記事内に広告があります。

年金の受給額はどう変わったか|国民年金・厚生年金の平均月額の推移を図解【2026年】

年金の受給額はどう変わったか|国民年金・厚生年金の平均月額の推移を図解
スポンサーリンク
楓
楓

「年金はいくらもらえるのか」という問いは、モデル年金額ではなく、実際に受け取っている人の平均を23年分並べて見ると輪郭がはっきりします。厚生年金と国民年金を同じ図に重ねて、二つの線の間の「差」まで観察していきます。

厚生年金の老齢年金を受け取っている人の平均月額は、2002年度末の17万3,565円から2024年度末の15万1,142円へ、23年で2万2,423円下がりました。一方、国民年金の老齢年金の平均月額は同じ期間に5万2,291円から5万9,431円へ7,140円上がっています。厚生年金は下がり、国民年金は上がるという逆方向の動きが、二つの制度の差を12万1,274円から9万1,711円へ縮めてきました。

ただし直近の2年は、二つの制度が同じ方向に動いています。厚生年金は2022年度末の14万4,982円を底に、2023年度末・2024年度末と2年続けて前年度末を上回り、2012年度末以来の15万円台に戻りました。国民年金も2022年度末から2年で3,003円上がっています。

本記事の数値は、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」の平成18年度版から令和6年度版までの5冊を継ぎ足した、2002〜2024年度末の23年分の系列です。各冊が5年分しか載せないため、長期の推移は自分でつなぐ必要があります。数値はいずれも受給者全体の平均で、加入期間や報酬によって個人の受給額は異なります。

2024年度末の平均月額を1日あたりに直すと、厚生年金は4,969円、国民年金は1,954円です(📊筆者試算:151,142円×12か月÷365日、59,431円×12か月÷365日)。厚生労働省が示す標準的な世帯のモデル年金額とは定義が異なる、実際の受給者の平均です。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

年金の平均受給額は、この20年あまりでどう変わったのか。

厚生年金の平均月額は23年で2万2,423円下がり、国民年金は7,140円上がりました。

2002年度末・厚生年金 老齢年金 受給者の平均月額 17.4万円 173,565円(平成14年度末・厚生年金保険全体) 系列の起点 / 2002
2024年度末・厚生年金 老齢年金 受給者の平均月額 15.1万円 151,142円(令和6年度末・第1号) ▼22,423円 12年ぶりの15万円台 / 2024
2002 17.4万 起点 2012 15.1万 15万円台 2022 14.5万 2024 15.1万 戻り

Source

出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(平成18年度〜令和6年度) ※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

楓の整理
この記事の要点

◆ 厚生年金の老齢年金 受給者の平均月額は、2002年度末の17万3,565円から2024年度末の15万1,142円へ、23年で2万2,423円下がりました。
◆ 2022年度末の14万4,982円を底に、2023・2024年度末は2年続けて前年度末を上回り、2012年度末以来の15万円台に戻っています。
◆ 国民年金の平均月額は同じ期間に5万2,291円から5万9,431円へ7,140円上がり、二つの制度の差は12万1,274円から9万1,711円に縮まりました。

出典:厚生労働省年金局「厚生年金保険・国民年金事業の概況」平成18・23・28・令和元・令和6年度の5冊を継ぎ足した2002〜2024年度末の系列。数値は各年度末の確定値で、受給者全体の平均です。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

スポンサーリンク

厚生年金の平均月額はどう動いたか|2002年度末から2024年度末への23年

楓
楓

23年分の平均月額を折れ線で並べると、長い下り坂の末尾に小さな戻りがついた形が見えます。制度上の出来事が起きた年度に印を置き、数値の動きとは分けて示します。

厚生年金 老齢年金 受給者の平均月額の推移|2002〜2024年度末 単位:円(月額・基礎年金月額を含む)/出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」各年度 14万 15万 16万 17万 18万 2002 2006 2010 2014 2018 2022 2024 17万3,565円 14万4,982円 15万1,142円 2015年度 マクロ経済スライド初発動 2017年8月 受給資格期間10年に短縮 12年ぶりの15万円台 ※縦軸は14万〜18万円の範囲を拡大表示しています(0起点ではありません) ※点線より右(2015年度末以降)は厚生年金保険(第1号)=共済組合分を除く数値です
出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(平成18年度〜令和6年度) 表6ほか(老齢年金 受給者の平均年金月額)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

厚生年金保険の老齢年金を受け取っている人の平均月額は、2002年度末(平成14年度末)に17万3,565円でした。そこから2003年度末17万1,365円、2004年度末16万7,529円と下がり続け、2012年度末の15万1,374円を最後に15万円台を割り込みます。2022年度末の14万4,982円が23年の底で、起点から2万8,583円低い水準です。

2023年度末は14万7,360円、2024年度末は15万1,142円と、2年続けて前年度末を上回りました。底からの戻り幅は6,160円(4.2%)で、2024年度末の値は2012年度末以来12年ぶりの15万円台です。それでも起点の2002年度末と比べると2万2,423円(12.9%)低い位置にあります。

この平均月額には、併給する老齢基礎年金の月額が含まれています。また厚生労働省は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が男性は2001年度から、女性は2006年度から段階的に引き上げられたことを、平均月額を見る際の注意点として注記しています。2015年度末以降の数値は共済組合分を除いた厚生年金保険(第1号)で、それ以前と厳密には接続しないことも概況に注記されています。

スポンサーリンク

国民年金の平均月額はどう動いたか|23年で7,140円の上昇

楓
楓

国民年金は変動の幅が1万円に満たないため、縦軸を5万〜6万円に絞って描きます。小さな下げと横ばいの年度も潰さずに残しました。

国民年金 老齢年金 受給者の平均月額の推移|2002〜2024年度末 単位:円(月額)/出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」各年度 5.0万 5.2万 5.4万 5.6万 5.8万 6.0万 2002 2006 2010 2014 2018 2022 2024 5万2,291円 5万4,622円 5万9,431円 23年で7,140円上昇 ※縦軸は5.0万〜6.0万円の範囲を拡大表示しています(0起点ではありません) ※点線より右(2015年度末以降)は概況の集計単位変更後。2017年度末以降は受給資格期間25年以上の受給者
出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(平成18年度〜令和6年度) 表20ほか(国民年金 老齢年金 受給者の平均年金月額)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

国民年金の老齢年金を受け取っている人の平均月額は、2002年度末の5万2,291円から2024年度末の5万9,431円へ、23年で7,140円(13.7%)上がりました。年度末ごとの動きは緩やかで、2013年度末(5万4,622円)と2014年度末(5万4,497円)に小さく下がり、2022年度末(5万6,428円)に横ばいとなった以外は、ほぼ毎年度末上向きです。

直近2年の動きは厚生年金と同じ方向です。2022年度末から2024年度末にかけて3,003円(5.3%)上がり、2024年度末の5万9,431円は23年で最も高い値になりました。厚生年金が長期で下がり、国民年金が長期で上がるという形は、直近2年に限れば両方とも上向きに揃っています。

この系列には、厚生年金の受給者が受け取っている老齢基礎年金の分も含まれています。2017年度末以降の「老齢年金」は受給資格期間25年以上の受給者を指し、2017年8月の受給資格期間の短縮(25年から10年)で生じた25年未満の人は別に集計されている、と概況に注記されています。年金額は毎年度、物価や賃金の変動に応じて改定され、令和6年度は2.7%、令和7年度は1.9%の引上げと厚生労働省が公表しています。

スポンサーリンク

二つの制度の差はどう縮んだか|12万1,274円から9万1,711円へ

楓
楓

厚生年金と国民年金を同じ0起点の図に重ね、二本の線の間を帯で塗りました。下段には帯の幅、つまり差そのものを折れ線にしています。

厚生年金と国民年金の平均月額と「差」の推移|2002〜2024年度末 単位:円(月額)/出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」各年度 0 3万 6万 9万 12万 15万 18万 厚生年金 15万1,142円 国民年金 5万9,431円 17万3,565円 5万2,291円 二制度の差(帯) 厚生年金 − 国民年金 の差(円) 7万 8万 9万 10万 11万 12万 13万 2002年度末 12万1,274円 2022年度末 8万8,554円 2024年度末 9万1,711円 2002 2006 2010 2014 2018 2022 2024 差は約3万円縮小 ※下段の縦軸は7万〜13万円の範囲を拡大表示しています(0起点ではありません)
出典:厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(平成18年度〜令和6年度)(老齢年金 受給者の平均年金月額)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

厚生年金と国民年金の平均月額の差は、2002年度末に12万1,274円でした。厚生年金が下がり国民年金が上がる中で差は毎年度末縮み、2022年度末に8万8,554円と23年で最も小さくなります。2024年度末の差は9万1,711円で、起点から2万9,563円縮まりました。

倍率で見ると、2002年度末の厚生年金は国民年金の3.32倍、2024年度末は2.54倍です(📊筆者試算:173,565÷52,291、151,142÷59,431)。差の縮小は2022年度末で止まり、2023・2024年度末は厚生年金の戻り幅(6,160円)が国民年金の上げ幅(3,003円)を上回り、差は2年続けて広がっています。

なお、厚生年金の平均月額には老齢基礎年金の分が含まれ、国民年金の平均月額には厚生年金の受給者が受け取る基礎年金の分が含まれています。二つの系列は独立した集団ではなく、重なりを持つ集計であることを踏まえて差を読む必要があります。

平均の中身を分布で見る|男女別の年金月額階級

楓
楓

平均は一つの数字ですが、その裏には30の階級に散らばった分布があります。男子を左、女子を右に向かい合わせて、山の位置の違いを見ます。

厚生年金 男女別 年金月額階級別 老齢年金受給権者数|2024年度末 単位:人(受給権者ベース・基礎年金月額を含む)/出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」参考資料3 男子(1,068万人) 女子(541万人) 万円 〜1 1〜2 2〜3 3〜4 4〜5 5〜6 6〜7 7〜8 8〜9 9〜10 10〜11 女子最多 813,990人 11〜12 12〜13 13〜14 14〜15 15〜16 16〜17 17〜18 18〜19 男子最多 955,327人 19〜20 20〜21 21〜22 22〜23 23〜24 24〜25 25〜26 26〜27 27〜28 28〜29 29〜30 30〜 男子平均 16万9,967円 女子平均 11万1,413円 ※受給権者(全額支給停止中の人を含む)ベースの分布。本文の主系列(受給者ベースの平均)とは集計単位が異なります ※65歳未満は主に報酬比例部分のみの受給権者を含む、と概況に注記されています
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月) 参考資料3(男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

厚生年金保険(第1号)の老齢年金 受給権者1,608万5,696人を月額1万円刻みの階級で見ると、男子は18〜19万円の階級に95万5,327人と最も多く、女子は10〜11万円の階級に81万3,990人と最も多く集まっています。男子の山と女子の山は8万円分離れた位置にあります。

受給権者ベースの平均月額は男子16万9,967円、女子11万1,413円で、その差は5万8,554円です(📊筆者試算:169,967−111,413)。女子の平均は男子の65.5%にあたります。この図は受給権者(全額支給停止中の人を含む)ベースの分布で、本文の主系列である受給者ベースの平均とは集計単位が異なります。

平均には、65歳未満で主に報酬比例部分のみを受け取っている人や、繰上げ・繰下げを選んだ人、加入期間が短い人も含まれます。概況の参考資料には、65歳未満の厚生年金の受給権者は主に定額部分のない報酬比例部分のみの人であること、65歳未満の国民年金の受給権者は繰上げ支給を選択した人であることに留意が必要だと注記されています。

国民年金の分布|6〜7万円の階級に51.3%が集まる

楓
楓

国民年金の分布は8階級です。一つの階級に受給権者の半数以上が集まる形は、平均だけでは見えません。

国民年金 年金月額階級別 老齢年金受給権者数|2024年度末 単位:人(受給権者ベース)/出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」参考資料4 〜1万円 51,828人(0.2%) 1〜2万円 213,583人(0.6%) 2〜3万円 684,559人(2.0%) 3〜4万円 2,061,539人(6.2%) 4〜5万円 3,880,083人(11.6%) 5〜6万円 6,410,228人(19.2%) 6〜7万円 17,155,059人(51.3%) 7万円〜 2,997,738人(9.0%) 6〜7万円の階級に51.3% ※令和6年度の老齢基礎年金の満額は月額6万8,000円(厚生労働省 令和7年度年金額改定プレスリリース) ※厚生年金の受給者が受け取る老齢基礎年金の分も含む受給権者数です
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月) 参考資料4(国民年金 男女別年金月額階級別老齢年金受給権者数)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

国民年金の老齢年金 受給権者3,345万4,617人のうち、月額6〜7万円の階級に1,715万5,059人が入っています。割合にして51.3%です(📊筆者試算:17,155,059÷33,454,617)。次に多いのは5〜6万円の641万228人(19.2%)で、4〜5万円の388万83人(11.6%)が続きます。受給権者の半数が6〜7万円の1つの階級に集まる分布です。

厚生労働省のプレスリリースによると、令和6年度の老齢基礎年金の満額は月額6万8,000円で、この階級に含まれる金額です。ここで示せる観察は、6〜7万円の階級に51.3%が集まる、というところまでです。7万円以上の階級には299万7,738人(9.0%)が入っており、繰下げ受給などにより満額を上回る人が含まれます。

都道府県別に見る|厚生年金は神奈川17万457円、青森12万8,129円

楓
楓

最後に、都道府県ごとの平均月額を一覧にしました。地方ブロックのタブで切り替えられます。厚生年金は受給者の住所地で集計されています。

都道府県別 老齢年金 受給者の平均年金月額(2024年度末)

地方ブロックのタブで切り替えられます。各表の先頭行は全国値です。厚生年金は受給者の住所地で集計され、基礎年金月額を含みます。

都道府県厚生年金 平均月額国民年金 平均月額
全国151,142円59,431円
北海道141,069円58,435円
青森128,129円57,137円
岩手132,943円60,720円
宮城144,920円59,532円
秋田129,503円59,147円
山形131,169円60,827円
福島136,880円59,922円
都道府県厚生年金 平均月額国民年金 平均月額
全国151,142円59,431円
茨城152,963円59,395円
栃木149,631円59,544円
群馬148,666円60,564円
埼玉161,752円59,007円
千葉165,103円59,354円
東京163,892円58,313円
神奈川170,457円59,342円
都道府県厚生年金 平均月額国民年金 平均月額
全国151,142円59,431円
新潟138,683円61,957円
富山144,644円62,989円
石川141,792円61,923円
福井140,787円62,290円
山梨144,665円59,275円
長野144,668円62,030円
岐阜149,910円61,248円
静岡151,960円61,150円
愛知160,766円60,034円
都道府県厚生年金 平均月額国民年金 平均月額
全国151,142円59,431円
三重151,949円61,403円
滋賀154,456円61,172円
京都151,483円58,206円
大阪156,272円57,122円
兵庫159,086円59,138円
奈良162,292円58,961円
和歌山145,933円57,784円
都道府県厚生年金 平均月額国民年金 平均月額
全国151,142円59,431円
鳥取133,459円61,502円
島根133,918円62,287円
岡山146,429円61,564円
広島150,745円60,991円
山口148,166円61,120円
徳島134,131円58,797円
香川144,026円61,718円
愛媛140,301円59,792円
高知132,202円57,926円
都道府県厚生年金 平均月額国民年金 平均月額
全国151,142円59,431円
福岡145,822円58,300円
佐賀134,191円61,084円
長崎136,825円58,617円
熊本132,740円59,907円
大分136,507円58,397円
宮崎129,224円59,234円
鹿児島133,343円59,659円
沖縄128,819円54,217円
出典:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和7年12月) 参考資料1
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

2024年度末の厚生年金 老齢年金 受給者の平均月額を都道府県別に見ると、最も高いのは神奈川の17万457円、次いで千葉16万5,103円、東京16万3,892円です。最も低いのは青森の12万8,129円で、沖縄12万8,819円、宮崎12万9,224円、秋田12万9,503円が続きます。神奈川と青森の差は4万2,328円です(📊筆者試算:170,457−128,129)。

国民年金の平均月額は都道府県差が小さく、最も高い富山の6万2,989円から最も低い沖縄の5万4,217円まで、幅は8,772円です。厚生年金で上位に並ぶ関東の都県は、国民年金では全国値5万9,431円の前後に並びます。お住まいの都道府県の値は、上の表で確認できます。

楓のまとめ|長期では逆方向、直近2年は同方向

楓
楓

ここまでの図解を通して見ると、厚生年金と国民年金は23年では逆方向に、直近2年では同じ方向に動いていることが確認できます。3つの観察事実に整理してみます。

「年金の受給額はどう変わったか」という問いに対して、本記事で並べた図解は、二つの制度の平均月額が異なる軌道を描いてきたことを示してきました。どの制度の、どの期間の、どの集計単位の平均を見ているかで、読み取れる形は変わります。数値に評価を加えず、観察事実として整理しておきます。

楓の観察整理
3つの観察事実

観察1. 厚生年金の老齢年金 受給者の平均月額は、2002年度末の17万3,565円から2024年度末の15万1,142円へ、23年で2万2,423円(12.9%)下がりました。途中の2022年度末(14万4,982円)が23年の底で、2023・2024年度末は2年続けて前年度末を上回っています。

観察2. 国民年金の老齢年金 受給者の平均月額は、同じ23年で5万2,291円から5万9,431円へ7,140円(13.7%)上がりました。二つの制度は長期では逆方向に動き、直近2年は同じ方向に動いています。

観察3. 厚生年金と国民年金の差は、2002年度末の12万1,274円から2022年度末の8万8,554円まで縮み、2024年度末は9万1,711円です。差は23年で2万9,563円縮まっています。

3つの観察事実は、いずれも受給者全体の平均を年度末ごとに並べたものです。平均が動く要因として厚生労働省が概況に注記しているのは、定額部分の支給開始年齢の段階的な引上げ、集計対象の変更、毎年度の年金額改定などで、本記事はその注記の範囲を超えて要因を特定していません。自分の見込額は「ねんきん定期便」やねんきんネットで確認できます。老後の生活費との対比は老後2000万円問題を現物価で再計算した記事で扱っています。

よくある質問(FAQ)

楓
楓

年金の平均額を読むときは、受給者か受給権者か、どの年度末か、モデル年金額か実受給者の平均か、の3点を確認してください。同じ「平均」でも数字が変わります。

Q1. 記事の平均月額は「自分がもらえる額」の目安になりますか?

目安にはなりません。本記事の数値は老齢年金を受け取っている人全体の平均で、65歳未満で報酬比例部分のみを受け取っている人、繰上げや繰下げを選んだ人、加入期間が短い人まで含めて割った値です。個人の受給額は加入期間と報酬で決まるため、平均から離れることが普通にあります。自分の見込額は日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。

Q2. 報道で見かける「15万289円」と、この記事の「15万1,142円」はなぜ違うのですか?

集計単位の違いです。15万289円は令和6年度末の「受給権者」(全額支給停止中の人を含む)の平均で、15万1,142円は「受給者」(全額支給停止されていない人)の平均です。厚生労働省の概況には両方が載っており、本記事は平成14年度末から連続して掲載がある受給者の系列を主系列にしています。国民年金も同様に受給権者5万9,310円、受給者5万9,431円と2つの値があります。

Q3. 令和8年度の年金額はどう改定されましたか?

日本年金機構の案内によると、令和8年4月分からの年金額は、法律の規定に基づき算出した賃金変動率を基準に改定され、令和7年度と比べて国民年金(基礎年金)は1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の増額改定です。本記事の系列は令和6年度末(2025年3月末)までの確定値のため、この改定の影響は含まれていません。令和7年度末の値は次回の概況で公表されます。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓
楓

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

✦
この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年9月

記事内の主要な数値・事実について、確認の度合いを4段階で示しています。

✅ 一次確認:公式発表・省庁・原典で直接確認 🔍 二次確認:報道など二次情報で確認 📊 筆者試算:一次データを基にした独自計算 ⚠ 要確認:状況により変わるもの
✅ 一次確認

令和6年度末 老齢年金 受給者の平均年金月額:厚生年金保険(第1号)15万1,142円・国民年金 5万9,431円。令和4年度末(14万4,982円・5万6,428円)が直近の底。受給権者ベースでは15万289円・5万9,310円

厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」表6・表9・表20・表23 →
✅ 一次確認

平成14年度末 老齢年金 受給者の平均年金月額:厚生年金保険 17万3,565円・国民年金 5万2,291円(平成14〜18年度末の5年分)

社会保険庁「平成18年度 社会保険事業の概況」表11・表7 →
✅ 一次確認

平成19〜令和元年度末の各値は平成23年度・平成28年度・令和元年度の各概況(表6/国民年金 受給者平均年金月額の表)から転記。5冊で2002〜2024年度末の23年分が欠落なく接続

厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」一覧(各年度PDF) →
✅ 一次確認

系列の定義:厚生年金は平成27年度以降「第1号」(共済組合分を除く)、国民年金は平成29年度以降「老齢年金・25年以上」、平成23年度以前は旧農林共済分の基礎年金月額を含まない。受給資格期間は平成29年8月に25年から10年に短縮

厚生労働省「令和6年度 概況」表6・表20 注記・例言 →
✅ 一次確認

男女別 年金月額階級別 老齢年金受給権者数(令和6年度末):厚生年金 男子平均16万9,967円・女子11万1,413円、国民年金 6〜7万円階級 1,715万5,059人(総数3,345万4,617人)。都道府県別 平均月額は神奈川17万457円〜青森12万8,129円

厚生労働省「令和6年度 概況」参考資料1・3・4 →
✅ 一次確認

マクロ経済スライドの発動は平成27年度が初回で、令和7年度までに計6回。年金額改定率は令和6年度+2.7%・令和7年度+1.9%。令和6年度の老齢基礎年金 満額は月額6万8,000円

厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」(令和7年1月24日) →
✅ 一次確認

令和8年4月分からの年金額は、国民年金(基礎年金)1.9%・厚生年金(報酬比例部分)2.0%の増額改定

日本年金機構「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」 →
📊 筆者試算

23年の増減:厚生年金 173,565−151,142=▲22,423円(▲12.9%)、国民年金 59,431−52,291=+7,140円(+13.7%)、差 121,274→91,711(▲29,563円)。1日あたり:151,142×12÷365=4,969円、59,431×12÷365=1,954円。6〜7万円階級 17,155,059÷33,454,617=51.3%。いずれも編集部 集計

厚生労働省「令和6年度 概況」ほか(元データ) →
⚠ 要確認

本記事の最新値は令和6年度末(2025年3月末)の確定値です。令和7年度末の値は次回の概況(例年12月公表)で更新される見込みで、公表後に本記事の数値を差し替えます。

変更の可能性あり。厚生労働省 概況一覧 →
タイトルとURLをコピーしました