記事内に広告があります。

個人向け国債の金利はどこまで上がったか|変動10年・固定5年の推移を図解【2026年】

個人向け国債の金利はどこまで上がったか|変動10年・固定5年の推移を図解
スポンサーリンク
楓

個人向け国債の金利は、募集のたびに1つの数字として発表されます。その数字を23年分つなげて1本の線にすると、いまの水準がどのあたりにあるのかが一目でわかります。3つのタイプを並べた図も用意しました。

2026年9月募集分の個人向け国債の適用利率は、変動10年が年1.95%、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%でした。財務省が2026年9月2日に公表した発行条件によるものです。変動10年の年1.95%は、2003年3月の発行開始から198回の募集のなかで最も高い水準にあたります。制度上の下限である年0.05%と比べると39.0倍です(📊筆者試算・1.95÷0.05)。

額面100万円を1年間持ち続けたと仮定すると、年1.95%では利子が1万9,500円になります(📊筆者試算・100万円×1.95%)。下限の年0.05%なら500円ですから、その差は1万9,000円です。同じ商品でも、募集の時期によって受け取る利子はこれだけ変わります。

この記事では、財務省が公表している発行条件・発行額・適用利率一覧をもとに、3タイプの利率がどう決まるのか、23年でどう動いてきたのかを図解で整理します。以下、月はすべて募集月です。発行はその翌月になります。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

個人向け国債の金利は、どこまで上がったのでしょうか。

変動10年は年1.95%。198回の募集で最も高い水準です。

Floor|制度上の下限 0.05% 変動10年の適用利率(年率・税引前)の下限 最低金利保証 / Floor
Now|2026年9月募集分 1.95% 変動10年 第198回債の適用利率(年率・税引前) 制度開始以来の最高 / Highest
2003.3 発行開始 2011.7 算式変更 2018.12 下限27回 2026.9 年1.95%

Source

財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)/財務省「個人向け国債の発行額の推移」

※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

楓の整理
この記事の要点

◆ 2026年9月募集分の適用利率は、変動10年が年1.95%、固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%です。
◆ 変動10年の1.95%は、2003年3月の発行開始から198回の募集のなかで最も高い水準です。
◆ 変動10年の適用利率は2011年7月発行分から「基準金利×0.66」で決まります。2026年9月の基準金利は2.96%でした。

出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)/財務省「個人向け国債の発行額の推移」/財務省「変動10年 適用利率一覧」。月は募集月ベースで、発行はその翌月です。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

スポンサーリンク

2026年9月募集分の利率|3タイプはどう決まっているか

楓

まず、いまの数字から確認します。3タイプはどれも「基準金利」という同じ出発点を持ちながら、そこから先の計算のしかたが違います。1枚の図に並べると違いがはっきりします。

3タイプの利率はどう決まるか|2026年9月募集分 単位:年率%(税引前)/出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日) 変動10年 基準金利 2.96% × 0.66 1.95% 適用利率 10年固定利付国債の入札結果 固定5年 基準金利 2.29% − 0.05 2.24% 適用利率 期間5年の固定利付国債の想定利回り 固定3年 基準金利 1.99% − 0.03 1.96% 適用利率 期間3年の固定利付国債の想定利回り いずれのタイプも計算結果が年0.05%を下回る場合は、年0.05%が適用されます(最低金利保証)。
出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

財務省の発行条件によれば、変動10年の第198回債は初回の適用利率が年1.95%です。基準金利2.96%に0.66を掛けた値で、小数点以下第3位を四捨五入して0.01%刻みにしたものです。この基準金利は、募集期間開始日までの最後に行われた10年固定利付国債の入札結果から算出された金利だと説明されています。

固定5年の第186回債は年2.24%です。基準金利2.29%から0.05%を差し引いた値です。固定3年の第196回債は年1.96%で、基準金利1.99%から0.03%を差し引いています。固定5年と固定3年の基準金利は、募集期間開始日の前営業日の市場実勢利回りをもとに計算した、期間5年・期間3年の固定利付国債の想定利回りです。

3タイプに共通するのは、計算結果が年0.05%を下回る場合には年0.05%が適用されるという点です。財務省はこれを最低金利保証と呼んでいます。また、募集の価格も償還金額も額面100円につき100円で、利子は年2回、4月15日と10月15日に支払われます。

スポンサーリンク

変動10年の23年|198回の募集で利率はどう動いたか

楓

次に時間軸で見ます。変動10年は2003年3月の発行開始から続いている最も歴史の長いタイプで、初回の適用利率を並べると23年分の線になります。

個人向け国債 変動10年の初回適用利率の推移 単位:年率%(税引前)/募集月ベース・発行はその翌月/出典:財務省 0.0 0.7 1.4 2.1 最低金利保証(年0.05%) ここまで年4回発行 2003 2007 2011 2015 2019 2023 2026 2011.6 算式変更 2024.3 マイナス金利政策の解除 1.95% 198回の募集のうち、下限の年0.05%が適用されたのは64回。2026年9月募集分の1.95%は制度開始以来の最高値です。
出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)/財務省「個人向け国債の発行額の推移」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

変動10年の初回適用利率は、発行開始からの23年で0.05%から1.95%までの幅で動いてきました。2003年4月と7月に発行された回号は下限の年0.05%でしたが、その後の2003年秋から2008年ごろにかけては、おおむね0.4%台から1.1%台の範囲で推移します。198回の募集のうち64回は下限の年0.05%でした。

下限が続いた期間のうち最も長いのは、2018年12月募集分から2021年2月募集分までの27回です。2016年2月募集分から2021年12月募集分までの71回では、62回が年0.05%でした。この期間の線は、図のなかでほぼ水平に張り付いています。

2022年に入ると線は少しずつ上を向き、2025年10月募集分で1.08%、2026年4月募集分で1.55%、そして2026年9月募集分で1.95%に達しました。なお2014年1月募集分より前は年4回の発行だったため、図ではその期間を点と破線で描いています。存在しない月をつないで見せないためです。

スポンサーリンク

3タイプを並べる|下限に張り付いていたのはどのタイプか

楓

3つのタイプを同じ図に重ねると、下限の年0.05%に張り付いていた長さがタイプごとに大きく違うことが見えてきます。順位の入れ替わりにも注目してみてください。

3タイプの適用利率の比較|2010年6月〜2026年9月募集分 単位:年率%(税引前)/募集月ベース/3タイプがそろう期間/出典:財務省 0.0 0.6 1.2 1.8 2.4 2011 2014 2017 2020 2023 2026 変動10年 1.95% 固定5年 2.24% 固定3年 1.96% 2026年9月募集分の値 固定3年は2014年10月から2023年9月の募集分まで108回続けて下限の年0.05%でした。直近は固定5年が3タイプで最も高い水準です。
出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)/財務省「個人向け国債の発行額の推移」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

3タイプがそろうのは固定3年が始まった2010年6月募集分からです。この期間で下限の年0.05%が続いた回数を数えると、固定3年は2014年10月募集分から2023年9月募集分まで108回連続で年0.05%でした。固定5年も2015年8月募集分から2022年11月募集分まで88回連続です。

変動10年は同じ時期でも0.05%を上回る月が混ざっており、3タイプのなかでは最も動きのある線を描いています。半年ごとに適用利率が見直される変動金利型と、発行時の利率が満期まで変わらない固定金利型という設計の違いが、線の形にそのまま出ています。

直近の並びは2026年9月募集分で固定5年2.24%、固定3年1.96%、変動10年1.95%です。長く最も高い水準にあった変動10年が、いまは3タイプのなかで最も低い数字になっています。回号ごとの数字は、次の一覧でタイプを切り替えて確認できます。

変動10年|直近24回の募集分(年率・税引前)

募集月回号基準金利適用利率
2026年9月第198回債2.96%1.95%
2026年8月第197回債2.83%1.87%
2026年7月第196回債2.73%1.80%
2026年6月第195回債2.63%1.74%
2026年5月第194回債2.53%1.67%
2026年4月第193回債2.35%1.55%
2026年3月第192回債2.12%1.40%
2026年2月第191回債2.24%1.48%
2026年1月第190回債2.10%1.39%
2025年12月第189回債1.86%1.23%
2025年11月第188回債1.66%1.10%
2025年10月第187回債1.64%1.08%
2025年9月第186回債1.61%1.06%
2025年8月第185回債1.47%0.97%
2025年7月第184回債1.45%0.96%
2025年6月第183回債1.51%1.00%
2025年5月第182回債1.28%0.84%
2025年4月第181回債1.41%0.93%
2025年3月第180回債1.39%0.92%
2025年2月第179回債1.26%0.83%
2025年1月第178回債1.14%0.75%
2024年12月第177回債1.08%0.71%
2024年11月第176回債0.99%0.65%
2024年10月第175回債0.87%0.57%

基準金利は各回号の初回の利子に適用されたものです。

固定5年|直近24回の募集分(年率・税引前)

募集月回号適用利率
2026年9月第186回債2.24%
2026年8月第185回債2.06%
2026年7月第184回債1.95%
2026年6月第183回債1.86%
2026年5月第182回債1.89%
2026年4月第181回債1.79%
2026年3月第180回債1.58%
2026年2月第179回債1.66%
2026年1月第178回債1.59%
2025年12月第177回債1.35%
2025年11月第176回債1.19%
2025年10月第175回債1.22%
2025年9月第174回債1.12%
2025年8月第173回債0.97%
2025年7月第172回債0.96%
2025年6月第171回債1.00%
2025年5月第170回債0.83%
2025年4月第169回債0.95%
2025年3月第168回債1.03%
2025年2月第167回債0.89%
2025年1月第166回債0.77%
2024年12月第165回債0.71%
2024年11月第164回債0.60%
2024年10月第163回債0.46%

利率は満期まで変わりません。

固定3年|直近24回の募集分(年率・税引前)

募集月回号適用利率
2026年9月第196回債1.96%
2026年8月第195回債1.71%
2026年7月第194回債1.56%
2026年6月第193回債1.51%
2026年5月第192回債1.57%
2026年4月第191回債1.51%
2026年3月第190回債1.34%
2026年2月第189回債1.39%
2026年1月第188回債1.30%
2025年12月第187回債1.10%
2025年11月第186回債0.99%
2025年10月第185回債1.01%
2025年9月第184回債0.93%
2025年8月第183回債0.79%
2025年7月第182回債0.76%
2025年6月第181回債0.79%
2025年5月第180回債0.66%
2025年4月第179回債0.78%
2025年3月第178回債0.87%
2025年2月第177回債0.74%
2025年1月第176回債0.62%
2024年12月第175回債0.60%
2024年11月第174回債0.49%
2024年10月第173回債0.34%

利率は満期まで変わりません。

出典:財務省「個人向け国債の発行額の推移」/財務省「変動10年 適用利率一覧」(募集月ベース・発行は翌月)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

算式が切り替わった2011年|掛け算方式と引き算方式の交点

楓

変動10年には、2011年に計算方法が変わったという経緯があります。旧方式で計算するといくらになるかを並べると、いまの局面の特徴がはっきりします。

変動10年|基準金利と二つの算式の比較 単位:年率%/2016年1月〜2026年9月募集分/旧方式は📊筆者試算/出典:財務省 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 2016 2018 2020 2022 2024 2026 二つの方式が一致する水準 2.35% 基準金利 2.96% 現行 基準金利×0.66 = 1.95% 旧方式 基準金利−0.80% = 2.16% 📊筆者試算 2.16 1.95 2.96 2026年4月募集分は基準金利2.35%で、二つの算式がともに1.55%と一致しました。 2026年5月募集分からは、旧方式で計算した値のほうが大きくなっています。 旧方式の系列は編集部が「基準金利−0.80%」で計算した値です。財務省が公表している数値ではありません。 いずれも下限の年0.05%を適用する前の計算結果として描いています。
出典:財務省「変動10年 適用利率一覧」/財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

財務省の資料によれば、平成23年6月までに発行された変動10年の適用利率は「基準金利−0.80%」で計算されていました。平成23年(2011年)7月発行分からは「基準金利×0.66」に変わっています。財務省はこの見直しについて、低金利時に適用利率が低くなりすぎないようにするためだと説明しています。掛ける値の0.66は、中長期的に見て投資家の受け取る利子が引き算方式と同水準になる値として設定されたと資料に記されています。

この2つの算式は、基準金利の水準によって大小関係が入れ替わります。両方が一致するのは基準金利が2.35%のときです(📊筆者試算・0.80÷0.34=2.3529…)。実際、2026年4月募集分の基準金利は2.35%で、現行方式の1.55%と旧方式の計算値1.55%が一致しました。

2026年5月募集分からは基準金利が2.35%を上回り、旧方式で計算した値のほうが大きくなる領域に入っています。2026年9月募集分では現行方式が1.95%、旧方式の計算値は2.16%で、差は0.21ポイントです。財務省は2010年12月の資料の別紙①で、2つの方式で金利が逆転する基準金利の水準を図で示していました。制度の設計時点で想定されていた範囲の出来事だといえます。

なお、過去に引き算方式で発行された銘柄については、算式をさかのぼって見直すことはしないと財務省は明記しています。既発債は発行時の方式のままです。また、金利の下限0.05%は変更前の比較表にも記載されており、2011年の算式変更で新しく設けられたものではありません。

100万円に置き換える|利率の差は利子額でいくらか

楓

パーセントのままだと差が実感しにくいので、額面100万円を1年間持ち続けたと仮定して利子額に置き換えてみます。計算の単位としての仮定です。

額面100万円を1年間保有した場合の利子額|📊筆者試算 計算式:額面100万円 × 適用利率 ÷ 100/税引後は財務省公表の税引後利率で計算 最低金利保証 年0.05% 500円 税引後 398円 変動10年 年1.95%(2026年9月募集分) 1万9,500円 税引後 1万5,538円 固定5年 年2.24%(2026年9月募集分) 2万2,400円 税引後 1万7,849円 変動10年は半年ごとに適用利率が見直されるため、初回の適用利率が1年続くと仮定した単純計算です。 固定5年・固定3年は満期まで利率が変わりません。 100万円は計算の単位としての仮定であり、購入額を示すものではありません。
出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

額面100万円に年1.95%を掛けると、税引前の利子は1万9,500円になります。財務省が公表している税引後の利率1.5538575%を使うと1万5,538円です。国債の利子は受取時に20.315%分の税金が差し引かれるため、税引前と税引後で3,962円の差が出ます。

同じ計算を固定5年の年2.24%で行うと税引前2万2,400円、税引後1万7,849円です。下限の年0.05%では税引前500円、税引後398円になります。変動10年は半年ごとに適用利率が見直されるため、この金額は初回の適用利率が1年間続くと仮定した単純計算です。固定5年と固定3年は満期まで利率が変わりません。

発行額の推移|どのタイプがどれだけ発行されたか

楓

利率とは別に、発行額の推移も公表されています。年度ごとにタイプ別の積み上げで見ると、売れ筋の入れ替わりが読み取れます。

個人向け国債の発行額と変動10年の利率|年度別 上段:発行額(億円・タイプ別積み上げ)/下段:変動10年の初回適用利率の年度平均/出典:財務省 0兆 2兆 4兆 6兆 8兆 2003 2007 2011 2015 2019 2023 6兆1,526億円 2025年度 変動10年 固定5年 固定3年 年度の区分は発行年度。2026年度は期の途中のため掲載していません。 0.0 0.8 1.6 変動10年の初回適用利率(年度平均・年率%) 上下の段は同じ期間の推移を並べたものです。発行額と利率の関係を示すものではありません。
出典:財務省「個人向け国債の発行額の推移」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

財務省の集計によれば、2025年度(令和7年度)の発行額は6兆1,526億円でした。前年度の4兆4,938億円から36.9%の増加です。これを上回るのは2004年度・2005年度・2006年度の3つの年度だけで、2006年度以来19年ぶりの高い水準にあたります。

タイプ別の内訳は固定5年が3兆196億円、変動10年が2兆938億円、固定3年が1兆392億円です。月次で見ると、2025年3月募集分(2025年4月発行分)から18か月続けて固定5年の発行額が変動10年を上回っています。それ以前は変動10年が各月の最大でした。

制度の初期にあたる2004年度から2006年度は、いずれも7兆円前後の発行額です。当時は変動10年と固定5年の2タイプだけで、固定3年はまだ始まっていません。上下の段は同じ期間の推移を並べたもので、発行額と利率の関係を示すものではありません。

商品性と制度の経緯|3タイプの違いを表と年表で確認する

楓

最後に、3タイプの商品性を表にまとめ、制度がどう変わってきたかを年表で並べます。数字の背景にある設計の違いがつかめます。

3タイプの商品性の比較|2026年9月募集分 出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日)ほか 変動10年 固定5年 固定3年 満期 10年 5年 3年 金利タイプ 変動(半年毎に見直し) 固定(満期まで一定) 固定(満期まで一定) 算式 基準金利 × 0.66 基準金利 − 0.05% 基準金利 − 0.03% 下限 年0.05% 年0.05% 年0.05% 2026年9月募集分 年1.95% 年2.24% 年1.96% 中途換金禁止期間 発行から1年 発行から1年 発行から1年 中途換金調整額 直前2回分の各利子×0.79685 直前2回分の各利子×0.79685 直前2回分の各利子×0.79685 最低額面金額 1万円 1万円 1万円 いずれのタイプも募集の価格・償還金額は額面100円につき100円です。
出典:財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表)/財務省「個人向け国債の商品性の改善」(平成22年12月24日)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

3タイプは満期と算式が異なる一方で、下限の年0.05%、中途換金禁止期間が発行から1年、中途換金調整額が直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額という点は共通しています。最低額面金額はいずれも1万円です。

中途換金のルールは最初から同じだったわけではありません。固定5年だけは中途換金禁止期間が2年、調整額が利払4回分でしたが、2012年4月に他のタイプと同じ内容に統一されました。発行の頻度も変わっており、変動10年と固定5年は2014年1月募集分から毎月発行になっています。

TIMELINE
個人向け国債の発行開始から名称変更までの経緯
2003年3月

変動10年の第1回債が発行された。当初の適用利率は「基準金利−0.80%」で計算されていた。

2005年12月募集

固定5年の第1回債の募集が始まった。発行は2006年1月。

2010年6月募集

固定3年の第1回債の募集が始まった。発行は2010年7月。

2011年7月発行分

変動10年の適用利率の算式が「基準金利−0.80%」から「基準金利×0.66」に変わった。既発債は発行時の方式のまま。

2012年4月

固定5年の中途換金禁止期間が2年から1年に、中途換金調整額が利払4回分から2回分に統一された。

2014年1月募集

変動10年と固定5年が年4回発行から毎月発行に変わった。固定3年は発行開始時から毎月発行。

2024年3月

日本銀行がマイナス金利政策の解除を決定した。

2026年12月募集(予定)

商品名が「個人向け国債プラス」に変わり、販売対象が個人に加えて一部の法人等へ広がる予定。発行は2027年1月分から。

2026年12月募集分(2027年1月発行分)からは、商品名が「個人向け国債プラス」に変わる予定です。販売対象が個人のみから個人及び一部の法人等へ広がることに伴う変更で、財務省はQ&Aのなかで基本的な商品性に変更はないと説明しています。2026年11月募集分までの個人向け国債を法人等が購入することはできないとも記載されています。

楓のまとめ|同じ商品でも、募集の月で数字は39倍まで動く

楓

ここまでの図を並べ直すと、個人向け国債の利率は「商品の性格」と「募集した月の金利環境」の掛け合わせで決まっていることが見えてきます。3つの観察事実に整理します。

個人向け国債の金利は、募集のたびに1つの数字として発表されるため、単月で見るかぎりは動きの小さい商品に見えます。しかし23年分を1本の線にすると、下限の年0.05%から2026年9月募集分の年1.95%まで、幅の大きい推移を描いてきたことがわかります。

楓の観察整理
3つの観察事実

観察1. 変動10年の初回適用利率は、2026年9月募集分の年1.95%が制度開始以来の最高値でした。一方で、198回の募集のうち64回は下限の年0.05%です。2018年12月募集分から2021年2月募集分までは27回続けて下限でした。同じ商品の利率が、23年のあいだに39.0倍の幅で動いています。

観察2. 3タイプのなかで下限に張り付いた期間が最も長いのは固定3年で、2014年10月募集分から2023年9月募集分まで108回続けて年0.05%でした。2026年9月募集分では固定5年が年2.24%で3タイプの最高となり、順位も入れ替わっています。

観察3. 変動10年の適用利率は2011年7月発行分から「基準金利×0.66」で決まります。2026年4月募集分は基準金利2.35%で、旧方式「基準金利−0.80%」で計算しても同じ1.55%でした。2026年5月募集分からは旧方式の計算値のほうが大きくなる領域に入っています。

3つを重ねて読むと、個人向け国債の利率は、商品ごとに決められた算式と、その月の基準金利という2つの要素だけで決まっていることが確認できます。同じ商品でも、募集の月が違えば数字は39.0倍の幅で変わります。「個人向け国債の金利はどこまで上がったか」という問いへの答えは、どのタイプの、どの月の募集分を見ているかで変わる、という観察事実そのものに表れています。

よくある質問(FAQ)

楓

記事を読んだあとに迷いやすい点を3つ選びました。いずれも財務省が公表している内容にもとづいて整理しています。

Q1. 変動10年の利率は、購入したあとも変わるのですか?

変動10年は半年ごとに適用利率が見直される変動金利型です。財務省は、各利払期の適用利率を「基準金利×0.66」で算出すると説明しています。基準金利は、利子計算期間の開始日の前月までの最後に行われた10年固定利付国債の入札結果から計算されます。初回の利子については、募集期間開始日までの最後に行われた入札が使われます。一方、固定5年と固定3年は発行時に決まった利率が満期まで変わりません。

Q2. 記事の「募集月」と「発行月」は何が違うのですか?

個人向け国債は、募集期間に申し込みを受け付け、その翌月に発行されます。2026年9月募集分であれば、募集期間は2026年9月3日から9月30日まで、発行日は2026年10月15日です。利率は募集開始日の前営業日に公表されます。この記事の図と本文は、利率が決まって公表される月に合わせて募集月で統一しています。

Q3. 2011年に算式が変わる前の銘柄は、いまどう扱われているのですか?

財務省は、過去に引き算方式で発行した銘柄については、さかのぼって金利設定方法を見直すことはしないと明記しています。平成23年6月までに発行された変動10年は、いまも「基準金利−0.80%」で各利払期の適用利率が計算されています。変更後の「基準金利×0.66」が適用されるのは、平成23年7月発行分からの銘柄です。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年9月

記事内の主要な数値・事実について、確認の度合いを4段階で示しています。

✅ 一次確認:公式発表・省庁・原典で直接確認 🔍 二次確認:報道など二次情報で確認 📊 筆者試算:一次データを基にした独自計算 ⚠ 要確認:状況により変わるもの
✅ 一次確認

2026年9月募集分の適用利率 変動10年 年1.95%・固定5年 年2.24%・固定3年 年1.96%、基準金利 2.96%・2.29%・1.99%、取扱機関873機関

財務省「個人向け国債の発行条件等」(令和8年9月2日報道発表) →
✅ 一次確認

変動10年の適用利率は平成23年6月までの発行分が「基準金利−0.80%」、平成23年7月発行分から「基準金利×0.66」。既発債は発行時の方式のまま

財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」 →
✅ 一次確認

算式変更の趣旨は低金利時の商品性の改善。0.66は中長期的に投資家の受け取る利子が引き算方式と同水準となる値として設定。金利の下限0.05%は変更前から存在

財務省「個人向け国債の商品性の改善」(平成22年12月24日) →
✅ 一次確認

2003年3月から2026年10月発行分までの3タイプの発行額と利率、および年度別発行額(令和7年度 6兆1,526億円)

財務省「個人向け国債の発行額の推移」 →
✅ 一次確認

変動10年 第70回債から第198回債までの回号別・利払期別の基準金利と適用利率

財務省「変動10年 適用利率一覧」 →
📊 筆者試算

旧方式で計算した場合の値は編集部の試算です。計算式は「基準金利−0.80%」。2026年9月募集分は 2.96−0.80=2.16%で、現行方式の1.95%との差は0.21ポイントです。両方式が一致する基準金利は 0.80÷0.34=2.3529…%で、小数点以下第3位を四捨五入して2.35%としています

財務省「個人向け国債の発行条件等」(計算の元データ)/編集部 集計 →
📊 筆者試算

下限との倍率39.0倍は 1.95÷0.05=39.0 の計算です。額面100万円を1年間保有した場合の利子額は 100万円×1.95%=1万9,500円(税引前)。税引後は財務省公表の税引後利率1.5538575%を用いて1万5,538円としています

財務省「個人向け国債の発行条件等」(計算の元データ)/編集部 集計 →
✅ 一次確認

令和8年12月募集分(令和9年1月発行分)から商品名を「個人向け国債プラス」に変更し、販売対象を個人及び一部の法人等に拡大する予定。基本的な商品性に変更なし

財務省「個人向け国債の法人等への販売対象拡大」に関するQ&A →
⚠ 要確認

適用利率は募集ごとに決まり、募集開始日の前営業日に公表されます。本記事の数値は2026年9月募集分までのものです。

変更の可能性あり。財務省 変動10年の発行条件 →
タイトルとURLをコピーしました