
餃子にいちばんお金を使う街はどこか、という問いは、1年分の順位より26年分の推移で見ると答えの形が変わります。3つの市の線と、毎年の1位を並べて確かめていきます。
餃子にいちばんお金を使う街はどこでしょうか。総務省の家計調査で2025年の「ぎょうざ」の1世帯当たり年間支出を見ると、1位は浜松市の4,046円で、宇都宮市3,575円、宮崎市3,418円が続きます。ただし、首位は年ごとに入れ替わっており、浜松市が集計に加わった2008年からの18年では、浜松市10回、宇都宮市6回、宮崎市2回です。
浜松市の4,046円は全国平均1,985円の約2.0倍で、1か月あたりにすると1世帯で約337円、全国平均は約165円です。ここでいう「ぎょうざ」は調理済みで買った餃子への支出で、冷凍の餃子と、店で食べた餃子は含みません。
本記事では、e-Statで公開されている家計調査の2000〜2025年の値と、総務省の3年平均のランキング(2023〜2025年)を使います。3市の26年の推移、1位と2位の差、見る期間による並びの違い、2025年の52市ランキングの4つの図解で整理します。
餃子にいちばんお金を使う街はどこか。
2025年は浜松市が1位。
ただし首位は年ごとに入れ替わり、18年の平均では宇都宮市との差は約16円。
差4回(宮崎市は2回)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
26年の推移|首位は宇都宮市から3市の入れ替わりへ

2000年からの26年を、3つの市の線と、その年の1位の帯で並べました。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
家計調査で市ごとの値がそろう2000年から2010年まで、ぎょうざの年間支出の1位は11年続けて宇都宮市でした。この間の宇都宮市の値は3,467円(2000年)から6,133円(2010年)の範囲にあり、2000〜2007年の2位の市との差は269円から2,531円です。この8年の集計対象は49市で、浜松市は含まれていません。
浜松市は2008年から集計対象に加わり、2008〜2010年は2位、2011年に初めて1位になりました。2011〜2020年の10年は、1位と2位をいつも浜松市と宇都宮市が占めています。2021年と2022年は宮崎市が1位で、2023年からは浜松市が3年続けて1位になっています。
全国平均は2000年の2,474円から2025年の1,985円へ、19.8%低くなりました。3市の値は、集計のあるすべての年で全国平均を上回っています。同じ家計調査では、かきやラーメンなど県民食ごとの支出が多い都市と全国平均との差を、品目別に並べた記事もあります。
1位と2位の差は50円の年も|1市96世帯の調査で見る順位

1位と2位の差を、同じ市の1年の増減と比べています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2008〜2025年の18年で、1位と2位の差が最も小さかったのは2009年の50円(宇都宮市4,187円、浜松市4,137円)、次が2020年の71円(浜松市3,765円、宇都宮市3,694円)でした。差の中央値は507円で、最も大きかったのは2010年の1,379円です。
この差を、3市それぞれの前年からの増減と比べてみます。2009〜2025年の3市の増減51件を絶対値で並べると、中央値は398円でした。18年のうち7年は、1位と2位の差がこの398円より小さくなっています。最も大きな増減は2011年の宇都宮市で、前年の6,133円から3,737円へ2,396円減りました。
家計調査は全国の8,076世帯を対象にした標本調査で、3市はいずれも96世帯が調査に回答しています。二人以上の世帯は6か月間調査した後、別の世帯と交替します。品目ごとの誤差は全国の値しか公表されておらず、ぎょうざの全国の標準誤差率は1.0%(2023年)です。
市ごとの誤差は公表されていないため、差が小さい年の順位が統計的に確かかどうかは、公表資料からは判断できません。差が数十円の年の順位は、調査世帯の入れ替わりでも動きうる大きさとして読むのが自然です。
単年・3年平均・18年平均|見る期間で順位は変わる

同じ3市を、1年・3年・18年の3つの期間で並べ直しました。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2025年の単年では、浜松市4,046円、宇都宮市3,575円、宮崎市3,418円の順でした。一方、総務省が公表する品目別のランキングは、2023〜2025年の3年平均で作られています。この3年平均では浜松市4,051円、宮崎市3,478円、宇都宮市3,192円の順で、宇都宮市は単年の2位から、3年平均では3位になります。
3年平均で宮崎市が宇都宮市を上回るのは、2023年と2024年に宮崎市が2位、宇都宮市が3位だったためです。宇都宮市の2024年は2,801円で、2000年以降の宇都宮市で最も低い値でした。
期間を2008〜2025年の18年に広げて単純平均すると、浜松市4,065.8円、宇都宮市4,049.3円、宮崎市3,019.3円で、浜松市と宇都宮市の差は約16円です(18年の合計の差296円を18で割った値)。総務省の3年平均ランキングは品目ごとに公表されており、同じランキングでアイスクリームの消費額を都市別に比べた記事もあります。
52市のランキング|2025年の1位と52位の差は約3.2倍

2025年の52市を、金額の大きい順に並べています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2025年の52市を金額の大きい順に並べると、4位以下はさいたま市2,555円、大津市2,531円、鹿児島市2,500円と続きます。3位の宮崎市と4位のさいたま市の間には863円の開きがあります。52位は高知市の1,248円で、1位の浜松市とは約3.2倍の差です。
52市の中央値は1,807.5円で、全国平均の1,985円を上回る市は16市でした。お住まいの市が何位か、下の表で確認できます。表は家計調査の地方区分に合わせて6つのタブに分け、2025年の金額と順位、総務省の3年平均(2023〜2025年)での順位を並べています。
| 市 | 2025年 (円) | 2025年 順位 | 3年平均 順位 |
|---|---|---|---|
| 盛岡市 | 1,785 | 29位 | 32位 |
| 福島市 | 1,724 | 37位 | 24位 |
| 仙台市 | 1,702 | 39位 | 25位 |
| 札幌市 | 1,600 | 41位 | 43位 |
| 青森市 | 1,575 | 43位 | 40位 |
| 山形市 | 1,500 | 49位 | 51位 |
| 秋田市 | 1,387 | 51位 | 50位 |
| 市 | 2025年 (円) | 2025年 順位 | 3年平均 順位 |
|---|---|---|---|
| 宇都宮市 | 3,575 | 2位 | 3位 |
| さいたま市 | 2,555 | 4位 | 5位 |
| 千葉市 | 2,397 | 7位 | 11位 |
| 川崎市 | 2,179 | 10位 | 31位 |
| 前橋市 | 2,130 | 11位 | 12位 |
| 甲府市 | 2,072 | 14位 | 17位 |
| 東京都区部 | 1,972 | 17位 | 10位 |
| 水戸市 | 1,963 | 18位 | 36位 |
| 長野市 | 1,949 | 19位 | 29位 |
| 横浜市 | 1,633 | 40位 | 34位 |
| 相模原市 | 1,594 | 42位 | 23位 |
| 市 | 2025年 (円) | 2025年 順位 | 3年平均 順位 |
|---|---|---|---|
| 浜松市 | 4,046 | 1位 | 1位 |
| 静岡市 | 2,093 | 12位 | 16位 |
| 名古屋市 | 2,025 | 16位 | 9位 |
| 福井市 | 1,940 | 21位 | 15位 |
| 岐阜市 | 1,892 | 22位 | 20位 |
| 新潟市 | 1,776 | 31位 | 38位 |
| 津市 | 1,564 | 44位 | 37位 |
| 富山市 | 1,553 | 46位 | 33位 |
| 金沢市 | 1,491 | 50位 | 41位 |
| 市 | 2025年 (円) | 2025年 順位 | 3年平均 順位 |
|---|---|---|---|
| 大津市 | 2,531 | 5位 | 4位 |
| 大阪市 | 2,377 | 8位 | 7位 |
| 京都市 | 2,311 | 9位 | 6位 |
| 堺市 | 2,084 | 13位 | 19位 |
| 和歌山市 | 1,861 | 23位 | 21位 |
| 奈良市 | 1,805 | 27位 | 13位 |
| 神戸市 | 1,771 | 32位 | 18位 |
| 市 | 2025年 (円) | 2025年 順位 | 3年平均 順位 |
|---|---|---|---|
| 岡山市 | 1,944 | 20位 | 22位 |
| 山口市 | 1,856 | 24位 | 42位 |
| 松江市 | 1,810 | 26位 | 28位 |
| 徳島市 | 1,782 | 30位 | 48位 |
| 広島市 | 1,728 | 36位 | 35位 |
| 高松市 | 1,715 | 38位 | 39位 |
| 松山市 | 1,554 | 45位 | 44位 |
| 鳥取市 | 1,536 | 47位 | 49位 |
| 高知市 | 1,248 | 52位 | 52位 |
| 市 | 2025年 (円) | 2025年 順位 | 3年平均 順位 |
|---|---|---|---|
| 宮崎市 | 3,418 | 3位 | 2位 |
| 鹿児島市 | 2,500 | 6位 | 8位 |
| 熊本市 | 2,071 | 15位 | 26位 |
| 福岡市 | 1,823 | 25位 | 14位 |
| 北九州市 | 1,787 | 28位 | 46位 |
| 大分市 | 1,744 | 33位 | 45位 |
| 那覇市 | 1,742 | 34位 | 27位 |
| 長崎市 | 1,730 | 35位 | 30位 |
| 佐賀市 | 1,517 | 48位 | 47位 |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
この比較の読み方|「ぎょうざ」に入るもの、入らないもの

数字に何が入っているかを確かめると、読み違いを防げます。
家計調査の品目「ぎょうざ」は、調理食品として買った餃子への支出で、総務省の収支項目分類では生のものも含むとされています。一方、冷凍の餃子は「冷凍調理食品」、店で食べた餃子は外食の「中華食」に分類されます。本記事の金額には、冷凍の餃子と外食の餃子は含まれていません。
金額は二人以上の世帯の1世帯当たりで、単身世帯は含みません。また、値は県全体ではなく市の値です。栃木県、静岡県、宮崎県の値ではなく、宇都宮市、浜松市、宮崎市で調査した世帯の値として読む必要があります。
集計の対象となる市は、2000〜2007年が49市で、2008年に浜松市と堺市が加わって51市、2013年に相模原市が加わって52市になりました。本記事の順位は、その年に集計対象だった市の中での順位です。金額は各年の名目値で、物価の変化は調整していません。
楓のまとめ|首位は入れ替わり、期間で2位と3位も変わる

4つの図解を並べると、「餃子にいちばんお金を使う街」の答えは、見る年と期間で変わります。3つの観察事実に整理します。
「餃子にいちばんお金を使う街はどこか」という問いに対して、本記事の図解は、2025年の1位が浜松市である一方、首位は年ごとに入れ替わり、1位と2位の差が小さい年も多いことを示してきました。単年・3年平均・長期の平均の違いを、観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねると、2025年の1位は浜松市でも、どの期間で比べるかによって2位と3位の並びや差の大きさが変わることが分かります。家計調査の値は毎年公表されるため、順位は年ごとに見直されます。
よくある質問(FAQ)

ぎょうざの順位を読むときは、単年か複数年の平均か、品目に何が入っているかの2点を確認してください。
Q1. 冷凍餃子や外食の餃子は入っていますか?
入っていません。総務省の収支項目分類では、冷凍の餃子は「冷凍調理食品」、店で食べた餃子は外食の「中華食」に分類されます。家計調査の「ぎょうざ」は調理食品として買った餃子への支出で、生のものも含みます。そのため、冷凍餃子を多く買う世帯や外食の多い世帯の支出は、この金額には表れません。
Q2. 宇都宮市は何年続けて1位だったのですか?
e-Statで市ごとの値が公表されている2000年から2010年まで、11年続けて1位でした。浜松市が集計に加わった2008年以降では、宇都宮市の1位は6回です。2025年の宇都宮市は3,575円で2位、総務省の3年平均(2023〜2025年)では3,192円で3位でした。
Q3. 自分の街は何位ですか?
家計調査で市ごとの値が公表されているのは、都道府県庁所在市と政令指定都市の52市です。2025年の順位と3年平均の順位は、「52市のランキング」の節にある表で、地方ごとに確認できます。2025年の52位は高知市の1,248円で、52市の中央値は1,807.5円でした。
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