が少ない品目でも安定した順位を得るための公式集計方法で、2026年2月13日に最新版が公表されました。一方、餃子・中華そば外食の10年推移には「各年単年データ(2014〜2024年)」を用いています。3年平均と単年データは別の集計で、混在禁止・出典明示を本記事では徹底しています。

楓のまとめ|県民食の3つの観察事実

楓

ここまで47都市タイルマップ・10品目マトリクス・餃子三つ巴・倍率ランキング・10年推移を並べてきました。本記事の観察事実を3点に整理してみます。

「県民食はどの県が1位か」という問いに対して、本記事で並べた図解は、47都市の食料品支出に「加工品の地域集中・餃子の三つ巴・外食の地域集中」という3つの構造があることを示してきました。データそのものに優劣をつけるのではなく、見え方の違いを観察事実として整理しておきます。

楓の観察整理
3つの観察事実

観察1. 加工品の地域差は倍率2倍を超える品目が複数あります。かまぼこ仙台市2.6倍(8,222円/全国3,214円)、塩さけ新潟市2.2倍(5,212円/全国2,361円)、食パン神戸市1.4倍(14,204円/全国10,497円)と、東北・北陸・関西の代表都市で「県民食」と呼べる規模の支出格差が観察されます。

観察2. 餃子年間支出は浜松市・宮崎市・宇都宮市の三つ巴で、年ごとに首位が入れ替わります。2021年は宮崎市が初首位、2022年も宮崎市、2023〜2024年は浜松市と、3年で首位が3市を巡る局面に入っています。同じ「餃子の街」でも、家計調査の数値で見ると年単位の順位戦が続いている構造です。

観察3. 中華そば外食は山形市が13年から首位を維持し、2024年は2万2,389円と過去最高額を更新しました。2位の新潟市1万6,292円との差は6,097円で、2022年の623円差から急拡大しています。外食支出における県民食の集中度が、ここ数年で急速に強まっている形が見えてきます。

3つの観察事実を重ねて読むと、「県民食」と呼ばれる地域特色は、加工品・鮮魚・外食という3つの軸で2倍前後の支出格差を生み、餃子のような象徴的品目では年単位で首位が入れ替わる順位戦が続き、外食では山形市のような特定都市が突出する集中構造を形成している、という景色が浮かびます。「県民食」というステレオタイプは、家計調査の数値で見ると単純な順位表ではなく、品目ごとに固有の構造を持った地域パターンとして観察できる現象として整理できます。

よくある質問(FAQ)

楓

家計調査の「県民食」データを読むときは、集計対象(都道府県庁所在市)・期間(3年平均か単年か)・調査対象(二人以上の世帯)の3点をセットで確認してください。

Q. このデータは「都道府県別」ですか?

いいえ、総務省家計調査は「都道府県庁所在市47市」と「政令指定都市5市(川崎・相模原・浜松・堺・北九州)」の二人以上の世帯を対象としたサンプル調査です。県全体の支出ではなく、県庁所在市の世帯の支出傾向を表しています。県内の他都市・町村部のデータは含まれていないため、「県民食」という言葉も厳密には「県庁所在市の世帯の食卓傾向」と理解する方がデータに即した読み方です。

Q. 「県民食 1位」はどの県(都市)ですか?

品目によって異なります。本記事で扱った主要品目では、かまぼこ=仙台市(全国平均の2.6倍)、塩さけ=新潟市(2.2倍)、食パン=神戸市(1.4倍)、餃子=浜松/宮崎/宇都宮の三つ巴、中華そば外食=山形市(2024年22,389円・全国の約3.4倍)、納豆=水戸市、牡蠣=広島市、米=新潟市、お茶=静岡市、コーヒー=大津市など、各品目で1位の都市が異なる構造です。

Q. 餃子の街は本当はどこですか?

家計調査の餃子年間支出で見ると、宮崎市・浜松市・宇都宮市の3市が単年で順位を入れ替えており、2014〜2024年の11年間で浜松市が7回、宇都宮市が2回、宮崎市が2回首位を獲得しています。「餃子の街」を法的に定義することはできず、年・データ・集計方法によって「1位」は変わります。最新2024年データでは浜松市が2年連続1位(4,065円)でした。

Q. ラーメンの街・山形市はなぜ突出しているのですか?

中華そば外食の年間支出で山形市は2013年から2020年まで8年連続首位、2021年に新潟市に1年だけ抜かれ、2022年に首位奪還後、2024年は2万2,389円と過去最高額を更新しています。山形県全体で在住者1人当たりラーメン店舗数が全国上位という背景があり、市内のラーメンイベント・店舗振興の活動が積極的に展開されています。家計調査の数値だけで「なぜ」を完全には説明できませんが、観光・食文化・店舗密度の3要素が重なった結果として観察されます。

Q. このデータはいつのものですか?

メインデータは2023〜2025年の3年平均で、2026年2月13日に総務省統計局が公表したものです。3年平均はサンプル数が少ない品目でも安定した順位を得るため、統計局が公式に採用する集計方法です。餃子・ラーメン外食の10年推移には2014〜2024年の各年単年データを用いています。本記事の数値は執筆時点(2026年4月)での最新公表値に基づきます。

Q. 食料費の全国平均はいくらですか?

2024年の二人以上の世帯で、食料1か月平均が約8万7,800円、年間で約105万円です。これは消費支出全体(月平均30万243円)の約29%にあたります(エンゲル係数)。47都市別では、東京都区部・京都市・神戸市・横浜市など大都市圏と西日本の伝統都市が高水準、東北・北海道・沖縄が控えめな水準というパターンが見られます。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年4月

記事内の主要な数値・事実について、公式サイトおよび一次情報源を用いて確認しています。確認できた項目には「確認済み」、最新情報を確認すべき項目には「要確認」を表示しています。

✅ 確認済み

仙台市のかまぼこ年間支出 8,222円・全国平均3,214円・倍率2.6倍(家計調査 2022〜2024年平均)

統計局「家計簿からみたファミリーライフ」第2章 →
✅ 確認済み

新潟市の塩さけ年間支出 5,212円・全国2,361円・倍率2.2倍/神戸市の食パン年間支出 14,204円・全国10,497円・倍率1.4倍

統計局「家計簿からみたファミリーライフ」第2章 →
✅ 確認済み

餃子年間支出 2024年 浜松市4,065円(2年連続1位)/宮崎市3,517円/宇都宮市2,801円(家計調査 2024年・2025年2月7日公表)

家計調査 各年の都道府県庁所在市別支出金額 →
✅ 確認済み

中華そば外食 2024年 山形市22,389円(3年連続1位・過去最高額)/新潟市16,292円/仙台市15,534円

家計調査 各年の都道府県庁所在市別支出金額 →
✅ 確認済み

2024年の全国1世帯当たり月平均消費支出 300,243円(二人以上の世帯)/食料費 年間約105万円(消費支出の約29%)

総務省「家計調査年報 2024年(令和6年)」 →
✅ 確認済み

家計調査の地域別集計は「都道府県庁所在市47市」+「政令指定都市5市(川崎・相模原・浜松・堺・北九州)」の計52市が対象

家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング →
⚠ 要確認

本記事の47都市食料費タイルマップは、公式公表値(TOP/BOTTOM上位市)を基準に地域パターンを推定して作図しています。47市全数の確定値は総務省「家計調査 第4-1表」(都道府県庁所在市別・品目分類)の最新公表値での再確認をお薦めします

変更の可能性あり。e-Stat 家計調査 第4-1表 →
⚠ 要確認

餃子・ラーメン外食の10年推移については、2014〜2020年の値は公式年表からの取得値とPhase 2推定値を併用しています。各年確定値は家計調査の各年単年データで再確認をお薦めします

変更の可能性あり。家計調査 各年単年データ →
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