
「PHPで動くサイトのうち、サポートが終わった版はどれだけあるのか」という問いには、版ごとのシェアとPHP公式のサポート期限を1本の帯に並べて見るのが近道です。帯の左側に、終了した版がどれだけの幅を占めているかが見えてきます。
PHPで動くWebサイトのうち、開発元のサポートが終わった版で動いているのは約48%(48.4%)です。W3Techsが公表する2026年10月22日時点のバージョン別シェアを、PHP公式のサポート期限に当てはめて編集部が試算しました。サーバー側の言語が判明しているサイト全体で見ると、約3サイトに1つ(33.5%)にあたります。PHPで動くサイトの約半数が、PHP公式の更新を受けない版で動いているのが、2026年10月時点の構成です。
2026年10月21日、PHP公式は重大な脆弱性2件を修正するセキュリティリリースを公開し、IPA(情報処理推進機構)は事前の準備を呼びかけました。報道はPHPについて「世界のWebサイトの約7割で利用」と伝え、IPAはサポートが終了した古いPHPを使い続けるサイトも見受けられると指摘しています。本記事は、この「7割」と「古いPHP」の2点を、W3Techs・PHP公式・国内の上場企業サイト調査の一次データで量として整理します。
PHPで動くWebサイトのうち、サポートが終わった版で動いているのは何割?
約半数。PHPサイトの48.4%がサポート終了版でした。
出典:W3Techs「Usage statistics of PHP」(2026年10月22日)、PHP公式「Supported Versions」「Unsupported Branches」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
Webサイトの約7割がPHPで動いている|サーバー側言語のシェア

言語ごとのシェアは、横棒で並べると1位と2位以下の差が一目で分かります。1本だけ飛び抜けて長い棒が、PHPの位置です。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
W3Techsの集計(2026年10月)では、サーバー側のプログラミング言語を判別できたWebサイトのうち、PHPを使うサイトは69.3%でした。2位のJavaScriptは8.1%、3位のRubyは7.1%、4位のJavaは5.4%で、PHPは2位の8倍を超える水準です。サーバー側の言語が分かるWebサイトの約7割がPHPで動き、2位以下を大きく引き離しています。
ただし、この69.3%は「すべてのWebサイト」に対する割合ではありません。W3Techsは、サーバー側の言語を外部から判別できたサイトだけを分母にしています。複数の言語を併用するサイトもあるため、言語ごとの割合を足すと100%を超えます。報道の「約7割」も、W3Techsのこの値に基づく表現です。
インターネットそのものの広がりは、地域別にまとめた世界のインターネット普及率の記事や、日本の利用率の推移をたどったパソコンとインターネットの歴史の年表で整理しています。本記事は、その上で動くWebサイトの裏側にある言語と、その版に焦点を当てます。
PHPの版ごとのサポート期限|公式の更新は2年+2年で終わる

版ごとのサポート終了日は、年の軸に点を打つと、どの版が集計時点の線より左にあるかが分かります。点の大きさで、いまも使われている割合を重ねました。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
PHPは、版(ブランチ)ごとにサポートの期限が決まっています。PHP公式によると、各版は公開から2年間のアクティブサポートのあと、重大なセキュリティ問題に限って修正する期間が2年間続きます。2026年10月22日時点でサポート中なのは8.2・8.3・8.4・8.5の4つで、8.1以前はすべてサポート終了(Unsupported Branches)の一覧に載っています。
本記事では、PHP公式のサポート表に載る8.2〜8.5を「サポート中」、終了一覧に載る8.1以前を「サポート終了」と定義します。図の点を見ると、7.4の終了日は2022年11月28日、8.1は2025年12月31日です。終了から約4年が過ぎた7.4が、いまもPHPサイトの19.7%を占めています。
一方、8.2のセキュリティサポートはPHP公式の表で2026年12月31日までとされ、図では集計時点の線のすぐ右に位置しています。本記事の時点(2026年10月)では、8.2をサポート中に数えています。なお、8.6はW3Techsの表で0.1%未満で、PHP公式のサポート表にもまだ載っていないため、集計から外しました。
PHPで動くサイトの約半数がサポート終了版|版別シェアから試算

版ごとの割合は、100%の帯に古い順で並べると、サポート終了とサポート中の境目がそのまま見えます。左側の赤い部分の幅が、終了した版の大きさです。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
W3Techsは、PHPのメジャー版(PHP 8・7・5・4)ごとのシェアと、PHP 8とPHP 7の中の細かな版の内訳を、別々のページで公表しています。PHPで動くサイトに対する各版の割合は、この2つを掛け合わせて求められます。たとえば8.3は、PHP 8の65.3%に、PHP 8の中での8.3の割合34.8%を掛けて22.7%です。
この計算で版ごとの割合を出し、サポート終了の版を合計すると、8.0と8.1で13.7%、PHP 7以前で34.7%、合わせて48.4%になりました。サポート中の8.2〜8.5は51.6%です。PHPで動くサイトのほぼ2つに1つが、サポート終了版で動いている計算です。
終了した版のなかで最も大きいのは7.4の19.7%で、8.1の9.9%、PHP 5(5.x)の7.7%が続きます。サポート中の版では8.3が22.7%で最も多く、8.2が18.1%です。言語が判明しているWebサイト全体に引き直すと、69.3%に48.4%を掛けて33.5%となり、約3サイトに1つがサポート終了版のPHPで動いていることになります。
W3Techsの版別シェアは、PHPの版の情報を外部に出しているサイトから集計した値で、版を出していないサイトは含まれません。また、PHP公式は、一部のディストリビューションや長期サポートの提供者が、終了した版にも修正を移植して提供している場合があると説明しています。終了版で動くサイトのすべてが修正を受けていない、とは限りません。
日本の上場企業サイトでは、確認できたPHPの7割がサポート終了版

国内の状況は、分母のサイト数と終了版の件数を同じ物差しの横棒で並べると、割合の大きさがつかめます。分母が「PHPの版を確認できたサイト」である点に注目してください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
国内のデータとして、GMOプライム・ストラテジーが2026年6月に発表した「日本上場企業Webサイト技術調査 第1回」があります。東証上場企業3,941社の公式・グループ・関連サイトのうち、正常に応答した24,995サイトを、2026年4月に外部から調べたものです。
このうち、PHPのバージョンを外部から確認できたのは2,654サイトで、その70.1%にあたる1,860件がサポート終了のバージョンでした。PHP 5.x以前のバージョンも447件確認されています。PHPの版を確認できた上場企業サイトの約7割が、サポート終了のバージョンで動いていました。
ただし、70.1%の分母は調査したサイト全体ではなく、PHPの版を外部から確認できた2,654サイトです。調査の方法もW3Techsとは異なるため、本記事の48.4%と同じ物差しの数値ではありません。発表資料には、サポート終了をどの基準で判定したかの説明はありません。
2026年10月のPHPセキュリティリリース|公式発表とIPAの呼びかけ

今回の経緯は日付の順に並べると、予告から修正版の公開までが1日だったことが分かります。技術的な仕組みには触れず、公式の発表だけを並べます。
PHP公式は今回の2件を重大な脆弱性と位置づけ、修正版への更新だけが完全な対処になると説明しています。IPAも、PHPを使っているプログラムを棚卸しし、修正版を速やかに適用できるよう準備することを呼びかけました。IPAは同じページで、サポートが終了した古いPHPを使い続けるWebサイトやサービスも見受けられると指摘しています。
PHP公式は、8.1以前の版はPHPプロジェクトからの更新を受けないと明記しています。今回は脆弱性の重大さを踏まえて7.4・8.0・8.1向けに最小限のソース修正も示しましたが、正式な修正版として公開されたのは8.2〜8.5の4つです。本記事の試算でPHPサイトの48.4%を占めるサポート終了版は、今回の正式な修正版の対象外です。具体的な対応は、PHP公式とIPAの案内で確認できます。
楓のまとめ|PHPで動くサイトの約半数がサポート終了版という構成

ここまでの4つの図を並べると、「7割」と「古いPHP」がそれぞれ量として見えてきます。3つの観察事実に整理してみます。
「PHPで動くサイトの何割がサポート切れか」という問いに対して、本記事は世界の観測値、PHP公式のサポート期限、国内の調査を順に重ねてきました。数値の大小に評価をつけるのではなく、図から見えた構成を観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねると、PHPはWebの多くを支える言語である一方、PHPで動くサイトの約半数がPHP公式の更新を受けない版で動いている構成が浮かびます。利用の広さと、終了した版が使われ続けていることが重なっているのが、2026年10月時点の数字から見える姿です。W3Techsの値は日々更新されるため、同じ計算を後日行えば、版の構成の変化も確かめられます。
よくある質問(FAQ)

PHPの数字を読むときは、「何に対する割合か」を確かめるのが近道です。全サイトなのか、言語が分かるサイトなのか、版が分かるサイトなのかで、同じ割合でも意味が変わります。
Q1. PHPとは何ですか?
Webサーバーの側で動き、閲覧者のアクセスに応じてページの内容を組み立てるためのプログラミング言語です。W3Techsの集計(2026年10月)では、サーバー側の言語を判別できたWebサイトの69.3%がPHPを使っており、2位のJavaScript(8.1%)を大きく上回っています。
Q2. 自分のサイトのPHPのバージョンはどこで分かりますか?
契約しているサーバー会社の管理画面やサポート情報で確認できます。サイトの制作や運用を外部に任せている場合は、担当の事業者に確認する方法もあります。各版のサポート期限は、PHP公式の「Supported Versions」のページで公表されています。
Q3. 「サポート終了」とはどういう意味ですか?
PHP公式が、その版に修正版を出すのを終えた状態を指します。PHP公式によると、各版は公開後2年間のアクティブサポートのあと、重大なセキュリティ問題に限る2年間のサポートが続き、その後は終了一覧に移ります。2026年10月時点では8.2〜8.5がサポート中で、8.1以前は終了しています。8.2の終了日は2026年12月31日です。
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