
「税金はどこから来て、どこへ行くのか」という問いには、歳入と歳出を左から右へのひとつの流れとして並べるのが近道です。集める・借りる・一つの財布・使うの4段階で見ると、ふだんバラバラに見える数字が一本の流れとしてつながって見えてきます。
国の一般会計は、2026年度(令和8年度)の当初予算で122兆3,092億円です。歳入の68.5%(83兆7,350億円)は税金で、7.4%はその他収入、残りの24.2%(29兆5,840億円)は公債金、つまり借入れで賄われています。歳出の側では、社会保障関係費・国債費・地方交付税交付金等の3本柱だけで全体の約4分の3(74.6%)を占めます。税金と借入れで集めたお金が一つの財布に入り、その約4分の3が3本柱へ流れていくのが、国のお金の基本構造です。
本記事では、財務省の「令和8年度一般会計歳入歳出概算」「令和8年度租税及び印紙収入概算」という一次データを、歳入の内訳・税目別ランキング・歳出の内訳・国民1人あたり換算の4つの図解で整理します。わたしは財政の是非や増税減税の賛否には踏み込まず、お金の流れの構造を観察として整理していきます。
税金はどこから来て、どこへ行くのか?
2026年度の国の一般会計(当初予算)は122兆3,092億円。税金68.5%と借入れ24.2%で集め、歳出の約4分の3が社会保障・国債費・地方交付税等の3本柱へ流れる。
- 01 税収 83.7兆円 歳入の68.5%。最大は消費税26.7兆円
- 02 公債金 29.6兆円 歳入の24.2%=借入れ
- 03 一般会計 122.3兆円 2026年度 当初予算の総額
- 04 歳出3本柱 74.6% 社会保障・国債費・地方交付税等で約4分の3
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
お金はどこから来るのか|歳入の内訳

歳入は「税金・その他収入・公債金」の3区分を横棒で並べると、帯の長さの違いがそのまま構成比になります。いちばん下の帯が借入れにあたる公債金です。
出典:財務省「令和8年度一般会計歳入歳出概算」(2026年4月7日成立・当初予算)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2026年度の歳入122兆3,092億円の内訳は、租税及印紙収入が83兆7,350億円(68.5%)、その他収入が8兆9,902億円(7.4%)、公債金が29兆5,840億円(24.2%)です。その他収入は、税金以外の国の収入をまとめた区分です。歳入の3分の2強を税金が支え、約4分の1を公債金=借入れで賄うのが現在の構造です。
公債金は、国債を発行して調達する借入れです。2026年度は建設公債6兆7,160億円と特例公債22兆8,680億円の合計で29兆5,840億円となり、当初予算としては2年連続で新規国債の発行額が30兆円を下回りました。本記事ではこの数値を借入れの規模の観察として記録するにとどめ、その是非には踏み込みません。
なお、これらの数値は2025年12月26日に閣議決定され、2026年4月7日に政府案どおり成立した当初予算のものです。年度の途中で補正予算が編成されれば、総額や内訳は変わり得ます。
税収の中身|最大の税目は消費税

税目別の内訳は、金額順の横棒ランキングにすると上位と下位の規模差が一目でわかります。上位3本の赤い帯だけで、全体の9割近くに届きます。
出典:財務省「令和8年度租税及び印紙収入概算」(2026年4月7日成立・当初予算)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
税収83兆7,350億円の最大税目は消費税の26兆6,880億円です。次いで所得税が25兆3,250億円(源泉分20兆6,040億円+申告分4兆7,210億円)、法人税が20兆6,960億円と続きます。消費税・所得税・法人税の上位3税だけで72兆7,090億円、税収全体の約87%に達します。家計の消費、個人の所得、企業の利益という異なる経済活動に対応する3つの税が、税収の柱を構成しています。
4位以下は相続税3兆8,180億円、酒税1兆1,470億円、印紙収入1兆800億円、たばこ税9,760億円の順です。2026年度には防衛特別法人税(5,760億円)と防衛特別所得税(380億円)が新たな税目として計上されました。また揮発油税は9,720億円で、制度改正を反映した水準となっています。
お金はどこへ行くのか|歳出の内訳

歳出は主要経費別の横棒で並べると、上位3本だけで全体の約4分の3に達する形が見えてきます。右側の赤い縦線が、その3本柱の合計を示すしるしです。
出典:財務省「令和8年度一般会計歳入歳出概算」(2026年4月7日成立・当初予算)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
歳出122兆3,092億円のうち最大は社会保障関係費の39兆559億円(31.9%)です。年金・医療・介護・少子化対策などに充てられる経費で、歳出の3割強を占めます。次いで国債費が31兆2,758億円(25.6%)、地方交付税交付金等が20兆8,778億円(17.1%)と続き、この3本柱だけで91兆2,095億円、歳出全体の約4分の3(74.6%)に達します。
国債費は、過去に発行した国債の元本の返済と利子の支払いに充てる経費です。2026年度はこのうち利払費が約13兆円を占めます。歳入の側で公債金として新たに借り入れる一方、歳出の側では過去の借入れの返済と利払いにお金が流れており、借入れと返済が同じ財布の中で同時に動く構造になっています。
3本柱の外側では、防衛関係費8兆9,843億円(7.3%)、公共事業関係費6兆1,078億円(5.0%)、文教及び科学振興費6兆406億円(4.9%)が続きます。財務省の財政学習ページでも「社会保障・国債費・地方交付税交付金等で歳出の約4分の3」という整理が示されており、本記事の図解もこの3本柱を軸にしています。
国民1人あたりに換算すると

兆円という単位は日常の感覚から離れているので、総人口で割った1人あたりの金額に置き直してみます。あくまで規模感をつかむための換算です。
出典:財務省「令和8年度一般会計歳入歳出概算」/総務省統計局「人口推計」(2026年1月1日確定値・編集部試算)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
歳出総額122兆3,092億円を総人口1億2,298万人(総務省統計局「人口推計」2026年1月1日確定値)で単純に割ると、国民1人あたり約99.5万円になります。同じように税収83兆7,350億円を割ると約68.1万円です。1人あたり約99.5万円を使い、約68.1万円を税金で集めている換算になり、差の部分がその他収入と借入れに対応します。
この換算は編集部の試算で、計算式は「総額÷総人口」という単純な割り算です。実際には、税負担は所得や消費の水準によって、受益は年齢やライフステージによって個人ごとに大きく異なります。規模感の目安として読んでください。
楓のまとめ|税金と借入れが一つの財布に入り3本柱へ流れる

ここまで歳入・税目・歳出・1人あたり換算と並べてきました。お金の流れが左から右へ一本につながったところで、3つの観察事実に整理してみます。
「税金はどこから来てどこへ行くか」という問いに対して、本記事で並べた図解は、集める・借りる・使うの各段階を一次データの数値で示してきました。財政の是非を論じるのではなく、流れの構造を観察事実として整理しておきます。
3つの観察事実を重ねると、国のお金は「税金68.5%と借入れ24.2%で集め、社会保障・国債費・地方交付税等の3本柱に約4分の3を配分する」という一本の流れに整理できます。歳入の側の借入れと、歳出の側の返済・利払いが同じ財布の中で同時に動いていることは、この流れを読むうえで欠かせない観察点です。本記事の数値はすべて当初予算のものであり、年度内の補正予算で変わり得る点も、あわせて記録しておきます。
よくある質問(FAQ)

予算の数字を読むときは、当初予算か補正後か・どの会計か・何年度かの3点をセットで確認してください。同じ「国の予算」でも、この3点が変わると数字が大きく変わります。
Q1. 消費税は何に使われているのですか?
法律上、消費税の収入は年金・医療・介護・少子化対策という社会保障4経費に充てると定められています。消費税法にこの使途が明記されており、財務省の解説でも同じ整理が示されています。2026年度の消費税収は26兆6,880億円と税収の最大税目ですが、社会保障関係費39兆559億円より小さい規模であり、社会保障の財源が消費税だけで賄われているわけではありません。
Q2. 国債費とは何ですか?
過去に発行した国債の元本の返済と利子の支払いに充てる経費です。2026年度は31兆2,758億円で歳出全体の約4分の1を占め、このうち利払費は約13兆円です。歳入の公債金が「新しく借りるお金」であるのに対し、国債費は「過去に借りたお金を返し、利子を払うお金」という関係にあります。
Q3. この記事の数字は年度の途中で変わりますか?
本記事の数値は、2026年4月7日に成立した当初予算のものです。年度の途中で経済情勢の変化や災害対応などにより補正予算が編成されると、歳入・歳出の総額や内訳は変わり得ます。当初予算は年度の出発点となる計画であり、年度終了後に確定する決算の数値とも異なります。最新の状況は財務省の予算ページで確認できます。
🔍 この記事のファクトチェックについて

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