
日本人の平均身長は、年齢別と男女別の両方を一度に並べると、ひとつの一定の差ではないことが見えてきます。子供から成人までを通して、いつ・どれだけ差が開くのかを、最新の確定値で観察していきます。
日本人の平均身長は、年齢や男女によって大きく変わります。最新の確定値(2024年度)では、17歳の平均身長は男子170.8cm、女子158.0cmで、その差は12.8cmです。ただし男女差は一定ではありません。9〜11歳ごろには女子が男子を上回る時期があり、差が一方向に開いていくのは12歳以降です。
本記事では、文部科学省の令和6年度(2024年度)学校保健統計調査と、厚生労働省の令和5年(2023年)国民健康・栄養調査という2つの一次情報をもとに、5歳から70代以上までの年齢別・男女別の平均身長を、一覧表・折れ線・男女差バー・成人の横棒など複数の図解で整理します。数値の高い低いを評価するのではなく、差がどのように変化するのかを観察していきます。
日本人の身長は、男女で・年齢でどれくらい違うのか。
17歳の平均身長は男子170.8cm・女子158.0cm。その差は12.8cmです。
男女差12.8cm(170.8 − 158.0)
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
日本人の平均身長、年齢別・男女別の最新を一覧で見る

まずは全体像を一覧表で押さえます。5歳から17歳までは学校保健統計、20代から70代以上までは国民健康・栄養調査と、対象とする調査が分かれている点に注意しながら見てください。
この一覧表は、2つの異なる調査を1枚にまとめたものです。5歳から17歳までは、文部科学省が学校の健康診断をもとに毎年集計する学校保健統計調査の令和6年度(2024年度)確定値を使っています。20代から70代以上までは、厚生労働省が実施する国民健康・栄養調査の令和5年(2023年)確定値を使っています。
子供と成人で調査が分かれているのは、測定の仕組みが違うためです。学校保健統計は学校での健康診断という全国的な仕組みを使うため、各年齢の人数が多く、1歳刻みで安定した平均値が得られます。一方、成人には学校のような一律の測定機会がないため、成人の身長は標本調査である国民健康・栄養調査をもとに、年代をまとめた階級で示されています。
表を縦に追っていくと、5歳から8歳まではほとんど差がなく、9歳から11歳にかけて女子が男子をわずかに上回り、12歳以降は男子の数値が女子を引き離していく流れが読み取れます。成人では年代が上がるほど数値が下がりますが、これは後の図解で見るように、複数の要因が混ざった結果です。
子供の身長、5歳から17歳までの男女ライン

数字の表だと差の変化が追いにくいので、折れ線にしてみます。男女2本のラインが、どこで近づき、どこで離れるのかを目で追ってみてください。
5歳から8歳までは、男女のラインがほぼ重なって伸びています。5歳では男子110.6cm・女子109.6cmで、その差は1.0cm。8歳でも男子128.5cm・女子127.7cmと、差は1cm未満のままです。この時期は男女でほとんど違いがありません。
変化が起きるのは9歳からです。9歳で女子134.1cm・男子134.0cmとなり、わずかに女子が上回ります。10歳では女子141.1cm・男子139.7cm、11歳では女子147.8cm・男子146.0cmと、女子が男子を上回る状態が続きます。これは、女子の成長が早い時期に入るためで、図では淡い色の帯で示した区間にあたります。
12歳になると、男子154.0cm・女子152.3cmと再び男子が上回ります。ここから先は男子のラインが急に立ち上がり、女子のラインは緩やかになります。13歳で6.1cm、14歳で9.7cmと差は急速に開き、17歳では男子170.8cm・女子158.0cmで、差は12.8cmに達します。
男女差はいつ・どれだけ開くのか

差そのものだけを取り出して棒グラフにすると、どの年齢で差が最小・最大になるかがはっきりします。マイナス方向の棒は、女子が高い時期を表しています。
このグラフは、各年齢で「男子の平均身長から女子の平均身長を引いた差」を棒の高さで表したものです。プラスは男子が高い、マイナスは女子が高いことを意味します。5歳から8歳までは0.8cmから1.0cmのわずかなプラスで、男女がほぼ並んでいる時期です。
9歳から11歳にかけては棒がマイナスに振れます。最も女子が上回るのは11歳で、男女差はマイナス1.8cmです。10歳もマイナス1.4cmと、この2年は女子のほうが高い状態が続きます。日常の実感として小学校高学年で女子のほうが背が高く見えるのは、この区間にあたります。
12歳でプラス1.7cmと再び男子が上回ったあとは、差が一方向に開いていきます。13歳で6.1cm、14歳で9.7cm、15歳で11.5cmと急拡大し、16歳12.2cm、17歳12.8cmへと進みます。差が大きく広がるのは13歳から15歳にかけてで、その後は12cm台で落ち着きます。
成人の平均身長、20代から70代以上まで

ここからは成人のデータです。男女別に、20代から70代以上までの平均身長を横棒で並べました。年代が上がるほど数値が下がる形に見えますが、その読み方には注意が必要です。
成人の平均身長は、国民健康・栄養調査の令和5年(2023年)確定値によると、男性は30代の171.5cmが最も高く、20代は170.3cmです。女性は40代の158.5cmが最も高く、20代は157.6cmでした。男女とも、若い年代がほぼ横並びで高い水準にあります。
年代が上がると数値は下がっていきます。男性は60代で168.6cm、70歳以上で164.0cmです。女性は60代で155.0cm、70歳以上で149.9cmと、高齢の年代ほど平均身長が低く出ています。20代と70歳以上を比べると、男性で約6.3cm、女性で約7.7cmの差があります。
ただし、この年代別の数値をそのまま「年を取ると身長が縮む量」と読むことはできません。年代別データには、世代そのものの違いと、加齢による見かけの低下という2つの異なる要因が混ざっています。この点を次の図解で分けて整理します。
なぜ高齢の年代ほど平均身長が低いのか

「年代別データ」を読み解くときに混同しやすいのが、世代の違いと加齢の影響です。この2つを分けて考えると、データの見え方が変わります。
1つ目は世代効果(コホート差)です。若い世代ほど、成長期の栄養環境が整った時代に育っています。そのため、もともと背が高い世代という違いが含まれます。これは同じ人の変化ではなく、世代そのものの違いによる差です。
2つ目は加齢効果です。年齢を重ねると、椎間板の変化や姿勢の影響で、測定される身長が下がっていきます。同じ人であっても、加齢によって測定上の身長は低くなります。これは世代の違いとは別の、測定時点での見かけの低下です。
国民健康・栄養調査の年代別データは、この2つが同時に含まれた値です。そのため、高齢の年代の数値が低いことを、世代差だけ、あるいは加齢だけで説明することはできません。どちらの要因がどれだけ寄与しているかを、この調査だけから切り分けることはできない点に注意が必要です。
日本人の身長は、もう伸びていないのか

最後に、長期的な推移を見ておきます。17歳の平均身長が、戦後どのように変化してきたのかをたどると、近年の傾向が見えてきます。
17歳の平均身長は、戦後に大きく伸びてきました。1950年ごろには男子160cm台前半、女子150cm台前半でしたが、栄養や生活環境の改善とともに上昇を続け、2000年前後で男子170cm台、女子158cm前後に達しました。その後は男女とも大きな伸びが見られず、ほぼ横ばいで推移しています。
成人の身長については、研究機関から低下傾向を指摘する知見もあります。国立成育医療研究センターは、成人身長が1978〜79年生まれ(男性171.5cm・女性158.5cm)をピークに、その後の世代でわずかに低下している可能性を示しています。ただしこれは研究上の知見であり、将来の身長を断定するものではありません。
なお、学校保健統計では2020年度から2023年度(令和2〜5年度)について、新型コロナの影響で測定時期が他の年度と異なるため、文部科学省自身が他年度と単純に比較できないと注記しています。図ではこの区間をグレーの帯で示しています。近年の推移を読むときは、この比較できない区間があることを踏まえる必要があります。
楓のまとめ|男女差は一定ではなく、年齢で形を変える

ここまで一覧表から長期推移まで並べてきました。日本人の平均身長について、価値判断を挟まずに3つの観察事実へ整理してみます。
この記事で並べた図解は、平均身長が年齢と男女によって違う形を描くことを示してきました。どの数値が高いか低いかではなく、差がいつ・どのように変化するのかを、観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねて読むと、日本人の平均身長は、ひとつの固定された男女差を持つのではなく、年齢に沿って差の形そのものが変化していくことが分かります。9〜11歳の女子優位と12歳以降の差の拡大、そして成人データに混ざる世代差と加齢の影響を分けて見ることが、平均身長というデータを正確に読むうえでの出発点になります。
よくある質問(FAQ)

平均身長のデータを見るときによく出てくる疑問を3つ取り上げます。数値の前提を押さえると、読み違いを防げます。
Q1. 日本人の平均身長は、いつの時点のデータが最新ですか?
本記事の数値は、いずれも記事公開時点で最新の公的確定値です。子供(5〜17歳)は、文部科学省の令和6年度(2024年度)学校保健統計調査の確定値で、2025年2月12日に公表されました。成人(20歳以上)は、厚生労働省の令和5年(2023年)国民健康・栄養調査の確定値で、2024年11月25日に公表されたものです。一般のメディアでは令和元年(2019年)のデータが使われていることもあるため、調査年を確認することをおすすめします。
Q2. なぜ小学校高学年で女子のほうが背が高いのですか?
成長期に入るタイミングが男女で違うためです。女子は男子より早く成長期を迎える傾向があり、9歳から11歳ごろに身長が大きく伸びます。このため一時的に女子の平均身長が男子を上回ります。男子は少し遅れて成長期に入り、12歳ごろに再び女子を上回ったあと、差を広げていきます。これは平均値の傾向であり、個人ごとの成長の時期には幅があります。
Q3. 日本人の身長はこれからも伸びるのですか?
本記事のデータからは断定できません。17歳の平均身長は2000年前後で頭打ちとなり、近年はほぼ横ばいで推移しています。成人身長については、1978〜79年生まれをピークに低下している可能性を示す研究もありますが、これは研究上の知見であり、将来の身長を予測するものではありません。また、学校保健統計の2020〜2023年度は測定時期の関係で他年度と単純比較できないため、近年の変化は慎重に読む必要があります。
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