
PHPの歩みは、版の公開日を並べるだけでなく、それぞれの版がいつまで修正を受けられたかを重ねると輪郭がはっきりします。31年分の年表に、24の版のサポート期間を添えて整理します。
PHPは1995年6月に公開されてから、2026年で31年になります。PHP公式の記録を数えると、正式版の3.0(1998年)から8.5(2025年)までに24の版が公開されました。版ごとのサポート期間は、初期には92日から約5年まで大きく異なっていましたが、7.1から8.0は3年ちょうど、8.1以降は約4年にそろっています。
2026年10月21日には8.5・8.4・8.3・8.2の4版に向けたセキュリティ更新が公開され、PHP公式は8.1以前の版はもう更新を受けないと明記しました。本記事では、PHP公式の沿革・年別ニュース・サポート終了日の一覧と、2024年のリリースサイクル改定(RFC)をもとに、公開とサポートの31年を年表と期間図で整理します。
PHPは、いつ生まれ、どう変わってきたのか?
1995年の公開から31年。24の版が出て、サポート期間は約4年にそろった。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
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PHPは1995年、個人の小さなツールとして公開された

最初の数年は、版の番号より先に名前や形が何度も変わっています。公式の沿革に残る年月を、そのまま順に追っていきます。
PHPの始まりは、Rasmus Lerdorf氏が1994年に作った「Personal Home Page Tools(PHP Tools)」です。PHP公式の沿革によると、もとは自分のオンライン履歴書へのアクセスを記録するための、C言語で書かれた小さなプログラム群でした。1995年6月にはこのソースコードが一般に公開され、同年10月には書き直した「Personal Home Page Construction Kit」が登場します。
1996年4月には、それまでの名前を合わせた「PHP/FI」が公開され、6月にバージョン2.0の扱いになりました。PHP/FI 2.0がベータ版を終えたのは1997年11月です。同じ1997年には、Andi Gutmans氏とZeev Suraski氏がパーサーの書き直しに取りかかり、1998年6月のPHP 3.0につながりました。
公式の沿革には、1998年5月のNetcraftの調査で「PHP」を名乗るドメインが約6万、全ドメインのおよそ1%に達していたと記されています。翌1999年の中頃には、2000年のPHP 4.0の土台となるZend Engineが登場しました。日本でインターネットが家庭に広がっていった流れは、パソコンとインターネットの歴史を年表で見た記事で整理しています。
24の版を1枚の年表に|公開の間隔とサポート期間

24の版は、出来事の年表と各版のサポート期間の棒を同じ年軸に重ねると、版の出方と期間の変化を1枚で追えます。年軸は等間隔のままなので、版が出なかった年の空白もそのまま見えます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
上の年表は、横軸を1年ごとに等間隔で取り、上段に主な出来事、下段に各版の公開日の位置からサポート期間の長さを棒で示したものです。公開日はPHP公式の年別ニュースの告知日、サポート終了日は公式の終了日一覧を使い、8.2以降は公式が定めた期限までを数えています。
棒を左から見ていくと、3.0から5.6までの時期は、版の間隔も棒の高さもまちまちです。2004年の5.0から2015年の7.0までは次の大きな番号の版が出ず、その間を5.1から5.6の6版が埋めていました。7.0以降は棒がほぼ等間隔に並び、高さも3年前後と約4年の2段に分かれています。
サポート期間は版ごとに92日から約5年まで違っていた

サポート期間の長さは、各版を公開日から終了日までの横棒にすると、棒の長さでそのまま比べられます。右端には日数を添えています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
PHP公式のサポート終了日一覧と各版の公開日から計算すると、サポート期間が最も短かったのは4.1の92日(約3か月)です。4.1は2001年12月10日に公開され、2002年3月12日にサポートが終わりました。続く4.2も137日、5.1も273日と、1年に満たない版がありました。
反対に最も長かったのは5.3の1,871日(約5.1年)で、2009年6月30日の公開から2014年8月14日まで続きました。5.2の1,526日、5.6の1,586日も4年を超えています。3.0から5.6までの13版では、1年未満で終わった版と4年を超えた版が同じ時期に混在していました。
系列の終わりを見ると、4系の最後の4.4は5.0より1年ほど遅い2005年7月に公開され、2008年8月7日にサポートを終えています。5系の最後の5.6は2018年12月31日、7系の最後の7.4は2022年11月28日に終了しました。
7.1から8.0は3年ちょうど、8.1以降は約4年にそろった

期間がそろっていく様子は、上の期間図の下側、7系と8系の横棒を見比べると分かります。2024年の改定の前後で、棒の長さが一段伸びています。
7.1から8.0までの5版は、公開日のちょうど3年後の同じ日にサポートが終わっており、期間は5版そろって3.00年です。日数では1,095〜1,096日で、たとえば7.1は2016年12月1日に公開され、2019年12月1日に終了しました。
この3年は、2024年の改定で約4年に延びました。PHPの開発者が提案したRFC「Release cycle update」(2024年3月21日の版0.2)は、セキュリティ修正の期間を1年延ばして、不具合修正2年とセキュリティ修正2年の計4年にし、終了日をその年の12月31日にそろえる内容です。投票は2024年4月29日に締め切られ、6つの提案がすべて可決されました。
改定は8.2以降の版にそのまま適用され、8.1にもセキュリティ修正が1年追加されました。その結果、8.1は2025年12月31日まで延びて期間が1,497日になり、8.2から8.5の公式の期限は2026年から2029年の各12月31日、期間は約4.1年になっています。
なお、5.0から7.0までの約11.4年の間には、PHP 6の開発が進められていました。PHP公式の沿革によると、PHP 6は中止され、予定されていた機能のうち名前空間は5.3に、トレイトなどは5.4に取り込まれています。正式版の番号は、5系の次が2015年の7.0です。
2015年からは毎年1版|いま使われている版の割合

いまどの版が使われているかは、PHPを使うサイトをメジャー版ごとの割合で並べると、サポートが終わった系列の大きさが見えてきます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2015年の7.0以降、PHPは毎年1版ずつ公開されてきました。公開日は11月20日から12月8日の間に集まっており、2025年の8.5まで11年で11版です。次の8.6は、2026年10月時点ではリリース候補(RC)版の段階で、正式版は公開されていません。
利用の側を見ると、W3Techsの観測(2026年10月22日時点)では、サーバー側の言語を判別できたサイトの69.3%がPHPを使っています。PHPを使うサイトのうち、8系は65.3%、7系は26.9%、5系は7.7%、4系は0.1%でした。サポートがすべて終わった7系以前の版が、合わせて34.7%を占めています。
2026年10月21日、PHP公式は2件の重大な脆弱性を修正した8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35を公開し、8.1以前の版はPHPプロジェクトから更新を受けないと明記しました。8系の65.3%には、すでにサポートが終わった8.0と8.1も含まれます。
PHPの年表|1994年から2026年までの出来事

ここまでに出てきた出来事を、年の順に縦の年表へまとめました。同じ年の出来事は1つの行に入れています。
本記事では、PHP/FIの1.0と2.0、および2026年10月時点でリリース候補版の8.6を版の数に含めず、正式版として公開された3.0から8.5までの24版を数えています。公開日はPHP公式の年別ニュースの告知日、終了日は公式のサポート終了日一覧と現行版の一覧に基づきます。
楓のまとめ|31年で24版、サポート期間は約4年の形に

31年分の年表と24版の期間図を並べてきました。版の出方、期間の長さ、いま使われている版の3点に整理します。
PHPの歩みを、公式の記録に残る日付だけで並べ直すと、版の公開とサポート終了の間隔に、時期ごとの違いが見えてきます。良し悪しの評価ではなく、記録から読み取れる観察として3点にまとめます。
31年の記録を並べると、PHPの版は公開の間隔もサポートの長さも初期にはまちまちで、7.0以降は毎年1版・3年、2024年の改定後は約4年という一定の形で続いています。2026年10月時点でサポートを受けている版は8.2から8.5の4版で、8.2の公式の期限は2026年12月31日です。
よくある質問(FAQ)

PHPの年表を読むときは、版の数え方と、終了日が実際の終了日か公式の期限かの2点を確かめてください。この2点で数字の意味が変わります。
Q1. PHPという名前は何の略ですか?
もとは「Personal Home Page」の略です。PHP公式の沿革によると、1994年に作られた最初のツール群が「Personal Home Page Tools」と呼ばれていました。3.0の公開時に、名前は「PHP: Hypertext Preprocessor」という、自分自身を含む略語に改められています。
Q2. PHP 6がないのはなぜですか?
PHP 6は開発が進められたものの、正式版として公開されずに中止されました。PHP公式の沿革では、予定されていた機能のうち名前空間が5.3に、トレイトなどが5.4に取り込まれたと記されています。正式版の番号は、5系の次が2015年の7.0です。
Q3. いまサポートされているPHPの版はどれですか?
2026年10月時点でPHP公式がサポートしているのは、8.2・8.3・8.4・8.5の4版です。公式の一覧によると、セキュリティ修正の期限は8.2が2026年、8.3が2027年、8.4が2028年、8.5が2029年の、いずれも12月31日です。8.1以前の20版はサポートが終了しています。
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