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子どもの体力は落ちたのか|体力テスト60年の推移を図解【2026年】

子どもの体力は落ちたのか|体力テスト60年の推移を図解
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楓

「子どもの体力は落ちたのか」という問いは、種目ごとに答えが分かれます。60年分の記録を1本ずつ並べると、縮んだ種目と伸びた種目がはっきりと分かれて見えてきます。

「子どもの体力が落ちた」という言い方は広く使われていますが、スポーツ庁の体力・運動能力調査を60年分たどると、種目によって向きが正反対です。11歳(小学5年生相当)男子のソフトボール投げは、昭和40年度の34.40mから令和6年度の25.67mへ8.73m縮みました。一方、反復横とびは37.10点から45.91点へ8.81点伸びています。落ちた種目と、上がった種目が同じ60年のなかに同居しているのが、この調査から見える形です。

縮んだ8.73mは、バレーボールコートの短い辺(9m)にほぼ相当する長さです。同じ60年で、11歳男子の身長は138.5cmから146.0cmへ7.5cm、体重は32.2kgから39.6kgへ7.4kg増えました。体は大きくなり、投げる距離は縮んでいます。

本記事では、スポーツ庁「体力・運動能力調査」と文部科学省「学校保健統計調査」の令和6年度確定値をもとに、60年の比較ができる4種目(握力・50m走・反復横とび・ソフトボール投げ)と体格2指標を、同じ指数の軸に並べて図解します。あわせて、この調査が答えていることと、答えていないことも整理します。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

子どもの体力は、本当に落ちたのか。

落ちた種目と、上がった種目があります。

小学5年生(11歳)男子|ソフトボール投げ -8.73m 昭和40年度 34.40m → 令和6年度 25.67m(-25.4%) 減少 / Decreased
小学5年生(11歳)男子|反復横とび 1.24 昭和40年度 37.10点 → 令和6年度 45.91点 増加 / Increased
昭和40年度
34.40m
調査開始期
平成10年度
29.77m
新体力テスト移行
平成22年度
30.78m
平成期の高い値
令和6年度
25.67m
最新の確定値

Source

スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)/文部科学省「学校保健統計調査」(令和6年度)

楓の整理
この記事の要点

◆ 11歳男子のソフトボール投げは昭和40年度34.40m、令和6年度25.67m。60年で8.73m(25.4%)縮みました。
◆ 同じ60年で反復横とびは37.10点から45.91点へ8.81点(23.7%)伸び、50m走は8.80秒から8.90秒でほぼ横ばいです。
◆ 身長は7.5cm、体重は7.4kg増えています。調査は記録の変化を示しますが、その理由には触れていません。

出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度・2025年10月7日公表)/文部科学省「学校保健統計調査」(令和6年度・2025年2月12日公表)。昭和40年度からの年次推移は令和5年度報告書の参考資料(2026年5月11日更新)に基づきます。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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投げる距離は60年で約4分の1縮んだ|ソフトボール投げの推移

楓

60年分の記録は、平成9年度までが5年おき、平成10年度からが毎年という粗さの違う点の集まりです。折れ線で並べると、どのあたりから水準が下がっていったのかが見えてきます。

ソフトボール投げの記録|11歳(小学5年生相当)の60年 単位:メートル / 昭和40年度〜令和6年度 15 20 25 30 35 平成10年度 新体力テスト移行 令和2年度 実施時期・標本数が相違 34.40m 19.30m 25.67m 15.68m 60年で約4分の1減 昭和40年度 昭和55年度 平成10年度 平成22年度 令和6年度 男子 女子 ※ 平成9年度以前は5年おきの値です。令和2年度は実施時期・標本数が異なります。
出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)ほか
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

体力・運動能力調査は昭和39年から毎年実施されており、令和6年度で第61回になります。このうちソフトボール投げは、平成10年度の新体力テストへの移行をはさんでも6歳から11歳までの測定が続いており、60年をつなげて見ることができる数少ない種目のひとつです。

11歳男子の記録は、昭和40年度が34.40m、昭和55年度が35.14mで、本記事が参照する5年おきの値のなかではこの昭和55年度が最も長い水準です。その後は平成元年度32.97m、平成5年度31.73mと下がり、平成10年度は29.77mで30mを下回りました。平成20年度から平成22年度にかけては30.37m、30.57m、30.78mと持ち直した時期もあります。

平成25年度に28.41mとなってからは下向きの動きが続き、令和3年度25.43m、令和4年度25.39m、令和5年度25.80m、令和6年度25.67mと、25m台の水準に並んでいます。昭和40年度との差は8.73m、率にすると25.4%の縮小です。女子も19.30mから15.68mへ3.62m(18.8%)縮んでおり、方向は男女で同じです。

なお、令和6年度は最低値ではありません。本記事が参照する年次推移のなかで11歳男子の最も短い年は令和4年度の25.39m、女子も同じ令和4年度の15.22mです。令和3年度から令和6年度は、いずれも近い水準に並んでいる状態と読むのが正確です。

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落ちた種目と上がった種目を、同じ指数の軸に並べる

楓

メートル、秒、点、キログラム。種目ごとに単位が違うので、そのままでは比べられません。昭和40年度を100とした指数にそろえると、増減の向きが1枚で見比べられます。

昭和40年度を100とした60年後の水準|11歳男子・6指標 指数(昭和40年度=100)/令和6年度の値 70 80 90 100 110 120 130 昭和40年度=100 落ちた ソフトボール投げ 74.6 34.40m → 25.67m 握力 95.6 20.20kg → 19.31kg ほぼ変わらない 50m走(速度に換算) 98.9 8.80秒 → 8.90秒 上がった 身長 105.4 138.5cm → 146.0cm 体重 123.0 32.2kg → 39.6kg 反復横とび 123.7 37.10点 → 45.91点 6指標で唯一の大幅減 ※ 50m走は秒数のままだと増加が「遅くなった」を意味するため、速度(50÷秒)に換算してから指数にしています。 ※ 身長・体重は学校保健統計調査、ほかの4種目は体力・運動能力調査の値です。
出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)/文部科学省「学校保健統計調査」(令和6年度)ほか
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

60年の比較ができるのは、握力・50m走・反復横とび・ソフトボール投げの4種目です。上体起こし・長座体前屈・立ち幅とび・20mシャトルラン・新体力テスト合計点は平成10年度からの系列で、昭和40年度の値が存在しません。ここでは前者の4種目に、学校保健統計調査の身長・体重を加えた6指標を指数にそろえました。

令和6年度の水準を昭和40年度=100で表すと、ソフトボール投げ74.6、握力95.6、50m走98.9、身長105.4、体重123.0、反復横とび123.7になります。6つのうち大きく下がっているのはソフトボール投げだけで、ほかの5指標は95以上に収まっています

50m走は秒数で記録されるため、数字が増えることは遅くなることを意味します。そのまま指数にすると向きが逆になるので、ここでは速度(50÷秒)に換算してから指数にしました。握力は男子が20.20kgから19.31kgへ0.89kg減った一方、女子は18.40kgから19.36kgへ0.96kg増えており、男女で向きが分かれています。

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50m走はほとんど変わっていない|60年で0.10秒の差

楓

横ばいは、図では最も見せにくい形です。縦軸の幅を8.6秒から9.4秒に絞って、それでも線が平らに見えるかどうかを確かめました。

50m走の記録|11歳(小学5年生相当)の60年 単位:秒(上にあるほど速い)/縦軸は8.6〜9.4秒に拡大しています 8.6秒 8.8秒 9.0秒 9.2秒 9.4秒 男子 8.80秒 女子 9.20秒 男子 8.90秒 女子 9.24秒 60年で0.10秒の差 昭和40年度 昭和55年度 平成10年度 平成22年度 令和6年度 ※ 変化を見やすくするため縦軸の範囲を0秒からではなく8.6〜9.4秒に絞っています。 ※ 平成9年度以前は5年おきの値です。令和2年度は実施時期・標本数が異なります。
出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)ほか
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

11歳男子の50m走は、昭和40年度が8.80秒、令和6年度が8.90秒です。60年での差は0.10秒、率にすると1.1%遅くなった計算になります。女子も9.20秒から9.24秒で、差は0.04秒です。投げる距離が25.4%縮んだのと同じ60年に、走る速さはほぼ動いていません

年ごとに見ると、男子は平成27年度から平成30年度にかけて8.78秒から8.79秒とやや速い時期があり、令和4年度は8.94秒とやや遅い年もあります。ただし振れ幅は0.2秒に収まっており、60年を通した水準としては同じ帯のなかを動いていると読めます。

この図は縦軸を0秒からではなく8.6秒から9.4秒に絞って描いています。範囲を狭めると小さな差が大きく見えるため、拡大していることを図の中にも明記しました。それでも線が平らに近いことが、この種目の60年の姿です。

伸びた種目もある|反復横とびと上体起こしの推移

楓

上がった種目は2つの図に分けました。比較できる期間が60年と27年で違うため、同じ横軸に載せないほうが誤解が起きません。

記録が伸びた種目|11歳(小学5年生相当) 上下2つの図は比較できる期間が異なります(60年/27年) 反復横とび(20秒間の通過回数) 昭和40年度 男子37.10点・女子36.50点(60年比較が可能) 35 40 45 男子 45.91点 女子 42.95点 昭和40年度 昭和55年度 平成10年度 平成22年度 令和6年度 ※ 平成9年度以前は5年おきの値です。令和2年度は実施時期・標本数が異なります。 60年で2割以上増 上体起こし(30秒間の回数) 平成10年度 男子19.02回・女子16.28回(60年比較はできません) 16 20 24 男子 22.45回 女子 20.15回 平成10年度 平成20年度 平成30年度 令和6年度 ※ 上体起こしは新体力テストで新設された種目のため、昭和40年度の値は存在しません。
出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)ほか
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

反復横とびは、中央のラインの両側100cmに引いた線を20秒間でまたぎ、通過するたびに1点を数える種目です。11歳男子は昭和40年度37.10点から令和6年度45.91点へ8.81点(23.7%)、女子は36.50点から42.95点へ6.45点(17.7%)伸びました。令和6年度の値は昭和40年度の1.24倍にあたります

男子の最も高い年は平成30年度の47.02点で、令和期はそこから45点台後半で推移しています。令和2年度は実施時期や標本数が異なるため、この年単独の増減は取り出して論じないほうが正確です。

上体起こしは新体力テストで加わった種目で、比較できるのは平成10年度からの27年です。11歳男子は19.02回から22.45回、女子は16.28回から20.15回へ増えています。新体力テストの合計点も、男子は平成10年度59.19点から令和6年度60.96点、女子は58.56点から60.97点で、平成10年度の水準は上回っています。ただし男女とも平成30年度(男子62.40点・女子63.29点)からは下がっています。

体は大きくなり、投げる距離は縮んだ|2つの統計を重ねる

楓

体力の調査と、身長・体重の調査は別々の統計です。同じ11歳を同じ指数の軸に載せると、2つの統計をまたいだ対比が1枚で見られます。

体格は伸び、投げる距離は縮んだ|11歳男子・指数で比較 昭和40年度の値を100としたときの令和6年度の水準 70 85 100 115 130 指数 昭和40年度 令和6年度 123.0 体重 32.2kg → 39.6kg 105.4 身長 138.5cm → 146.0cm 74.6 ソフトボール投げ 34.40m → 25.67m 3指標とも100 体は大きく、投距離は逆向き ※ 身長・体重は学校保健統計調査、ソフトボール投げは体力・運動能力調査の値です。 ※ 途中年度の身長・体重は本図では描いていません。両端の2時点を直線で結んでいます。
出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)/文部科学省「学校保健統計調査」(令和6年度)ほか
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

文部科学省の学校保健統計調査によると、11歳男子の身長は昭和40年度138.5cmから令和6年度146.0cmへ7.5cm、体重は32.2kgから39.6kgへ7.4kg増えています。女子も身長140.4cmから147.8cmへ7.4cm、体重33.7kgから40.1kgへ6.4kg増えました。

昭和40年度を100とすると、令和6年度の身長は105.4、体重は123.0です。同じ指数でソフトボール投げは74.6ですから、体格の2指標と投能力は、同じ60年のなかで逆の向きに動いています

ここで注意したいのは、この2つの統計が体格と投能力の関係を説明しているわけではないという点です。体力・運動能力調査は記録を測る調査で、学校保健統計調査は発育状態を測る調査です。どちらも、なぜ変化したのかという問いには答えていません。世間では外遊びの機会や生活習慣の変化などが理由として語られますが、この2つの調査からその関係を読み取ることはできません。

種目別に、60年分の数値を確かめる

楓

図では線の形しか分かりません。実際の数値を種目ごとにまとめました。3つのタブを切り替えると、それぞれの年度の値をそのまま確認できます。

ソフトボール投げ(11歳・単位:m)

昭和40年度から令和6年度まで。平成9年度以前は5年おき、平成10年度以降は毎年の値です。

年度男子女子
昭和40年度34.4019.30
昭和45年度34.9020.70
昭和50年度34.0019.90
昭和55年度35.1421.26
昭和60年度33.9820.52
平成元年度32.9719.08
平成5年度31.7317.55
平成10年度29.7717.49
平成11年度30.2517.06
平成12年度30.4317.03
平成13年度29.9417.26
平成14年度30.8617.49
平成15年度30.4217.19
平成16年度30.1917.15
平成17年度29.8017.81
平成18年度29.4617.24
平成19年度29.9517.49
平成20年度30.3717.87
平成21年度30.5717.82
平成22年度30.7817.45
平成23年度29.6617.54
平成24年度29.5817.41
平成25年度28.4116.85
平成26年度27.8916.38
平成27年度27.4116.50
平成28年度27.2116.47
平成29年度26.8116.33
平成30年度27.8616.80
令和元年度26.6516.38
令和2年度26.6116.55
令和3年度25.4315.97
令和4年度25.3915.22
令和5年度25.8015.76
令和6年度25.6715.68

50m走(11歳・単位:秒/数字が小さいほど速い)

昭和40年度から令和6年度まで。平成9年度以前は5年おきの値です。

年度男子女子
昭和40年度8.809.20
昭和45年度8.809.10
昭和50年度8.809.10
昭和55年度8.779.04
昭和60年度8.759.00
平成元年度8.799.06
平成5年度8.769.08
平成10年度8.939.26
平成11年度8.939.26
平成12年度8.899.24
平成13年度9.039.26
平成14年度8.969.26
平成15年度8.919.25
平成16年度8.899.22
平成17年度8.959.20
平成18年度8.899.22
平成19年度8.919.19
平成20年度8.889.23
平成21年度8.909.23
平成22年度8.829.17
平成23年度8.889.18
平成24年度8.819.13
平成25年度8.909.12
平成26年度8.859.16
平成27年度8.789.12
平成28年度8.799.16
平成29年度8.799.12
平成30年度8.789.12
令和元年度8.879.15
令和2年度8.919.17
令和3年度8.849.16
令和4年度8.949.26
令和5年度8.859.21
令和6年度8.909.24

立ち幅とび(cm)・20mシャトルラン(回)

新体力テストで加わった種目のため、平成10年度からの値です。昭和40年度との比較はできません。

年度立幅男子立幅女子シャトル男子シャトル女子
平成10年度168.87156.6052.9841.49
平成20年度166.79155.1561.9647.66
平成30年度167.08158.5465.4951.19
令和元年度164.07156.0163.4251.56
令和2年度166.85158.1056.5446.49
令和3年度166.33155.7661.1647.52
令和4年度166.14154.7157.4645.08
令和5年度166.70155.2659.4644.43
令和6年度166.56155.6159.9645.55

握力(kg)・反復横とび(点)

どちらも昭和40年度から令和6年度まで比較できる種目です。

年度握力男子握力女子横とび男子横とび女子
昭和40年度20.2018.4037.1036.50
昭和45年度20.5019.3040.2039.10
昭和50年度21.7020.9039.5038.30
昭和55年度21.6420.5941.2439.56
昭和60年度21.0820.4942.7241.21
平成元年度21.3219.6241.5439.47
平成5年度21.8820.2142.3238.97
平成10年度20.9819.9341.3138.22
平成11年度21.0520.0542.4338.67
平成12年度20.6219.5743.5039.67
平成13年度20.8719.9643.4340.21
平成14年度21.1520.0443.5840.44
平成15年度20.5119.3644.8841.53
平成16年度20.3119.5744.8641.21
平成17年度20.4919.9844.6742.02
平成18年度20.1919.4644.9042.10
平成19年度20.3319.5945.1542.05
平成20年度20.1319.9745.4342.40
平成21年度20.1619.8945.4142.12
平成22年度20.3019.6646.5643.25
平成23年度19.9019.7245.7642.98
平成24年度19.8419.2745.8642.98
平成25年度20.0419.7445.7943.02
平成26年度19.8019.4246.1543.64
平成27年度20.2619.7346.6543.87
平成28年度19.7619.7046.7043.88
平成29年度20.0219.5846.9844.35
平成30年度19.7019.3747.0244.63
令和元年度19.4319.2346.2744.19
令和2年度20.4219.8645.8744.05
令和3年度19.7719.5345.8643.44
令和4年度19.4818.6645.5142.15
令和5年度19.8819.3645.5542.66
令和6年度19.3119.3645.9142.95

上体起こし(回)・長座体前屈(cm)・新体力テスト合計点(点)

いずれも平成10年度からの系列です。昭和40年度との比較はできません。

年度起こし男起こし女前屈男前屈女合計男合計女
平成10年度19.0216.2835.5639.1659.1958.56
平成20年度21.6019.2234.4939.1161.2961.37
平成30年度22.9821.1035.4940.7162.4063.29
令和元年度22.6620.8435.7241.0261.2962.72
令和2年度21.3819.6736.0240.5560.4061.72
令和3年度21.6519.6635.7840.7160.7861.59
令和4年度21.6319.4836.6141.1460.2660.23
令和5年度22.0719.8936.2040.9260.8660.86
令和6年度22.4520.1536.4841.2160.9660.97
出典:スポーツ庁「体力・運動能力調査」(令和6年度)ほか
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

表の値はいずれも11歳の平均値です。令和6年度の標本数は全体で74,194人、回収は59,444人で回収率は80.1%、このうち小学校は13,536人中13,534人が回収され、回収率は100.0%でした。

ソフトボール投げの記録は、ソフトボール1号球を直径2mの円内から投げ、メートル未満を切り捨てて記録する決まりになっています。平均値を読むときは、この切り捨てが含まれていることも前提になります。

なお、小学5年生と中学2年生を対象にした「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」は、平成20年度から実施されている別の調査です。都道府県別の結果はそちらで公表されており、本記事が使っている体力・運動能力調査とは調査対象も期間も異なります。

楓のまとめ|「体力が落ちた」は、種目ごとに分かれる

楓

6つの指標を同じ軸に並べ終えたので、観察できたことを4つに整理します。4つめは、この調査が答えていないことについてです。

「子どもの体力は落ちたのか」という問いに対して、本記事で並べた図解は、種目によって向きが正反対であることを示してきました。どの種目を見るか、どの期間で区切るかによって、読み取れる姿は変わります。数値そのものに良し悪しをつけるのではなく、観察できた事実として整理しておきます。

楓の観察整理
4つの観察事実

観察1.落ちた。 11歳男子のソフトボール投げは、昭和40年度34.40mから令和6年度25.67mへ8.73m(25.4%)縮みました。女子も19.30mから15.68mへ3.62m(18.8%)縮んでいます。60年の比較ができる4種目のなかで、これだけが大きく下がっています。

観察2.変わらない。 同じ60年で、11歳男子の50m走は8.80秒から8.90秒、女子は9.20秒から9.24秒です。差はそれぞれ0.10秒と0.04秒で、縦軸を8.6秒から9.4秒に絞って拡大しても、線はほぼ平らなままでした。

観察3.上がった。 反復横とびは37.10点から45.91点へ8.81点(23.7%)伸び、令和6年度は昭和40年度の1.24倍です。同じ期間に身長は138.5cmから146.0cm、体重は32.2kgから39.6kgへ増えました。体格の指数105.4・123.0に対し、ソフトボール投げは74.6です。

観察4.調査が答えていないこと。 体力・運動能力調査も学校保健統計調査も、記録や発育の状態を測る調査です。なぜ変化したのかを特定する設計にはなっていません。本記事の図解も、変化の向きと大きさを示すところまでで、その理由には触れていません。

4つの観察事実を重ねて読むと、「子どもの体力」という一つのまとまりが、実際には種目ごとに別々の動きをしていることが見えてきます。投げる距離は縮み、走る速さはほぼ変わらず、反復横とびは伸びました。この3つは同じ60年、同じ11歳の記録です。「子どもの体力は落ちたのか」への答えは、どの種目を見ているかで変わる、という観察事実そのものが、60年分のデータから読み取れるいちばん確かな形です。

よくある質問(FAQ)

楓

体力テストの数値を読むときは、種目・年度・比較の基準の3点をそろえて確認してください。この3点が変わるだけで、同じデータから読み取れる話が変わります。

Q1. 「子どもの体力が落ちた」とまとめて言ってよいのですか?

種目によって向きが逆なので、ひとまとめにはできません。11歳男子で見ると、ソフトボール投げは昭和40年度34.40mから令和6年度25.67mへ25.4%縮んだ一方、反復横とびは37.10点から45.91点へ23.7%伸びています。50m走は8.80秒から8.90秒でほぼ横ばいです。新体力テストの合計点も、平成30年度からは下がっているものの平成10年度は上回っています。「どの種目が」「どの年度と比べて」を添えると、正確に伝わります。

Q2. ソフトボール投げの記録が縮んだ理由は何ですか?

体力・運動能力調査は記録を測定する調査で、変化の理由を特定する設計にはなっていません。そのため、この調査から理由を読み取ることはできません。報道や解説では外遊びの機会、生活の変化、競技人口の移り変わりなどが挙げられることがありますが、本記事ではそれらを原因として扱っていません。示せるのは、記録がどの向きにどれだけ動いたかまでです。

Q3. 令和6年度は過去最低の記録なのですか?

ソフトボール投げについては、過去最低ではありません。本記事が参照している年次推移のなかで11歳男子の最も短い年は令和4年度の25.39m、女子も令和4年度の15.22mです。令和6年度は男子25.67m、女子15.68mでした。令和3年度から令和6年度は近い水準に並んでいる状態で、この4年のあいだで最低というわけでもありません。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓

当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年8月

記事内の主要な数値・事実について、確認の度合いを4段階で示しています。

✅ 一次確認:公式発表・省庁・原典で直接確認 🔍 二次確認:報道など二次情報で確認 📊 筆者試算:一次データを基にした独自計算 ⚠ 要確認:状況により変わるもの
✅ 一次確認

令和6年度の11歳の平均値:ソフトボール投げ 男子25.67m・女子15.68m/反復横とび 男子45.91点・女子42.95点/50m走 男子8.90秒・女子9.24秒/握力 男子19.31kg・女子19.36kg

スポーツ庁 令和6年度 体力・運動能力調査 報告書 統計数値表 →
✅ 一次確認

昭和40年度からの年次推移:ソフトボール投げ 男子34.40m・女子19.30m/反復横とび 男子37.10点・女子36.50点/50m走 男子8.80秒・女子9.20秒/握力 男子20.20kg・女子18.40kg(いずれも昭和40年度・11歳)

スポーツ庁 令和5年度 報告書 参考資料 体力・運動能力の推移(2026年5月11日更新) →
✅ 一次確認

令和6年度の11歳の体格:身長 男子146.0cm・女子147.8cm/体重 男子39.6kg・女子40.1kg(昭和40年度は身長男子138.5cm・体重男子32.2kg)

文部科学省 令和6年度 学校保健統計(確定値・2025年2月12日公表) →
✅ 一次確認

調査の設計:昭和39年以来毎年実施で令和6年度は第61回。平成10年度に新体力テストへ移行。令和6年度の標本数74,194人・回収59,444人(回収率80.1%)、うち小学校は13,536人中13,534人(100.0%)。令和2年度は実施時期・標本数が異なる。

スポーツ庁 令和6年度 体力・運動能力調査 結果の概要 →
📊 筆者試算

60年の増減(編集部の計算):ソフトボール投げ男子 25.67 − 34.40 = −8.73m(−8.73 ÷ 34.40 = −25.4%)/反復横とび男子 45.91 − 37.10 = +8.81点(+23.7%・45.91 ÷ 37.10 = 1.24倍)/50m走男子 8.90 − 8.80 = +0.10秒/身長男子 146.0 − 138.5 = +7.5cm/体重男子 39.6 − 32.2 = +7.4kg

計算のもとにした年次推移(スポーツ庁 参考資料) →
📊 筆者試算

指数(昭和40年度=100・11歳男子):ソフトボール投げ 25.67 ÷ 34.40 × 100 = 74.6/握力 95.6/50m走は速度換算(50 ÷ 8.90 = 5.618m/秒、50 ÷ 8.80 = 5.682m/秒)で 98.9/身長 105.4/体重 123.0/反復横とび 123.7

指数の分子にした令和6年度の値(スポーツ庁 統計数値表) →
📊 筆者試算

実感換算:縮んだ8.73mはバレーボールコートの短い辺(9m)にほぼ相当します。計算式は 8.73 ÷ 9 = 0.97。25mプールに換算すると 8.73 ÷ 25 = 34.9% にあたります。

換算のもとにした記録(スポーツ庁 参考資料) →
⚠ 要確認

本記事は確定値どうしを比較するため、令和6年度を最新年として統一しています。令和7年度の速報13件は2026年3月31日にe-Statで公開されていますが本記事では使用していません。令和7年度の確定値が公表されると、最新年が更新される可能性があります。

変更の可能性あり。e-Stat 体力・運動能力調査 ファイル一覧 →
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