
年賀はがきの枚数は、1年分だけを見るより、25年分を棒グラフで並べると減り方の形が見えてきます。いちばん高い棒と今の棒を、同じ物差しで比べてみます。
年賀状の発行枚数は、どこまで減ったのでしょうか。日本郵便によると、2027年用の年賀はがきの当初発行枚数は5億5,593万枚です(日本郵便の公表は約5.6億枚)。最も多かった2004年用の44億4,780万枚と比べると、2027年用はピークのちょうど8分の1の水準になりました。2012年用からは16年続けて前年用を下回っています。
本記事の「発行枚数」は、日本郵便が発売前に公表する年賀はがき(お年玉付郵便はがき)の当初発行枚数を指します。「〜年用」は、その年の元日に届けるはがきという意味で、前の年の11月に売り出されます。2027年用の販売は2026年11月2日に始まります。
日本の人口で割ると、2004年用は1人あたり約35枚、2027年用は約4.5枚です(編集部の試算)。本記事では、当初発行枚数の25年分の推移、前年用との比較、元日に届いた年賀郵便物の数、発売後の追加発行、はがき料金の移り変わりを、日本郵便などの一次資料で整理します。
年賀状(年賀はがき)の発行枚数は、どこまで減った?
2004年用をピークに減少し、2027年用はピークの8分の1になりました。
初発行 2004年用
ピーク 2021年用
半分以下 2027年用
8分の1
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
発行枚数の推移|2004年用の44億4,780万枚がピーク

25年分を同じ物差しで並べるには、縦棒の推移グラフが向いています。いちばん高い棒と、右端の棒の高さの差に注目してください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
年賀はがきの当初発行枚数は、2003年用の38億6,500万枚から、2004年用には44億4,780万枚へ増えました。2004年用は2003年11月10日に発行され、売れ行きに応じた追加発行を含む総発行枚数は44億5,936万枚です。2004年用は、お年玉付年賀はがきの発行枚数が最も多かった年用として報道でも扱われています。
その後は2008年用・2009年用・2011年用に前年用を上回った年がありますが、全体としては減っています。ピークの半分を初めて下回ったのは2021年用の19億4,198万枚で、2025年用は10億7,000万枚、2026年用は7億4,841万枚でした。2027年用の5億5,593万枚は、図のピークの1/8の参照線とほぼ同じ高さです。
図の2本の破線は、はがき料金が変わった年用の目印です。年賀はがきは2019年用から62円、2025年用から85円で販売されています。
なお、「2003年がピーク」と書かれた記事は、はがきを発行した年(2003年)で数えています。本記事は「何年の元日に向けたはがきか」で数える「〜年用」で統一しています。また「44.6億枚」は追加発行を含む総発行枚数44億5,936万枚を丸めた数字で、発売前の当初発行枚数44億4,780万枚とは別の値です。
減り方の変化|2012年用から16年連続、2026年用は3割減

前年用と比べた増減の幅は、ゼロを基準にした棒で並べると、年用ごとの減り方の大きさの違いがはっきりします。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
前年用の当初発行枚数と比べると、増えたのは2004年用(15.1%増)、2008年用(3.3%増)、2009年用(0.9%増)、2011年用(0.3%増)の4回です。2012年用からは毎年前年用を下回り、2027年用まで16年続けて前年用より少なくなっています。
減り方の幅は年用によって異なります。2010年代は前年用比で数%の減少が多く、2021年用は17.4%減でした。2025年用は25.7%減、2026年用は30.1%減と、減少幅の大きい年用が続きました。2026年用の30.1%減は、2004年用以降で最も大きい減少幅です。2027年用は25.7%減で、日本郵便は前年比約74.3%と公表しています。
元日に届いた年賀郵便物|2009年の20億通から3億6,300万通へ

元日に届いた年賀郵便物の数は、発行枚数とは別の物差しです。毎年1月1日の数を折れ線でつなぐと、届いた側の動きが見えてきます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
日本郵便は毎年1月1日に、元日に配達した年賀郵便物の数を速報値で公表しています。2008年以降で最も多かったのは2009年の20億89百万通で、2026年は3億63百万通でした。2026年の数は、2009年の17.4%にあたります。
速報値どうしで比べると、2010年から2026年まで17年続けて前年を下回っています。2025年は4億91百万通、2026年は3億63百万通で、前年比は74.0%でした。なお、速報値は翌年の発表で数百万通修正されることがあり、本記事は各年1月1日公表の速報値でそろえています。
この数は年賀はがきに限らない「年賀郵便物」全体の数で、発行枚数(枚)とは単位も年の数え方も異なります。そのため2つを割り算した比率は出していません。本記事は数の推移だけを扱い、増減の理由には踏み込みません。ほかの連絡手段の推移は、携帯電話の契約数を年表で整理した記事で見ることができます。
発売後の追加発行|当初発行枚数と総発行枚数の差

当初発行枚数は発売前に決めた枚数です。発売後に足された分を割合の棒にすると、年用ごとの違いを比べやすくなります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
日本郵便は発売前に当初発行枚数を公表し、売れ行きに応じて追加発行した分を含む総発行枚数を、翌年1月の当せん番号の発表などで公表しています。2026年用は当初の7億4,841万枚に対し、総発行枚数は7億8,504.7万枚で、当初より4.9%多い枚数でした。
当初発行枚数に対する追加の割合は、確認できた年用の中では2018年用の14.7%が最も大きく、2017年用が10.1%、2021年用が9.9%でした。2024年用は当初の14億4,000万枚に対して総発行枚数が14億4,000万1,100枚で、追加はほぼありませんでした。
2007年用と2010〜2012年用は、公表資料から当初の枚数か最終の枚数かを判別できないため、図に載せていません。2016年用の総発行枚数は一次資料で確認できなかったため、空欄にしています。
はがき1枚の料金|2円から85円まで

はがき1枚の値段は、改定のたびに数字が変わります。年月と金額を表にすると、年賀はがきの料金がいつ変わったかを追えます。
| 改定日・年用 | 料金 | 内容 |
|---|---|---|
| 1949年12月1日 | 2円 | 1950年用のお年玉付年賀はがきを初めて発行 |
| 1981年1月20日 | 30円 | 通常のはがきの料金改定 |
| 1981年4月1日 | 40円 | 通常のはがきの料金改定 |
| 1989年4月1日 | 41円 | 通常のはがきの料金改定 |
| 1994年1月24日 | 50円 | 通常のはがきの料金改定 |
| 2014年4月1日 | 52円 | 通常のはがきの料金改定 |
| 2017年6月1日 | 62円 | 年賀はがきは52円に据え置き |
| 2019年用 | 62円 | 年賀はがきを62円で販売 |
| 2019年10月1日 | 63円 | 通常のはがきの料金改定 |
| 2024年10月1日 | 85円 | 2025年用から年賀はがきも85円 |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
お年玉付年賀はがきは、1949年12月1日に1950年用として発行されたのが始まりです。このときは2円の通常のはがき3,000万枚と、寄付金1円を付けたはがき1億5,000万枚が発行され、合わせて1億8,000万枚でした。
通常のはがきの料金は、1981年1月に30円、4月に40円となり、1994年1月に50円、2014年4月に52円になりました。2017年6月1日に通常のはがきは62円になりましたが、年賀はがきは52円に据え置かれ、年賀はがきが62円で販売されたのは2019年用からです。その後、2019年10月1日に63円、2024年10月1日に85円となり、2025年用からは85円で販売されています。
楓のまとめ|数字で整理する年賀はがきの発行枚数

ここまでの図を、発行枚数・元日の配達数・料金の数字で整理します。どれも日本郵便などが公表した数を並べたものです。
本記事で並べた数字は、年賀はがきを売る側の発行枚数と、元日に届いた年賀郵便物の数という2つの物差しです。単位も数え方も違うため、それぞれの推移を別々の観察事実として整理します。
当初発行枚数は、2004年用の44億4,780万枚から2027年用の5億5,593万枚まで、8分の1になりました。元日に届いた年賀郵便物の数も、2010年から前年を下回る年が続いています。2027年用は2026年11月2日から2027年1月15日まで販売され、元日に届けるための差し出しの目安は2026年12月27日です。
よくある質問(FAQ)

年賀はがきの数字を読むときは、「年用」か「暦年」か、「当初」か「総発行」か、「枚」か「通」かの3点を確かめてください。同じ年号でも、指している数が違うことがあります。
Q1. 年賀はがきの発行枚数が一番多かったのはいつですか?
2004年用(2003年11月発行)です。発売前の当初発行枚数は44億4,780万枚、追加発行を含む総発行枚数は44億5,936万枚でした。「2003年がピーク」という記述は、はがきを発行した年で数えたものです。
Q2. 2027年用の年賀はがきは何枚発行されますか?
当初発行枚数は5億5,593万枚で、日本郵便は約5.6億枚と公表しています。2026年用の当初発行枚数7億4,841万枚と比べると約74.3%です。販売期間は2026年11月2日から2027年1月15日までです。
Q3. 「当初発行枚数」と「総発行枚数」は何が違いますか?
当初発行枚数は発売前に公表される枚数で、総発行枚数は売れ行きに応じて追加発行した分を含む枚数です。2026年用は当初発行枚数が7億4,841万枚、総発行枚数が7億8,504.7万枚でした。
Q4. 元日に届く年賀状は何通ですか?
2026年の元日に配達された年賀郵便物は3億63百万通でした(2026年1月1日公表の速報値)。年賀はがきに限らない年賀郵便物全体の数で、2009年の20億89百万通と比べると17.4%にあたります。
Q5. お年玉付年賀はがきはいつから発行されていますか?
1949年12月1日に、1950年用として発行されたのが始まりです。2円の通常のはがき3,000万枚と、寄付金1円を付けたはがき1億5,000万枚の、合わせて1億8,000万枚でした。
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