
アメリカの選挙は、下院の435、上院の100、選挙人の538という3つの数を1枚の図でつなぐと全体が見えます。どの年に何を選ぶかは、年を横に並べた格子で確かめられます。
アメリカの連邦の選挙は、2年ごとに下院の全435議席と上院100議席の約3分の1を選び、4年ごとに大統領を選ぶ仕組みです。大統領は、州ごとに割り当てられた538人の選挙人を通じて選ばれ、当選には過半数の270人が必要です。大統領選のない年に行われる連邦議会の選挙が、中間選挙と呼ばれています。
2026年11月3日の中間選挙では、下院の全435議席と上院の35議席が対象になります。下院の435議席を2020年国勢調査の配分人口で割ると、議員1人あたり平均で約76万人という計算です。
本記事では、米国国立公文書館、国勢調査局、上院と下院の公式サイト、連邦選挙委員会(FEC)の公表資料をもとに、議席と選挙人の数、州ごとの配分、選挙の年の並びを図と一覧で整理します。扱うのは制度の数と手続きです。
アメリカの選挙は、何を、何年ごとに、どういう数で選ぶのでしょうか。
2年ごとに下院435の全議席と上院100の約3分の1を選び、大統領は4年ごとに538人の選挙人で選びます。
- 01 下院 435 議席。人口に応じて50州に配分・2年ごとに全議席
- 02 上院 100 議席。各州2人・任期6年・2年ごとに約3分の1
- 03 選挙人 538 人。435+100+首都ワシントンの3
- 04 当選ライン 270 人。538人の過半数(大統領選)
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
下院435・上院100・選挙人538はどうつながるか

下院、上院、選挙人の3つの数は、1枚の図でつなぐと関係が読み取れます。435と100と3を足すと538になる、という足し算の図です。
箱の大きさは数に比例していません。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
連邦議会は下院と上院の2つで構成されています。下院の議席は435です。下院の公式サイトによると、この数は1911年の法律で定められ、1913年から使われています。議席は人口に応じて50州に配分され、どの州にも最低1議席が割り当てられます。任期は2年で、2年ごとに全議席を選びます。
上院は各州2人ずつの100議席です。任期は6年で、全員を一度に選ぶのではなく、2年ごとに約3分の1ずつ選びます。人口に応じて配分する下院に対し、上院は人口にかかわらずどの州も2人です。
大統領を選ぶ選挙人の数は、この2つの議席から決まります。国立公文書館の説明では、各州の選挙人は、その州の下院議席に上院の2を足した数です。50州の合計は435+100で535人になり、ここに首都ワシントン(コロンビア特別区)の3人が加わります。選挙人の総数は435+100+3で538人、当選に必要な過半数は270人です。
首都ワシントンは州ではなく、下院の435議席にも上院の100議席にも含まれません。下院には特別区などを代表する5人の代議員とプエルトリコの常駐代表1人がいますが、435議席とは別枠です。538が上下両院の議員の合計535と一致しないのは、特別区の3人分があるためです。
選挙人は州ごとに何人か|最多は54人、最少は3人

州ごとの選挙人の数は、1州を1マスにして並べると比べやすくなります。面積の広さではなく、マスの色の濃さと数字で配分を読む図です。
マスの位置はおおよその位置です。アルファベット2文字は州の略号、DCは首都ワシントンです。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
国立公文書館が公表している配分では、選挙人が最も多いのはカリフォルニア州の54人です。テキサス州の40人、フロリダ州の30人、ニューヨーク州の28人が続きます。最も少ないのは3人で、アラスカ、デラウェア、ノースダコタ、サウスダコタ、バーモント、ワイオミングの6州と首都ワシントンが該当します。
3人の6州は、いずれも下院の議席が1です。下院の1議席に上院の2を足した3人が、州に割り当てられる選挙人の下限になります。50州と首都ワシントンを合わせた51のうち、3〜4人が14、5〜9人が15、10〜19人が18、20人以上が4という分布です。
この配分は2020年の国勢調査にもとづくもので、2024年と2028年の大統領選に適用されます。国勢調査局によると、2020年の調査を受けてテキサス州が2議席、コロラド州など5州が1議席ずつ増え、カリフォルニア州など7州が1議席ずつ減りました。増えた数と減った数はどちらも7議席で、合計は435のままです。
選挙人をどの候補に割り当てるかは、各州が定めています。国立公文書館は、50州のうち48州と首都ワシントンが、州で最も多く票を得た候補にその州の選挙人をすべて割り当てる方式だと説明しています。メイン州とネブラスカ州は別の方式を採っています。
何年ごとに何を選ぶか|2024年から2030年の選挙の暦

大統領、下院、上院の3つのクラスを縦に、年を横に並べると、どの年に何を選ぶかが格子で読めます。2026年の列を太い枠で囲みました。
上院の年は、各クラスの任期の終わりから求めた定例の選挙の年です。2026年は、このほかに任期の途中で空いた2議席の選挙があります。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
連邦の選挙は偶数年の11月に行われます。下院は任期が2年のため、2024年、2026年、2028年、2030年のすべての年に全435議席を選びます。大統領は任期が4年で、この期間では2024年と2028年が大統領選の年にあたります。
上院の100議席は、クラスI、クラスII、クラスIIIの3つに分かれています。上院の公式サイトの名簿では、クラスIが33議席、クラスIIが33議席、クラスIIIが34議席です。どの州も、2人の上院議員が別々のクラスに属しています。3つのクラスが2年ずつずれて任期の終わりを迎えるため、1回の選挙で選ぶのは全体の約3分の1です。
クラスIIの任期は2027年1月3日まで、クラスIIIは2029年1月3日まで、クラスIは2031年1月3日までです。定例の選挙の年は、それぞれ2026年、2028年、2030年になります。
大統領選の年は、11月の投票のあとも手続きが続きます。国立公文書館によると、選挙人は12月の第2水曜の次の火曜に集まって投票します。その票は翌年1月6日に連邦議会の合同会議で数えられ、大統領の就任は1月20日です。
2026年11月3日の中間選挙で選ぶもの

2026年11月3日に選ぶものを、下院、上院、大統領の3枚のカードに分けました。全体のうちどれだけが対象かを、横のバーで示しています。
2026年11月3日に選ぶもの
バーは、全体の議席のうち今回の対象が占める割合です。
同じ日に、州や地方の選挙も各地で行われます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
連邦選挙委員会(FEC)は、次の連邦の一般選挙の日を2026年11月3日火曜日としています。この日に選ぶのは、下院の全435議席と、上院の35議席です。大統領選は行われず、次の大統領選は2028年11月です。
上院の35議席のうち33議席は、任期が2027年1月3日までのクラスIIの定例の選挙です。残る2議席はフロリダ州とオハイオ州の議席で、任期の途中で空いた議席を埋める選挙が同じ日に行われます。この2議席はクラスIIIに属し、任期は2029年1月3日までです。
「上院の3分の1にあたる33」と「2026年の対象の35」は、別の数え方です。FECが公表している州別の日程一覧では、上院選の印がついた州は35あります。クラスIIの33州にフロリダ州とオハイオ州を加えた数と一致します。
「中間選挙」は通称で、大統領の4年の任期の中間にあたる年に行われる選挙を指します。FECの資料では、一般選挙(General Election)と表記されています。
州別の一覧|選挙人・下院議席・上院のクラス

州ごとの数は、一覧で確かめられます。タブを切り替えると、選挙人と下院議席の表と、上院のクラスの表が入れ替わります。
ここまでの図で見た数を、50州と首都ワシントンについて一覧にしました。1つ目の表は選挙人と下院議席、2つ目の表は上院議員2人が属するクラスと、2026年の上院選の有無です。並びは州名のアルファベット順です。
下院議席は国勢調査局の表の値です。どの州も、選挙人の数から2を引くと下院の議席数と一致します。首都ワシントンは下院の議席が0、上院議員もいないため、選挙人の3人だけが表に入ります。
選挙人は2024年と2028年の大統領選に適用される配分、下院議席は2020年国勢調査にもとづく配分です。州名のアルファベット順。
| 州(略号) | 選挙人 | 下院議席 |
|---|---|---|
| アラバマ州(AL) | 9 | 7 |
| アラスカ州(AK) | 3 | 1 |
| アリゾナ州(AZ) | 11 | 9 |
| アーカンソー州(AR) | 6 | 4 |
| カリフォルニア州(CA) | 54 | 52 |
| コロラド州(CO) | 10 | 8 |
| コネチカット州(CT) | 7 | 5 |
| デラウェア州(DE) | 3 | 1 |
| 首都ワシントン(DC) | 3 | 0 |
| フロリダ州(FL) | 30 | 28 |
| ジョージア州(GA) | 16 | 14 |
| ハワイ州(HI) | 4 | 2 |
| アイダホ州(ID) | 4 | 2 |
| イリノイ州(IL) | 19 | 17 |
| インディアナ州(IN) | 11 | 9 |
| アイオワ州(IA) | 6 | 4 |
| カンザス州(KS) | 6 | 4 |
| ケンタッキー州(KY) | 8 | 6 |
| ルイジアナ州(LA) | 8 | 6 |
| メイン州(ME) | 4 | 2 |
| メリーランド州(MD) | 10 | 8 |
| マサチューセッツ州(MA) | 11 | 9 |
| ミシガン州(MI) | 15 | 13 |
| ミネソタ州(MN) | 10 | 8 |
| ミシシッピ州(MS) | 6 | 4 |
| ミズーリ州(MO) | 10 | 8 |
| モンタナ州(MT) | 4 | 2 |
| ネブラスカ州(NE) | 5 | 3 |
| ネバダ州(NV) | 6 | 4 |
| ニューハンプシャー州(NH) | 4 | 2 |
| ニュージャージー州(NJ) | 14 | 12 |
| ニューメキシコ州(NM) | 5 | 3 |
| ニューヨーク州(NY) | 28 | 26 |
| ノースカロライナ州(NC) | 16 | 14 |
| ノースダコタ州(ND) | 3 | 1 |
| オハイオ州(OH) | 17 | 15 |
| オクラホマ州(OK) | 7 | 5 |
| オレゴン州(OR) | 8 | 6 |
| ペンシルベニア州(PA) | 19 | 17 |
| ロードアイランド州(RI) | 4 | 2 |
| サウスカロライナ州(SC) | 9 | 7 |
| サウスダコタ州(SD) | 3 | 1 |
| テネシー州(TN) | 11 | 9 |
| テキサス州(TX) | 40 | 38 |
| ユタ州(UT) | 6 | 4 |
| バーモント州(VT) | 3 | 1 |
| バージニア州(VA) | 13 | 11 |
| ワシントン州(WA) | 12 | 10 |
| ウェストバージニア州(WV) | 4 | 2 |
| ウィスコンシン州(WI) | 10 | 8 |
| ワイオミング州(WY) | 3 | 1 |
| 合計 | 538 | 435 |
クラスは、その州の上院議員2人が属するクラスです。「定例」はクラスIIの選挙、「空席分」は任期の途中で空いた議席を埋める選挙を指します。
| 州(略号) | クラス | 2026年の 上院選 |
|---|---|---|
| アラバマ州(AL) | II・III | 定例 |
| アラスカ州(AK) | II・III | 定例 |
| アリゾナ州(AZ) | I・III | なし |
| アーカンソー州(AR) | II・III | 定例 |
| カリフォルニア州(CA) | I・III | なし |
| コロラド州(CO) | II・III | 定例 |
| コネチカット州(CT) | I・III | なし |
| デラウェア州(DE) | I・II | 定例 |
| フロリダ州(FL) | I・III | 空席分 |
| ジョージア州(GA) | II・III | 定例 |
| ハワイ州(HI) | I・III | なし |
| アイダホ州(ID) | II・III | 定例 |
| イリノイ州(IL) | II・III | 定例 |
| インディアナ州(IN) | I・III | なし |
| アイオワ州(IA) | II・III | 定例 |
| カンザス州(KS) | II・III | 定例 |
| ケンタッキー州(KY) | II・III | 定例 |
| ルイジアナ州(LA) | II・III | 定例 |
| メイン州(ME) | I・II | 定例 |
| メリーランド州(MD) | I・III | なし |
| マサチューセッツ州(MA) | I・II | 定例 |
| ミシガン州(MI) | I・II | 定例 |
| ミネソタ州(MN) | I・II | 定例 |
| ミシシッピ州(MS) | I・II | 定例 |
| ミズーリ州(MO) | I・III | なし |
| モンタナ州(MT) | I・II | 定例 |
| ネブラスカ州(NE) | I・II | 定例 |
| ネバダ州(NV) | I・III | なし |
| ニューハンプシャー州(NH) | II・III | 定例 |
| ニュージャージー州(NJ) | I・II | 定例 |
| ニューメキシコ州(NM) | I・II | 定例 |
| ニューヨーク州(NY) | I・III | なし |
| ノースカロライナ州(NC) | II・III | 定例 |
| ノースダコタ州(ND) | I・III | なし |
| オハイオ州(OH) | I・III | 空席分 |
| オクラホマ州(OK) | II・III | 定例 |
| オレゴン州(OR) | II・III | 定例 |
| ペンシルベニア州(PA) | I・III | なし |
| ロードアイランド州(RI) | I・II | 定例 |
| サウスカロライナ州(SC) | II・III | 定例 |
| サウスダコタ州(SD) | II・III | 定例 |
| テネシー州(TN) | I・II | 定例 |
| テキサス州(TX) | I・II | 定例 |
| ユタ州(UT) | I・III | なし |
| バーモント州(VT) | I・III | なし |
| バージニア州(VA) | I・II | 定例 |
| ワシントン州(WA) | I・III | なし |
| ウェストバージニア州(WV) | I・II | 定例 |
| ウィスコンシン州(WI) | I・III | なし |
| ワイオミング州(WY) | I・II | 定例 |
| 首都ワシントン(DC) | 上院議員なし | なし |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
アメリカと日本を並べる

日本の国会と並べると、議席の数と任期の組み合わせを見比べられます。数字だけを表に並べました。
アメリカと日本を並べる
| 区分 | アメリカ | 日本 |
|---|---|---|
| 下院/ 衆議院 | 435議席・任期2年。2年ごとに全議席を選ぶ | 465議席・任期4年。解散がある |
| 上院/ 参議院 | 100議席・任期6年。2年ごとに約3分の1を選ぶ | 248議席・任期6年。3年ごとに半数を改選 |
| 行政の長 | 大統領・任期4年。538人の選挙人を通じて選ぶ | 内閣総理大臣。国会の議決で指名 |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
衆議院の公式サイトによると、衆議院の定数は465人で任期は4年、解散があります。参議院の定数は248人で任期は6年、3年ごとに半数を改選します。アメリカの上院と日本の参議院は、どちらも任期が6年で、一度に全員を選ばない点が共通しています。
アメリカの下院は任期が2年です。合衆国憲法は下院議員を2年ごとに選ぶと定めており、任期の途中で全議席を選び直す仕組みは憲法に書かれていません。行政の長は、アメリカでは選挙人を通じて選ばれる大統領、日本では国会の議決で指名される内閣総理大臣です。
日本の衆議院と参議院の選挙の仕組みは、選挙の仕組みをわかりやすく図解|小選挙区と比例代表で議席はどう決まるかで整理しています。
楓のまとめ|数が組み上がる順に見るアメリカの選挙

ここまでの図を、数が組み上がる順にたどり直します。3つの観察に整理しました。
アメリカの選挙の仕組みは、下院の435、上院の100、選挙人の538、過半数の270という4つの数を順にたどると見通せます。本記事で並べた図と一覧を、観察として整理します。
4つの数は、国勢調査で決まる下院の配分から順に導かれます。州ごとの下院議席が決まると選挙人の数が決まり、その合計から過半数の270人が決まります。個々の州の数は、州別の一覧で確かめられます。
よくある質問(FAQ)

アメリカの選挙の数を読むときに迷いやすい点を、4つにまとめました。中間選挙で選ぶもの、過半数に届かない場合、得票と選挙人の関係、予備選挙についてです。
Q1. 中間選挙では何を選びますか?
連邦議会の議員を選びます。下院は全435議席、上院は約3分の1が対象で、2026年11月3日の選挙では上院の35議席が対象です。大統領は選びません。同じ日に、州や地方の選挙も各地で行われます。
Q2. どの候補も選挙人270人に届かなかった場合はどうなりますか?
国立公文書館の説明では、下院が、選挙人の票が多かった上位3人の中から大統領を選びます。このときは議員1人1票ではなく、各州の代表団が1票ずつを持ち、当選には州の過半数にあたる26票が必要です。
Q3. 全国の得票の合計が少ない候補が当選することはありますか?
あります。当選は選挙人の数で決まるためです。国立公文書館のよくある質問のページは、全国の得票の合計が相手より少なかった候補が選挙人の過半数を得た例として、2000年と2016年の大統領選を挙げています。
Q4. 予備選挙とは何ですか?
政党が候補者を決める手続きで、本記事の対象外です。本記事は、連邦議会の議席と選挙人の数、選挙の年の並びを扱っています。
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