
駅の乗降客数は、鉄道会社ごとに数え方が違います。各社の公表値を同じ年度でそろえて駅ごとに足すと、どの駅に何人分が集まっているかを1枚の図で見比べられます。
乗降客数が世界一の駅は、ギネス世界記録が認定している新宿駅です。2024年度の各社の公表値をもとに、JR東日本・京王・小田急・東京メトロ・都営地下鉄の5社分を合わせると、新宿駅の乗降人員は1日平均約307万人になります。24時間でならすと1秒に約36人が乗り降りしている計算で、2位の池袋(約236万人)、3位の渋谷(約215万人)が続きます。
ただし、駅の利用者数は鉄道会社ごとに数え方が違います。JR各社は乗った人だけを数える「乗車人員」を、私鉄や地下鉄は乗った人と降りた人の両方を数える「乗降人員」を公表しています。本記事では、JRの乗車人員を2倍して乗降人員にそろえ、2024年度(2024年4月〜2025年3月)の各社の公表値を駅ごとに足しました。
乗り換えた人は乗り換えのたびに重ねて数えられるため、駅の合計は駅を出入りした人の実数とは一致しません。本記事では、各社の公表値とギネス世界記録、フランスや英国の鉄道統計を、事業者別の積み上げ横棒、数え方の模式図、世界の駅との比較図、コロナ前からの推移で整理します。
乗降客数が世界一の駅、新宿では1日に何人が乗り降りしている?
5社の公表値を合わせると、1日平均約307万人です。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
乗降客数が多い駅ランキング|新宿・池袋・渋谷の順

駅ごとの合計は、事業者ごとの値を横に積み上げた棒で見ると、どの会社が何人分を受け持っているかが一目で分かります。JRの部分は乗車人員を2倍した値なので、斜線で区別しています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2024年度の各社の公表値を駅ごとに足すと、最も多いのは新宿の約307万人(307.3万人)です。内訳はJR東日本が133.4万人(乗車人員66万6,809人の2倍)、京王が67.0万人、小田急が45.1万人、都営地下鉄が新宿線と大江戸線で41.8万人、東京メトロが20.0万人でした。新宿は2位の池袋より約71万人多く、本記事の8駅で300万人を超えるのは新宿だけです。
2位の池袋は約236万人で、JR東日本・東京メトロ・西武・東武の4社の合計です。東京メトロの池袋(51万8,135人)は東京メトロの全駅の中で1位で、西武と東武もそれぞれ自社の1位が池袋です。3位の渋谷は約215万人で、東急の田園都市線と東横線を合わせた101.8万人が、JR東日本の換算値(64.9万人)を上回ります。東急の値には、他社線との乗換人員と相互直通運転の通過人員が含まれます。
4位の横浜は約187万人で、JR東日本・相鉄・東急・京急・みなとみらい線の5社を足した値です(横浜市営地下鉄は含みません)。東京は約127万人、北千住は約116万人、品川は約89万人でした。大阪・梅田(JR西日本の大阪駅・阪急の大阪梅田駅・Osaka Metroの梅田駅)は約162万人ですが、阪急は2024年の通年平均、Osaka Metroは2024年11月12日の調査日の値のため、参考値として示しています。
日本の鉄道全体で見た営業キロと旅客輸送人員の推移は、日本の鉄道の歴史を年表で図解した記事にまとめています。
乗車人員と乗降人員の違い|JRの数字は2倍で比べる

数え方の違いは、1人の乗り降りが公表値に何人として入るかを並べると整理できます。乗り換えた人の扱いも、同じ図で確かめられます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
JR東日本の公表値には、乗車人員は乗車の人員のみで降車の人員を含まないと注記されています。私鉄や地下鉄の乗降人員は乗った人と降りた人の両方を数えるため、同じ規模の利用でも、乗降人員は乗車人員のおおむね2倍の数字になります。JR東日本の新宿の乗車人員66万6,809人と、京王の新宿の乗降人員67万239人は近い数字ですが、同じ物差しにそろえるとJRは約133万人になります。
駅の合計に入れるときは、会社ごとの注記にも注意が必要です。東急の値は他社線との乗換人員と直通運転の通過人員を含み、東武の乗換接続駅も他社の乗換人員を含めた数字です。東京メトロは他社と共用している駅の値を別の表にしていますが、相手の会社と同じ人を数えるため、本記事の合計には順位表の値だけを使いました。都営地下鉄の新宿は新宿線と大江戸線の値を足しており、両線の間の乗り換えも2回数えています。
国土交通省の「国土数値情報」も、駅別の乗降客数は各社が独自に算出したもので、統一的な基準に基づいたものではないと明記しています。駅の利用者数のランキングは、どの会社の、どの数え方の数字を足したかで結果が変わります。県境を越えて通勤・通学する人の数は、県外通勤通学の流れを図解した記事で都道府県別に整理しています。
JR東日本の乗車人員ランキング|1位新宿は66.7万人

JR東日本の公表値は、乗った人だけを数えた数字です。上位20駅を横棒で並べ、本記事で合計を出した駅を濃い色にしています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
JR東日本が公表する2024年度の乗車人員は、1位が新宿の66万6,809人、2位が池袋の49万9,128人、3位が東京の43万4,564人です。4位の横浜(37万3,010人)、5位の渋谷(32万4,414人)、6位の品川(28万7,939人)までが、本記事で合計を出したターミナル駅です。上位20駅のうち、乗車人員が20万人を超えるのは9位の秋葉原までの9駅です。
10位の北千住は19万8,732人ですが、東武(41万2,717人)、東京メトロ千代田線(24万1,001人)、つくばエクスプレス(乗車人員5万3,202人の2倍)を合わせると約116万人になります。JR東日本の乗車人員の順位と、各社を合わせた駅の合計の順位は一致しません。20位は吉祥寺の12万8,246人でした。同じJRでも利用者の少ないローカル線の側から見る資料として、JR各社の線区別収支を全国マップで整理した記事もあります。
鉄道会社ごとの1位の駅|京王の新宿は67万人

各社が公表している駅別の値から、それぞれの会社で最も多い駅を表に並べました。数え方の欄で、乗車人員か乗降人員かを確かめながら見てください。
鉄道会社ごとの「1位の駅」(2024年度・1日平均)
単位:人。「乗車」は乗った人だけを数える乗車人員、「乗降」は乗った人と降りた人を数える乗降人員。阪急は2024年の通年平均、JR東海は千人単位の公表値、都営地下鉄は乗車人員と降車人員の合計。※東急は他社線との乗換人員と直通運転の通過人員を含む。
| 事業者 | 1位の駅 | 1日平均 | 数え方 |
|---|---|---|---|
| JR東日本 | 新宿 | 666,809 | 乗車 |
| JR西日本 | 大阪 | 375,503 | 乗車 |
| JR東海 | 名古屋 | 約208,000 | 乗車 |
| 京王 | 新宿 | 670,239 | 乗降 |
| 東急 | 渋谷(田園都市線) | 604,246 | 乗降※ |
| 東京メトロ | 池袋 | 518,135 | 乗降 |
| 阪急 | 大阪梅田 | 451,568 | 乗降(暦年) |
| 小田急 | 新宿 | 450,952 | 乗降 |
| 西武 | 池袋 | 428,121 | 乗降 |
| 東武 | 池袋 | 419,499 | 乗降 |
| 相鉄 | 横浜 | 314,229 | 乗降 |
| 京急 | 横浜 | 297,707 | 乗降 |
| 都営地下鉄 | 新宿(新宿線) | 289,400 | 乗降 |
| 京成 | 押上 | 222,826 | 乗降 |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
自社の駅の中で最も多い駅は、JR東日本・京王・小田急が新宿、東京メトロ・西武・東武が池袋、東急が渋谷、相鉄と京急が横浜でした。京王の新宿(67万239人)は乗降人員、JR東日本の新宿(66万6,809人)は乗車人員で、数字は近くても数え方が違います。
関西では、JR西日本の1位が大阪(乗車人員37万5,503人)、阪急の1位が大阪梅田(2024年の通年平均45万1,568人)です。JR東海の1位は名古屋で、乗車人員は約20万8,000人(千人単位の公表値)でした。名古屋駅は名古屋鉄道などの2024年度の駅別の値をそろえられなかったため、本記事では駅の合計を出していません。
世界の駅と比べると|パリ北駅の約4.4倍

海外の駅の数字は、運営者ごとに数えている範囲が違います。年間の値をそのまま並べ、棒の下に何を数えた数字かを添えました。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
ギネス世界記録は、新宿駅を世界で最も利用者の多い駅として認定しています。認定値は2022年の1日平均2,704,703人(約270万人)で、JR東日本・京王・小田急・都営地下鉄・東京メトロの5社分です。同じ5社の2024年度の値を足すと約307万人になりますが、年と算定方法がギネスの認定値とは違うため、2つの数字は並べて示すだけにとどめます。
海外の代表駅の公表値と比べると、フランス国鉄(SNCF)のパリ北駅は2024年に年間2億5,702万人、英国本土で最も利用の多いロンドンのリバプール・ストリート駅は2024年4月〜2025年3月に年間9,800万人でした。新宿の5社合計を年間に直すと約11.2億人で、パリ北駅の約4.4倍にあたります。ニューヨークのペン駅はアムトラックの乗降だけで年間1,304万人のため、比率は出していません。
ギネス世界記録は、新宿に次ぐ駅としてパリ北駅(1日約60万人)を挙げています。SNCFの2024年の年間値を365で割ると1日約70万人で、年や数え方が違うため、ギネスの記載とは一致しません。
コロナ前と比べると|新宿は2019年度の86%

同じ駅の数字を年度ごとにつなぐと、2020年度に大きく減り、その後少しずつ増えてきた形が見えます。右端の割合は、2019年度を100とした2024年度の水準です。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
JR東日本の新宿の乗車人員は、2019年度の77万5,386人から2020年度に47万7,073人まで減り、2024年度は66万6,809人でした。2024年度の水準は2019年度の86.0%で、主要7駅はいずれも2019年度の値を下回っています。
2019年度と比べた2024年度の水準は、東京が93.9%で最も高く、品川が76.3%で最も低くなっています。北千住は89.7%、池袋は89.3%、横浜は88.9%、渋谷は88.6%でした。2020年4月7日には東京都など7都府県に新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が出され、4月16日に対象が全都道府県へ広がりました。
楓のまとめ|数字で整理する駅の乗降客数

ここまでの図を、数え方の違いに気をつけながら3つの観察事実にまとめます。
駅の利用者数は、会社ごとに公表している数字の種類が違い、そのまま並べても比べられません。本記事では2024年度の各社の公表値をそろえ、JRの乗車人員を2倍して駅ごとに足しました。
3つの観察事実を重ねると、「乗降客数が多い駅はどこか」という問いの答えは、どの会社の、どの数え方の数字を足すかによって変わります。本記事の数字は、各社が公表した値を同じ年度でそろえて足した編集部試算として読んでください。
よくある質問(FAQ)

駅の乗降客数を調べるときに迷いやすい点を、5つにまとめました。数え方の違いと、年度のそろえ方についてです。
Q1. 乗降客数が日本一の駅はどこですか?
新宿駅です。2024年度の各社の公表値をもとに、JR東日本・京王・小田急・東京メトロ・都営地下鉄の5社分を合わせると1日平均約307万人になります(JRは乗車人員を2倍した編集部試算)。JR東日本の乗車人員だけで見ても、新宿は66万6,809人で1位です。
Q2. 乗降客数が世界一の駅はどこですか?
ギネス世界記録は、新宿駅を世界で最も利用者の多い駅(Busiest railway station)として認定しています。認定値は2022年の1日平均2,704,703人で、5社分の合計です。各国の運営者が同じ定義で駅別の数を公表しているわけではないため、本記事では世界の順位表は作らず、パリ・ロンドン・ニューヨークの代表駅の公表値と並べています。
Q3. 「乗車人員」と「乗降人員」はどう違いますか?
乗車人員はその駅で乗った人だけ、乗降人員は乗った人と降りた人の両方を数えた数字です。JR東日本・JR西日本・JR東海は乗車人員を、私鉄・東京メトロ・都営地下鉄は乗降人員を公表しています。乗車人員を2倍すると、乗降人員とおおむね同じ物差しで並べられます。
Q4. 東京駅の乗降客数は何人ですか?
JR東日本(乗車人員43万4,564人の2倍)、JR東海の新幹線(乗車人員約10万人の2倍)、東京メトロ丸ノ内線(19万9,232人)を合わせると、2024年度は1日平均約127万人です。本記事で合計を出した8駅の中では、大阪・梅田の参考値を含めて6番目です。JR東日本の乗車人員では3位です。
Q5. 2025年度の数字は使っていないのですか?
JR東日本の2025年度の各駅の乗車人員は、2026年10月時点で公表されていないため、全社の値を2024年度にそろえました。私鉄の多くは2025年度の値を公表しており、たとえば京王の新宿は68万4,055人です。
🔍 この記事のファクトチェックについて

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。






