
「日本は何位か」という問いは、まず「いつの順位か」を決めないと答えが定まりません。公表されている最新の順位と、まだ順位が出ていない年を分けて並べると、ランキングの読み方がはっきりします。
世界の観光客数ランキングで、日本は何位になったのか。観光庁が2026年7月に公表した令和8年版観光白書によると、2024年の「外国人旅行者受入数ランキング」で日本は3,690万人を受け入れ、世界9位、アジアでは1位でした。2023年は2,510万人で世界15位でしたから、1年で6ランク動いたことになります。
ただし、この9位は2024年を対象とした順位です。2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人と過去最高を更新しましたが、2025年を対象とする受入数ランキングは、本記事の基準日である2026年8月時点でまだ公表されていません。「最新の順位」と「最新の旅行者数」は、指している年が違います。
本記事では、観光庁の観光白書(令和3年版から令和8年版)と、UN Tourism の World Tourism Barometer という一次資料をもとに、日本の順位の推移、2023年の上位40か国・地域、世界の地域別内訳、そして順位や数字が動く仕組みを図解で整理します。
世界の観光客数ランキングで、日本は何位になったのか。
2024年の集計で世界9位、アジアで1位。2023年の15位から6ランク動いた。
1年で6ランク上昇(15位から9位へ)
本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
世界の観光客数ランキング、日本は2024年に9位

ランキングの記事は「何位か」で終わりがちですが、白書の表には注記が8つ付いています。数字と一緒に注記も読むと、その順位が何を測ったものなのかが見えてきます。
観光庁が2026年7月10日に閣議決定した令和8年版観光白書の概要版は、図表Ⅰ-3で2024年の「外国人旅行者受入数ランキング」を示しています。ここで日本は3,690万人、世界9位、アジアでは1位でした。同じ資料は、2025年の世界全体の国際観光客数を15億2,300万人(前年比4.0%増)としています。
この数値には条件が付いています。白書の注2は、表の数値が2026年1月時点の暫定値であるとしています。注8は、受入数について出典先が100万人単位のところを万人単位に換算した概算値であるとしています。白書の順位は、確定値ではなく特定時点の暫定値にもとづく順位です。
したがって「日本は何位か」に答えるときは、「いつの時点で集計された、いつの年の順位か」をあわせて示す必要があります。本記事では、順位は2024年、国別の内訳は2023年、訪日外国人旅行者数は2025年というように、図解ごとに対象年を明記していきます。
日本の順位はどう動いてきたか

順位の推移は、縦軸を上下ひっくり返して1位を上に置くと読みやすくなります。表に載っていない年は、点を打たずに空けておくのが正確です。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
観光白書の各年版をさかのぼると、日本の順位は次のように動いています。2019年は3,188万人で世界12位、アジアでは3位でした。2020年は412万人で世界21位、アジアでは5位です。2021年は25万人、2022年は383万人で、いずれも上位40か国・地域を並べた表には日本の掲載がありません。
2023年は2,510万人で世界15位、アジアでは2位に戻り、2024年は3,690万人で世界9位、アジアでは1位となりました。5年のあいだに、表の外から9位まで順位が動いています。2021年と2022年について白書は順位を示しておらず、本記事でも数値を補わずに欠測のまま扱っています。
なお、2018年については令和3年版白書が3,119万人で11位と記しています。順位の高さを表す言い方は資料によってばらつきがあるため、本記事では白書が書いている数値と順位だけを並べています。順位が動いた理由については、白書は説明していません。
日本の上には、どの国が並んでいるか

国別の内訳が数字で公表されているのは2023年までです。上位20の横棒と、上位40の一覧表を分けて置くので、気になる国から見てみてください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2023年の集計では、1位がフランスの10,000万人、2位がスペインの8,520万人、3位が米国の6,650万人でした。以下、イタリア5,720万人、トルコ5,520万人と続きます。この年の日本は2,510万人で15位、アジアではタイの2,820万人に次ぐ2位です。
上位40か国・地域の全件は、次の一覧表で確認できます。地域のタブを切り替えると、欧州・アジア・米州・中東とアフリカ・オセアニアごとの並びに絞り込めます。地域の分け方は白書の区分ではなく、読みやすさのために編集部が付けた整理です。
| 世界順位 | 国・地域 | 受入数(万人) |
|---|---|---|
| 1 | フランス | 10,000 |
| 2 | スペイン | 8,520 |
| 3 | 米国 | 6,650 |
| 4 | イタリア | 5,720 |
| 5 | トルコ | 5,520 |
| 6 | メキシコ | 4,190 |
| 7 | 英国 | 3,720 |
| 8 | ドイツ | 3,480 |
| 9 | ギリシャ | 3,270 |
| 10 | オーストリア | 3,090 |
| 11 | タイ | 2,820 |
| 12 | アラブ首長国連邦 | 2,810 |
| 13 | サウジアラビア | 2,740 |
| 14 | ポルトガル | 2,650 |
| 15 | 日本 | 2,510 |
| 16 | オランダ | 2,030 |
| 17 | マレーシア | 2,010 |
| 18 | ポーランド | 1,900 |
| 19 | カナダ | 1,830 |
| 20 | 香港 | 1,720 |
| 21 | クロアチア | 1,690 |
| 22 | エジプト | 1,490 |
| 23 | モロッコ | 1,450 |
| 24 | マカオ | 1,420 |
| 25 | ハンガリー | 1,290 |
| 26 | ベトナム | 1,260 |
| 27 | スイス | 1,110 |
| 28 | 韓国 | 1,100 |
| 29 | アルバニア | 970 |
| 30 | チュニジア | 940 |
| 31 | ベルギー | 930 |
| 32 | キルギス | 860 |
| 33 | 南アフリカ | 850 |
| 34 | ドミニカ共和国 | 810 |
| 35 | スウェーデン | 750 |
| 36 | アルゼンチン | 730 |
| 37 | オーストラリア | 720 |
| 38 | ウズベキスタン | 660 |
| 39 | 台湾 | 650 |
| 40 | アイルランド | 630 |
| 世界順位 | 国・地域 | 受入数(万人) |
|---|---|---|
| 1 | フランス | 10,000 |
| 2 | スペイン | 8,520 |
| 4 | イタリア | 5,720 |
| 5 | トルコ | 5,520 |
| 7 | 英国 | 3,720 |
| 8 | ドイツ | 3,480 |
| 9 | ギリシャ | 3,270 |
| 10 | オーストリア | 3,090 |
| 14 | ポルトガル | 2,650 |
| 16 | オランダ | 2,030 |
| 18 | ポーランド | 1,900 |
| 21 | クロアチア | 1,690 |
| 25 | ハンガリー | 1,290 |
| 27 | スイス | 1,110 |
| 29 | アルバニア | 970 |
| 31 | ベルギー | 930 |
| 35 | スウェーデン | 750 |
| 40 | アイルランド | 630 |
| 世界順位 | 国・地域 | 受入数(万人) |
|---|---|---|
| 11 | タイ | 2,820 |
| 15 | 日本 | 2,510 |
| 17 | マレーシア | 2,010 |
| 20 | 香港 | 1,720 |
| 24 | マカオ | 1,420 |
| 26 | ベトナム | 1,260 |
| 28 | 韓国 | 1,100 |
| 32 | キルギス | 860 |
| 38 | ウズベキスタン | 660 |
| 39 | 台湾 | 650 |
| 世界順位 | 国・地域 | 受入数(万人) |
|---|---|---|
| 3 | 米国 | 6,650 |
| 6 | メキシコ | 4,190 |
| 19 | カナダ | 1,830 |
| 34 | ドミニカ共和国 | 810 |
| 36 | アルゼンチン | 730 |
| 世界順位 | 国・地域 | 受入数(万人) |
|---|---|---|
| 12 | アラブ首長国連邦 | 2,810 |
| 13 | サウジアラビア | 2,740 |
| 22 | エジプト | 1,490 |
| 23 | モロッコ | 1,450 |
| 30 | チュニジア | 940 |
| 33 | 南アフリカ | 850 |
| 世界順位 | 国・地域 | 受入数(万人) |
|---|---|---|
| 37 | オーストラリア | 720 |
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
一覧を眺めると、上位10のうち8か国が欧州です。アジアからはタイ、日本、マレーシア、香港、マカオ、ベトナム、韓国、キルギス、ウズベキスタン、台湾の10の国・地域が上位40に入っています。国際的な順位の指標という点では、日本のパスポート順位の推移や世界の幸福度ランキングも同じ読み方が使えます。
同じ年の数字が、あとから動く

ランキングを扱うときに一番効くのは、同じ機関の同じ指標が版をまたいで変わる、という事実です。2つの版を重ねると、その動き方が目で見えます。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
UN Tourism が2026年1月に公表した版では、世界の国際観光客数は2023年が1,322百万人、2024年が1,465百万人、2025年が1,523百万人でした。同じ機関が2026年5月に公表し7月に改定した版では、それぞれ1,336百万人、1,472百万人、1,546百万人となっています。
2025年の差は23百万人、日本語の表記に直すと2,300万人です。同じ年の世界計が、半年のあいだに2,300万人ぶん動いたことになります。この差は、2025年の訪日外国人旅行者数4,268万人の約54%にあたります(2,300万人÷4,268万人)。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
2025年の地域別内訳は、欧州が793.5百万人、アジア太平洋が330.7百万人、米州が218.1百万人、中東が99.8百万人、アフリカが81.3百万人です。2019年と比べると、中東が39%増、アフリカが17%増、欧州が6%増で、米州は1%減、アジア太平洋は9%減となっています。2019年を下回っているのはアジア太平洋だけです。
白書の数値は特定時点の暫定値です。令和8年版の注2は「本表の数値は2026年1月時点の暫定値である」とし、注7は数値が追って発表されたり遡って更新されたりするため、採用時期によって順位が変わり得るとしています。
注1は、外国人旅行者数が国・地域ごとに異なる統計基準から算出・公表されているため、比較には注意を要するとしています。注5は、採用値が一部の国・地域を除き原則として1泊以上した外国人訪問者数であるとしています。
注3は、2024年の数値が未発表の国について2023年の数値を採用したとしています。注4は、中国・デンマーク・ロシアについて2023年の数値が未発表であるため、過去の数値を採用しないとしています。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
白書の表には、順位の読み方を決める注記が付いています。数値は特定時点の暫定値であること、国・地域ごとに統計基準が異なること、数値が未発表の国は表から外れること。この3点をあわせて読むと、白書の順位が「数値を公表した国の中での順位」であることがわかります。
2025年の訪日客は4,268万人。ただし順位はまだ出ていない

訪日外客数とランキング表の受入数は、似ていますが別の系列です。この節の縦棒は訪日外客数のほうなので、前の節の順位とは混ぜずに読んでください。
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
訪日外国人旅行者数は、2015年の1,974万人から2019年の3,188万人まで増え、2020年は412万人、2021年は25万人まで落ち込みました。2022年は383万人、2023年は2,507万人、2024年は3,687万人と戻り、2025年は4,268万人(前年比15.8%増)で過去最高となっています。
2025年の4,268万人は、2019年の3,188万人の約1.34倍です(42,683,600人÷31,882,049人)。1日あたりに直すと約11.7万人が入国している計算になります(42,683,600人÷365日)。それでも、2025年を対象とする受入数ランキングはまだ公表されていません。
つまり2026年8月の時点では、「2025年に日本は何位だったか」という問いに答えられる公表資料が存在しません。本記事でも、2025年の順位を推測することはしていません。来た人が何にいくら使ったかについては、訪日外国人の国別消費額のデータで別に整理しています。
楓のまとめ|順位は「公表した国の中での順位」

ここまでの図解を、3つの観察事実に畳んでおきます。どれも白書と UN Tourism の資料に書かれていることだけで組み立てています。
「世界の観光客数ランキングで日本は何位か」という問いに対して、本記事で並べた図解は、答えが「いつの集計を、どの版で、どの国を含めて見るか」に左右されることを示してきました。数値そのものに優劣をつけるのではなく、見え方の違いを観察事実として整理しておきます。
3つを重ねて読むと、ランキングの順位は固定された事実ではなく、集計時点・統計基準・掲載国の3つで形が変わる数字だとわかります。順位を比べるときは、どの資料の、いつ時点の数字かをあわせて確認する必要があります。2024年の日本が9位だったこと、そして2025年の順位がまだ出ていないこと。この2つを分けて持っておくのが、いまの時点でいちばん正確な状態です。
よくある質問(FAQ)

ランキングを見るときは、対象年・公表版・掲載国の3点をセットで確認してください。この3点が変わるだけで、同じ指標でも順位が変わります。
Q1. 2025年の世界ランキングで、日本は何位ですか?
2026年8月時点で、2025年を対象とする「外国人旅行者受入数ランキング」は公表されていません。公表されている最新の順位は2024年のもので、日本は3,690万人で世界9位、アジアでは1位です。なお2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人で、過去最高を更新しています。
Q2. 世界で最も外国人旅行者を受け入れている国はどこですか?
国別の内訳が公表されている直近の2023年の集計では、フランスが10,000万人で1位、スペインが8,520万人で2位、米国が6,650万人で3位でした。いずれも観光庁が UN Tourism 資料をもとに作成した表の値で、2025年1月時点の暫定値です。
Q3. なぜ順位や数字が資料によって違うのですか?
観光庁の白書は、数値が特定時点の暫定値であること、国・地域ごとに統計の基準が異なること、数値が未発表の国は表から外れることを注記しています。また UN Tourism 自身も、同じ年の世界計を版ごとに改定しています。順位や数字を比べるときは、どの資料の、いつ時点の数字かを確認する必要があります。
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