
米の価格は、どの段階の価格を見ているかで数字の意味が変わります。玄米60kgの取引価格と、スーパーで買う精米5kgの価格を別々の図に分けて並べると、上がった側と下がった側の両方が同じ公表資料の上で見えてきます。
スーパーで売られる米の価格は、農林水産省が集計する精米5kgの平均で、2026年1月4日までの週に4,416円まで上がり、2026年9月7〜13日の週は2,971円でした。最高値から1,445円、率にして32.7%低く、前年同期と比べても30.5%低い水準です。一方で、集荷業者と卸売業者の間の相対取引価格(玄米60kg)は2026年8月が31,556円で、前年同月をなお16%上回っています。
取引価格を年産平均で見ると、令和5年産の15,315円から令和7年産の35,330円(速報値)へ、2年で約2.3倍になりました。本記事では、農林水産省が2026年9月18日に公表した相対取引価格とスーパーの販売価格、政府買入価格の記録、総務省の小売物価統計を使い、1950年産から2025年産までの75年の推移と、2025年秋以降の上がり方と下がり方を図解で整理します。
米の価格は、どの段階でどこまで上がり、2026年9月時点でどこまで下がったか。
店頭は最高値より32.7%低く、取引価格はなお前年を16%上回る。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
米の価格はどの段階の数字か|政府買入・取引・店頭の3つ

米の価格のニュースを読むときは、最初に「どの段階の、何kg当たりの価格か」を確かめると混乱が減ります。この記事で使う3つの価格を先に並べておきます。
3つの価格は、制度も流通段階も単位も異なります。玄米60kgと精米5kgの間には、精米による目減りや流通の経費が入るため、本記事では両者を換算して1本の線につなぐことはしていません。比べるときは、同じ段階・同じ単位の価格どうしで並べています。
取引段階の価格は、政府買入価格が2003年産まで、入札価格が1990年産から2009年産まで、相対取引価格が2006年産からと、時期によって使える系列が入れ替わります。系列が重なる年は両方の値を残し、図でも線の種類を分けて示します。
玄米60kgの価格は75年でどう動いたか|1950年産から2025年産まで

75年の推移は、3つの系列を1枚の折れ線に重ねると、長いあいだ2万円台前半までの範囲にあった価格が、直近2年だけ大きく跳ね上がっている形が見えます。系列の切り替わりで線を切ってあるので、制度の違いもそのまま読めます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
政府買入価格は1950年産の2,504.82円から上がり続け、1984年産から1986年産の18,668円が最も高い値でした。1987年産以降は下がり、系列が終わる2003年産は13,820円です。入札価格は1993年産の23,607円が最も高く、上下を挟みながら2005年産の16,048円まで下がりました。
相対取引価格は2006年産から系列が始まり、2014年産の11,967円が最も低い値です。2015年産から2023年産までは12,804円から15,716円の範囲で推移していました。そこから令和6年産(2024年産)は25,179円、令和7年産(2025年産)は35,330円(速報値)へと、2年続けて大きく上がっています。2014年産の11,967円と比べると約3.0倍です。
取引段階とは別に、総務省の小売物価統計には、東京都区部のうるち米の店頭価格が1950年から2010年まで残っています。公表の単位が1kg・10kg・5kgと変わっているため、5kg当たりに単位だけ換算して並べました。
銘柄・単位の変遷:1950〜1971年 うるち米(非配給)内地白米・1kg/1972年 うるち米(中)国内産精米・1kg/1973〜1995年 同・10kg/1996〜2001年 うるち米(ブレンド米)・10kg/2002〜2010年 うるち米(複数原料米)袋入り・5kg。1kg・10kgの公表値を5kg当たりに単位換算(📊筆者換算)し、銘柄の違いは接続していません。2010年で系列終了。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
1973年以降では、1994年の3,080.5円(10kgで6,161円)が最も高く、2010年は1,739円でした。銘柄の区分が1972年・1973年・1996年・2002年に変わっているため、図では区分ごとに線を切っています。小売物価統計のこの系列は2010年で終わっており、2011年以降の店頭価格は、本記事ではこの線につないでいません。
年産別の価格一覧|3つの系列をタブで切り替え
図の元になった年産ごとの値を、系列別に一覧にしました。タブを切り替えると、政府買入価格(1950〜2003年産)、入札価格(1990〜2009年産)、相対取引価格(2006〜2025年産)の全年産を確認できます。
| 年産 | 和暦 | 円/60kg |
|---|---|---|
| 1950 | 昭和25年産 | 2,504.82 |
| 1951 | 昭和26年産 | 3,040.56 |
| 1952 | 昭和27年産 | 3,454 |
| 1953 | 昭和28年産 | 4,273 |
| 1954 | 昭和29年産 | 4,003 |
| 1955 | 昭和30年産 | 4,064 |
| 1956 | 昭和31年産 | 4,028 |
| 1957 | 昭和32年産 | 4,129 |
| 1958 | 昭和33年産 | 4,129 |
| 1959 | 昭和34年産 | 4,133 |
| 1960 | 昭和35年産 | 4,162 |
| 1961 | 昭和36年産 | 4,421 |
| 1962 | 昭和37年産 | 4,866 |
| 1963 | 昭和38年産 | 5,268 |
| 1964 | 昭和39年産 | 5,985 |
| 1965 | 昭和40年産 | 6,538 |
| 1966 | 昭和41年産 | 7,140 |
| 1967 | 昭和42年産 | 7,797 |
| 1968 | 昭和43年産 | 8,256 |
| 1969 | 昭和44年産 | 8,256 |
| 1970 | 昭和45年産 | 8,272 |
| 1971 | 昭和46年産 | 8,522 |
| 1972 | 昭和47年産 | 8,954 |
| 1973 | 昭和48年産 | 10,301 |
| 1974 | 昭和49年産 | 13,615 |
| 1975 | 昭和50年産 | 15,570 |
| 1976 | 昭和51年産 | 16,572 |
| 1977 | 昭和52年産 | 17,232 |
| 1978 | 昭和53年産 | 17,251 |
| 1979 | 昭和54年産 | 17,279 |
| 1980 | 昭和55年産 | 17,674 |
| 1981 | 昭和56年産 | 17,756 |
| 1982 | 昭和57年産 | 17,951 |
| 1983 | 昭和58年産 | 18,266 |
| 1984 | 昭和59年産 | 18,668 |
| 1985 | 昭和60年産 | 18,668 |
| 1986 | 昭和61年産 | 18,668 |
| 1987 | 昭和62年産 | 17,557 |
| 1988 | 昭和63年産 | 16,743 |
| 1989 | 平成元年産 | 16,743 |
| 1990 | 平成2年産 | 16,500 |
| 1991 | 平成3年産 | 16,392 |
| 1992 | 平成4年産 | 16,392 |
| 1993 | 平成5年産 | 16,392 |
| 1994 | 平成6年産 | 16,392 |
| 1995 | 平成7年産 | 16,392 |
| 1996 | 平成8年産 | 16,392 |
| 1997 | 平成9年産 | 16,217 |
| 1998 | 平成10年産 | 15,805 |
| 1999 | 平成11年産 | 15,528 |
| 2000 | 平成12年産 | 15,104 |
| 2001 | 平成13年産 | 14,708 |
| 2002 | 平成14年産 | 14,295 |
| 2003 | 平成15年産 | 13,820 |
| 年産 | 和暦 | 円/60kg |
|---|---|---|
| 1990 | 平成2年産 | 21,600 |
| 1991 | 平成3年産 | 22,726 |
| 1992 | 平成4年産 | 22,813 |
| 1993 | 平成5年産 | 23,607 |
| 1994 | 平成6年産 | 22,213 |
| 1995 | 平成7年産 | 21,017 |
| 1996 | 平成8年産 | 20,751 |
| 1997 | 平成9年産 | 18,717 |
| 1998 | 平成10年産 | 19,645 |
| 1999 | 平成11年産 | 17,961 |
| 2000 | 平成12年産 | 17,096 |
| 2001 | 平成13年産 | 17,293 |
| 2002 | 平成14年産 | 17,171 |
| 2003 | 平成15年産 | 22,296 |
| 2004 | 平成16年産 | 16,660 |
| 2005 | 平成17年産 | 16,048 |
| 2006 | 平成18年産 | 15,731 |
| 2007 | 平成19年産 | 15,075 |
| 2008 | 平成20年産 | 16,099 |
| 2009 | 平成21年産 | 15,610 |
| 年産 | 和暦 | 円/60kg |
|---|---|---|
| 2006 | 平成18年産 | 15,203 |
| 2007 | 平成19年産 | 14,164 |
| 2008 | 平成20年産 | 15,146 |
| 2009 | 平成21年産 | 14,470 |
| 2010 | 平成22年産 | 12,711 |
| 2011 | 平成23年産 | 15,215 |
| 2012 | 平成24年産 | 16,501 |
| 2013 | 平成25年産 | 14,341 |
| 2014 | 平成26年産 | 11,967 |
| 2015 | 平成27年産 | 13,175 |
| 2016 | 平成28年産 | 14,307 |
| 2017 | 平成29年産 | 15,595 |
| 2018 | 平成30年産 | 15,688 |
| 2019 | 令和元年産 | 15,716 |
| 2020 | 令和2年産 | 14,529 |
| 2021 | 令和3年産 | 12,804 |
| 2022 | 令和4年産 | 13,844 |
| 2023 | 令和5年産 | 15,315 |
| 2024 | 令和6年産 | 25,179 |
| 2025 | 令和7年産 | 35,330(速報) |
出典:農林水産省「長期的な主食用米の価格の動向」(2026年9月18日公表)/農林水産省「米価に関する資料」(山形県やまがたアグリネット転載)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
相対取引価格の月別推移|2025年10月の37,058円から2026年8月へ

年産平均だけでは、1年の中の上がり下がりが見えません。月別の36点を並べると、令和7年産は出回り直後が最も高く、そこから下がってきた形になっています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
令和6年産の相対取引価格は、2024年9月の22,700円から始まり、2025年5月には27,649円まで上がりました。令和7年産は2025年9月の36,895円で始まり、10月の37,058円が月別で最も高い値です。
その後は下がる月が続き、2026年3月に33,345円、6月に31,305円となりました。7月は32,486円と前月より1,181円上がり、8月は31,556円です。月別の最高値だった2025年10月と比べると5,502円、率にして14.8%低い一方、前年同月(2025年8月の27,179円)よりは4,377円、16%高い水準にあります。
スーパーの店頭価格|精米5kgの平均は4,416円から2,971円へ

店頭の価格は週ごとに公表されているので、週単位の折れ線で見ると下がり方の角度がよくわかります。資料で確認できた週だけを点で置き、確認できない週は線をつないでいません。
農林水産省の公表資料で、週の期間と価格を編集部が確認できた37週のみを表示しています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
農林水産省が全国約1,000店舗のスーパーのPOSデータから集計した精米5kgの平均販売価格(税込)は、2025年9月8〜14日の週が4,275円でした。12月1〜7日の週は4,321円、12月8〜14日の週は4,331円と4,300円台で推移し、2026年1月4日までの週の4,416円が、この系列で最も高い値です。
2026年に入ると、2月2〜8日の週の4,204円から週を追って下がり、6月下旬に3,500円台、8月には3,100円台から3,200円台となりました。9月7〜13日の週は2,971円で、前週より32円、前年同期より1,304円(30.5%)低い水準です。内訳は銘柄米が2,988円、ブレンド米等が2,866円で、同じ週の販売数量は前年同期より27.6%多くなっています。
取引段階と店頭段階の前年比|+16%と▲30.5%

上がった・下がったを一言でまとめにくいのは、段階によって前年比の向きが違うからです。2本のバーを同じ0の線から左右に伸ばして並べてみます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2026年8月の相対取引価格(玄米60kg)は前年同月比で+16%、2026年9月7〜13日の週のスーパーの販売価格(精米5kg)は前年同期比で▲30.5%でした。取引段階ではなお前年を上回り、店頭段階では前年を下回るという、向きの異なる2つの動きが同じ時期に並んでいます。
ただし2つの数字は、対象(玄米と精米)、単位(60kgと5kg)、時点(8月の月平均と9月第2週)が異なります。本記事では差を1つの数値にまとめることはせず、それぞれの前年比として並べるにとどめています。
楓のまとめ|米の価格は段階ごとに上がり方と下がり方が違う

ここまでの図解を並べると、75年の記録の中で直近2年の動きがどれだけ大きかったかと、段階ごとに下がり方が違うことが、同じ資料の上で確認できます。3つの観察事実に整理します。
「米の価格はどこまで上がり、どこまで下がったか」という問いに、本記事は農林水産省と総務省の公表値だけで答えてきました。どの段階の価格か、どの期間で見るかによって、数字の向きと大きさが変わります。
高騰と下落は、どちらか一方だけを見ると別の話に見えますが、同じ公表資料の上に並べると、取引段階と店頭段階で動く時期と幅が異なる1つの推移として読めます。価格が動いた理由は、本記事で示したデータの範囲の外にあるため扱っていません。最新の数値は、農林水産省の相対取引価格(毎月)とスーパーの販売価格(毎週)の公表で確認できます。
物価や食料に関する推移は、物価と賃金、30年の推移を比較&図解、日本の食料自給率、60年の推移を図解で解説、日本の農業従事者、50年でどれだけ減った?、手取り額は30年でどう変わった?年収別の推移を図解でも整理しています。
よくある質問(FAQ)

米の価格の数字を読むときに迷いやすい点を、3つにまとめました。取引価格と店頭価格の違い、速報値の扱い、最新の数値の確認先です。
Q1. 相対取引価格とスーパーの販売価格は何が違うのですか?
相対取引価格は、集荷業者と卸売業者などの間の取引価格で、玄米60kg当たり、包装代・運賃・消費税相当額等を含みます。スーパーの販売価格は、全国約1,000店舗のPOSデータによる精米5kgの平均販売価格(税込)です。段階も単位も異なるため、本記事では換算して比べることはしていません。2026年8月の相対取引価格は31,556円、9月7〜13日の週のスーパーの販売価格は2,971円でした。
Q2. 令和7年産の35,330円は確定した数字ですか?
確定値ではありません。農林水産省は令和7年産の年産平均を、出回りから令和8年8月までの取引をもとにした速報値として公表しています。年産の取引が終わった後に確定値が公表されるため、数値が変わる可能性があります。
Q3. 米の価格はこの先どうなりますか?
本記事では今後の見通しは扱っていません。相対取引価格は農林水産省が毎月、スーパーでの販売数量・価格は毎週公表しているため、最新の値はそれぞれの公表資料で確認できます。本記事の数値は2026年9月18日公表分に基づいています。
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