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卵の値段はどう決まるか|鶏卵相場の仕組みと値上がり、東京の1パック価格25年を図解【2026年】

卵の値段はどう決まるか|鶏卵相場の仕組みと値上がり、東京の1パック価格25年を図解【2026年】
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楓
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卵の値段は、飼料、鶏の数、相場、店頭の4つの段階に分けて数字を並べると、どこで決まりどう動くかが見えてきます。総務省と農林水産省の統計で、東京の1パックの値段を25年分たどります。

卵の値段は、どのように決まるのでしょうか。店頭の値段は、配合飼料などの生産コストと卵を産む鶏の数を土台に、JA全農たまごが平日に発表する相場(東京Mサイズ基準値)を経てつけられます。総務省の小売物価統計調査では、東京都区部の卵1パック(10個入り)は2026年9月に324円で、1個あたり32.4円です。1パック10個の表示になった2002年7月以降で、最も高い値段です。

相場は短い期間に大きく動くことがあり、2023年6月から2024年1月までの半年で48.4%下がりました。同じ期間に、店頭の1パックの値段は1.6%の下落でした。本記事では、総務省「小売物価統計調査」、農畜産業振興機構(ALIC)が掲載するJA全農たまごの相場、農林水産省の畜産統計・鳥インフルエンザの発生状況・鶏卵の価格安定制度の資料をもとに、5つの図解と3つの表で卵の値段の決まり方を整理します。

EVIDENCE / 可視化pediaの結論

卵の値段は、どのような仕組みで決まるのか。

飼料と鶏の数を土台に、JA全農たまごの相場を経て店頭の値段がつく。

  1. 01 飼料 9.4万円 配合飼料1トンの工場渡価格(2026年8月)
  2. 02 鶏の数 1.39億 卵を産む成鶏めすの羽数(2026年2月1日)
  3. 03 相場 298円 JA全農たまご 東京Mサイズ 1kg(2026年9月)
  4. 04 店頭 324円 東京都区部 1パック10個(2026年9月)

SOURCE

総務省「小売物価統計調査」(東京都区部)、JA全農たまご「相場情報」(ALIC 国内統計資料)、農林水産省「畜産統計」、配合飼料供給安定機構「飼料月報」(ALIC 国内統計資料)をもとに編集部集計

※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

楓の整理
この記事の要点

◆ 卵の値段は、飼料(配合飼料1トン9万3,916円)、鶏の数(成鶏めす1億3,860万2,000羽)、相場(東京Mサイズ1kg298円)、店頭(東京都区部1パック324円)の4段階で見ると流れがつかめます。
◆ 東京都区部の1パックの年平均は、2022年の238.8円から2026年1〜9月の318.9円へ80.1円高くなり、2026年9月の324円は2002年7月以降で最も高い値です。
◆ 相場が2023年6月から2024年1月に349円から180円へ48.4%下がった間、店頭の1パックは311円から306円へ1.6%の下落にとどまりました。

出典:総務省「小売物価統計調査」(東京都区部)、JA全農たまご「相場情報」(ALIC 国内統計資料)、農林水産省「畜産統計」、ALIC「配合飼料の価格動向」。差と変化率は編集部の試算です。

本記事は楓が調査・編集しています。掲載情報は執筆時点のものです。数値・制度・サービス内容は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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卵の値段が店頭に届くまで|飼料・鶏・相場・店頭の4段階

楓
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卵の値段が決まるまでの流れを、4つの段階に分けて並べました。上から飼料、鶏の数、相場、店頭の順で、点線の枠は相場の下支えの基準です。

卵の値段が店頭に届くまで|4つの段階 各段階の最新の数値(段階ごとに単位が違います) 01 飼料 9万3,916円/トン 配合飼料の工場渡価格(全畜種の加重平均・2026年8月) 農林水産省の資料では、生産コストの約6割が飼料費 02 鶏の数 1億3,860万2,000羽 卵を産む成鶏めす(6か月齢以上)の数(2026年2月1日) 2023年は前年より6.3%少ない1億2,857万9,000羽 03 相場 298円/kg JA全農たまごの荷受相場・東京Mサイズ基準値(2026年9月) 平日に東京・大阪・名古屋・福岡でサイズ別に発表(税抜き) 04 店頭 324円/パック 東京都区部の小売価格・白色卵10個入り(2026年9月) 1パック10個の表示になった2002年7月以降で最も高い 相場の下支えの基準(2026年度・農林水産省) 補塡基準価格 240円/kg・安定基準価格 218円/kg
出典:ALIC「配合飼料の価格動向」(農林水産省「飼料月報」ほか)、農林水産省「畜産統計(令和8年2月1日現在)」「鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格 算定概要」、JA全農たまご「相場情報」東京Mサイズ基準値(ALIC 国内統計資料)、総務省「小売物価統計調査(動向編)」東京都区部 鶏卵
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

1つめの段階は飼料です。農林水産省の資料は、卵の生産コストの約6割が飼料費だと説明しています。家畜の配合飼料の工場渡価格(全畜種の加重平均・税抜き)は、2026年8月に1トンあたり9万3,916円でした。2つめは鶏の数で、農林水産省の畜産統計によると、卵を産む採卵鶏の成鶏めす(6か月齢以上)は2026年2月1日現在で1億3,860万2,000羽です。

3つめの段階が相場です。JA全農たまごは、東京・大阪・名古屋・福岡の4地区で、LLからSSまでのサイズ別に荷受相場の基準値を平日に発表しています。農畜産業振興機構(ALIC)は、このうち東京のMサイズの基準値を鶏卵の卸売価格として毎月の資料に載せています。2026年9月の東京Mサイズ基準値は、1kgあたり298円(消費税を含まない値)でした。

4つめが店頭です。総務省の小売物価統計調査は、東京都区部などの店で売られている白色卵10個入りの値段を毎月調べており、2026年9月は1パック324円でした。相場は1kgあたり、店頭は1パックあたりの値段で、段階によって単位が違います。Mサイズの重さとサイズ混合の1パックは対応しないため、本記事では2つを換算せず、別々の目盛りで見ていきます。

相場はサイズによっても違います。2026年11月2日に発表された東京の基準値を並べると、MSサイズが340円で最も高く、SSサイズが245円で最も低い値でした。

東京のサイズ別の基準値(2026年11月2日発表・円/kg)

LLLMMSSSS
310315320340315245
出典:JA全農たまご「相場情報」2026年11月2日 9:00発表 東京の基準値(円/kg・税抜き)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
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東京の1パックの値段|2002年からの推移と2026年の最高値

楓
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東京の1パックの値段を、毎月の線でたどっています。2018年1月の点線を境に、調べている卵の種類が変わるため、線を分けています。

東京の卵1パックの値段|2002年7月〜2026年9月の毎月 単位:円(10個入り)/総務省「小売物価統計調査」東京都区部 150 200 250 300 350 2004年 2008年 2012年 2016年 2020年 2024年 2018年1月 銘柄改正 Lサイズ→サイズ混合 2022〜23年 鳥インフル殺処分 約1,771万羽 2026年9月 324円 2002年7月以降 で最も高い Lサイズ(2002年7月〜2017年12月) サイズ混合(2018年1月〜)
出典:総務省「小売物価統計調査(動向編)」東京都区部 鶏卵(2002年7月〜2026年9月・e-Stat 2026年10月23日更新)、農林水産省「高病原性鳥インフルエンザの発生状況」
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

小売物価統計調査で卵の値段が1パック10個入りの表示になったのは2002年7月で、それより前は1kgあたりの値段でした。単位が違うため、本記事では2002年6月以前の値を使っていません。2002年7月からはLサイズの10個入り、2018年1月からはサイズ混合の10個入りを調べています。Lサイズの期間の最高は2005年3月の269円、サイズ混合の期間の最低は2021年1月の219円です。

年平均で見ると、2019年222.7円、2020年223.2円、2021年228.2円、2022年238.8円のあと、2023年は297.1円に上がりました。2024年は285.8円、2025年は307.5円、2026年1〜9月は318.9円です。2022年の平均から2026年1〜9月の平均までに80.1円高くなり、1個あたりでは約8円の差です。2026年9月の324円は、2002年7月以降の291か月で最も高い値でした。

同じ小売物価統計調査で調べている主食の値段の動きは、米の小売価格の75年の推移で図解しています。食料を含む物価全体の動きは、消費者物価指数の長期の推移で確かめられます。

2003年からの年平均を、次の見出しで見る相場の年平均と並べて表にまとめます。

東京の卵の値段の年平均(2003〜2026年)

年店頭
(円/パック)
相場
(円/kg)
2003年187.0150.8
2004年199.6172.7
2005年231.0204.4
2006年213.7183.5
2007年210.6168.5
2008年226.7193.4
2009年217.4174.5
2010年219.4186.6
2011年228.3195.6
2012年213.3179.0
2013年221.2194.1
2014年243.8221.9
2015年249.4228.0
2016年242.5205.4
2017年245.2206.7
2018年230.3180.3
2019年222.7172.4
2020年223.2170.5
2021年228.2217.2
2022年238.8215.1
2023年297.1306.4
2024年285.8226.9
2025年307.5323.7
2026年(1〜9月)318.9309.4(1〜10月)
出典:総務省「小売物価統計調査(動向編)」東京都区部 鶏卵、JA全農たまご「相場情報」東京Mサイズ基準値(ALIC 国内統計資料)。年平均は編集部の試算。店頭は2017年までLサイズ、2018年からサイズ混合の10個入り(赤い線が境目)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。
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相場と店頭のずれ|相場は半年で約半分、店頭は1.6%減

楓
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相場と店頭の値段を、同じ時間の軸で上下に並べました。上が相場、下が店頭で、単位が違うため目盛りを分けています。

相場と店頭の値段|2021年1月からの毎月 上:相場(卸売・円/kg) 下:店頭(小売・円/パック)。単位が違うため目盛りは別です 相場:JA全農たまご 東京Mサイズ基準値(円/kg・税抜き) 100 200 300 400 店頭:東京都区部 白色卵10個入り(円/パック) 200 250 300 350 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 2023年6月 2024年1月 半年で48.4%下落(349→180円) 同じ期間に1.6%下落(311→306円)
出典:JA全農たまご「相場情報」東京Mサイズ基準値(ALIC 国内統計資料)(2021年1月〜2026年10月)、総務省「小売物価統計調査(動向編)」東京都区部 鶏卵(2021年1月〜2026年9月)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

相場は2023年に入って上がり、4月と5月に1kgあたり350円をつけました。ALICが掲載している1990年1月以降の月平均で、最も高い値です。店頭の1パックが最も高くなったのは、相場の最高より1〜2か月あとの2023年6月で、311円でした。

その後、相場は2023年6月の349円から2024年1月の180円まで、半年で48.4%下がりました。同じ期間に、店頭の1パックは311円から306円へ1.6%下がっただけでした。店頭の値段が下がり続けたのは2024年9月の274円までで、2023年6月と比べると11.9%の下落です。

2025年は相場の年平均が323.7円で、1990年以降で最も高い年になりました。同じ年の店頭の年平均は307.5円です。2つの線を並べると、店頭の値段は相場の動きをそのままなぞらず、小さく、遅れて動いていることが見えてきます。店頭の値段が店ごとにどう決められるかの内訳には立ち入らず、本記事では2つの統計の動きを並べるところまでにします。

相場が動くとき|鶏の数・鳥インフルエンザ・季節・飼料

楓
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鳥インフルエンザの規模と、卵を産む鶏の数を並べています。上の棒は秋から翌春までのシーズンの合計、下の点は毎年2月1日の数です。

鳥インフルエンザと卵を産む鶏の数 上:殺処分対象(家きん・秋〜翌春のシーズン計) 下:成鶏めすの数(各年2月1日) 鳥インフルエンザの殺処分対象(万羽) 987 2020〜21 189 2021〜22 1,771 2022〜23 86 2023〜24 932 2024〜25 576 2025〜26 2020〜21年より前は この資料の範囲外 卵を産む鶏(成鶏めす)の数 1億2,500万 1億3,000万 1億3,500万 1億4,000万 1億4,500万 1億4,179万 1億3,729万 1億2,858万 1億3,860万 調査なし 調査なし 2016年 2018年 2020年 2022年 2024年 2026年 前年比6.3%減
出典:農林水産省「高病原性鳥インフルエンザの発生状況」(令和7年シーズン)、農林水産省「畜産統計」(各年2月1日現在。2020年・2025年は農林業センサス実施年のため採卵鶏の調査なし)
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

相場が動く背景について、農林水産省の資料は、鶏卵の生産が「卵価上昇→増羽→供給過剰→卵価低下→減羽→供給減少→卵価上昇」という6年周期のエッグサイクルで変動すると説明しています。卵を産む鶏の数は、供給の大きさを表す数字の1つです。

2022年秋から2023年春のシーズンには、家きんの鳥インフルエンザが84事例発生し、約1,771万羽が殺処分の対象になりました。農林水産省の資料に載る2020〜21年以降の6シーズンで、最も多い数です。翌2023年2月1日の成鶏めすの数は1億2,857万9,000羽で、前年より6.3%少なくなりました。殺処分の対象には肉用鶏なども含まれるため、2つの数は単純には比べられません。

2026年2月1日の成鶏めすは1億3,860万2,000羽で、2024年より6.8%多くなっています。2025年は農林業センサスの実施年にあたり、採卵鶏の調査は行われていません。2025年秋から2026年春のシーズンの鳥インフルエンザは、24事例・約576万羽でした。

季節と飼料|相場は12月に高く、1月と夏に低い

相場の季節の形|2010〜2019年の月別平均 単位:円/kg(税抜き)/JA全農たまご 東京Mサイズ基準値(ALIC 国内統計資料) 0 50 100 150 200 250 171 1月 198 2月 200 3月 202 4月 192 5月 182 6月 176 7月 176 8月 199 9月 211 10月 224 11月 234 12月 夏(7・8月)にも谷
出典:JA全農たまご「相場情報」東京Mサイズ基準値(ALIC 国内統計資料)。2010〜2019年の月別平均は編集部の試算
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

相場には季節による動きもあります。2020年より前の10年間(2010〜2019年)について月ごとの平均をとると、1月の171円が最も低く、12月の234円が最も高くなりました。7月と8月も176円と低く、年末に高く、年明けと夏に低いという季節の形が見えます。農林水産省の資料も、夏の低需要期には需要が下がり、卵の値段が下がると説明しています。

ALICの「畜産の情報」2026年10月号は、2026年8月の相場(1kgあたり292円)について、全国農業協同組合連合会の資料を引き、暑さによる卵重の低下などが見られたことと、量販向け・業務向けともに需要の少ない時期に入ったことを伝えています。

飼料の値段も、相場の背景にある数字です。配合飼料の工場渡価格(全畜種の加重平均)は、2020年の平均が1トンあたり6万580円、2023年の平均が8万9,191円で、1.47倍になりました。2026年1〜8月の平均は9万955円です。とうもろこしなど飼料の原料の輸入は、品目別に見た日本の食料輸入で図解しています。

下がりすぎを防ぐ仕組み|補塡基準価格240円と空舎延長

楓
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価格が下がったときの基準になる値段を、年度ごとに表にしました。2つの基準価格は、どちらも鶏卵1kgあたりの卸売の段階の値段です。

鶏卵の補塡基準価格と安定基準価格(2011〜2026年度)

年度補塡基準価格
(円/kg)
安定基準価格
(円/kg)
2011年度
平成23年度
183156
2012年度
平成24年度
185158
2013年度
平成25年度
186159
2014年度
平成26年度
187166
2015年度
平成27年度
188167
2016年度
平成28年度
189169
2017年度
平成29年度
187165
2018年度
平成30年度
185163
2019年度
令和元年度
185163
2020年度
令和2年度
183161
2021年度
令和3年度
181159
2022年度
令和4年度
181159
2023年度
令和5年度
209190
2024年度
令和6年度
222202
2025年度
令和7年度
230207
2026年度
令和8年度
240218
出典:農林水産省「鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格 算定概要」(令和7年12月)。2011〜2025年度は実施状況の表、2026年度は算定結果
※ 公式データをもとに、可視化pedia編集部が独自に集計・編集したものです。

国の鶏卵生産者経営安定対策事業には、相場が下がったときの2つの仕組みがあります。1つは価格差補塡で、毎月の標準取引価格が補塡基準価格を下回ると、その差額(補塡基準価格と安定基準価格の差額が上限)の9割が補塡されます。もう1つは成鶏更新・空舎延長事業で、日々の標準取引価格が安定基準価格を下回ったとき、成鶏を出荷してから60日以上鶏舎を空ける取り組みに奨励金が交付されます。

2026年度の補塡基準価格は1kgあたり240円、安定基準価格は218円です。補塡基準価格は2022年度の181円から2026年度の240円まで、4年で59円上がりました。2026年度の補塡基準価格は、2020〜2025年の標準取引価格の平均240.81円に、生産コストの変化率1.050と、夏の低需要期の平均低落率0.951をかけて算定されています。

2011〜2024年度のうち、事業が発動しなかったのは2022年度だけでした。この事業の政策目標は、卸売価格の変動幅を平均卸売価格の±25%以内にすることです。2つの基準価格は卸売の段階の値段で、店頭の卵の値段を決めるものではありません。

楓のまとめ|卵の値段は4つの段階を経て、店頭ではゆっくり動く

楓
楓

4つの段階と25年の推移を並べると、相場と店頭の動き方の違いが見えてきます。3つの観察事実に整理します。

「卵の値段はどう決まるか」という問いに対して、本記事の図解は、飼料と鶏の数を土台にJA全農たまごの相場を経て店頭の値段がつく流れと、その中で相場と店頭が違う速さで動いてきたことを示してきました。単位と期間に気をつけながら、観察事実として整理しておきます。

楓の観察整理
3つの観察事実

観察1. 卵の値段は、飼料(配合飼料1トン9万3,916円・2026年8月)、鶏の数(成鶏めす1億3,860万2,000羽・2026年2月1日)、相場(東京Mサイズ1kg298円・2026年9月)、店頭(東京都区部1パック324円・同)の4段階で見ることができます。相場は1kgあたり・税抜き、店頭は1パックあたりの値段で、単位が違います。

観察2. 東京都区部の1パックは2026年9月に324円で、1パック10個の表示になった2002年7月以降で最も高い値です。年平均は2022年の238.8円から2026年1〜9月の318.9円へ80.1円、1個あたり約8円高くなりました。

観察3. 相場は2023年6月から2024年1月の半年で48.4%下がり、同じ期間の店頭の下落は1.6%でした。店頭が下がったのは2024年9月の274円までで、2023年6月から11.9%の下落です。同じ時期で比べると、店頭の動きは相場より小さく、遅れていました。

3つの観察事実を重ねると、相場は年の中でも年をまたいでも大きく動き、店頭の値段は同じ時期に小さく、遅れて動いてきたという形が見えてきます。東京の1パックは2026年9月に324円となり、1パック10個の表示になってから最も高い水準にあります。

よくある質問(FAQ)

楓
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卵の値段の統計を読むときは、相場か店頭か、1kgか1パックか、どの期間の卵かの3点を確認してください。

Q1. スーパーの卵の値段は、相場と同じですか?

同じではありません。相場はJA全農たまごの荷受相場の基準値で、卸売の段階の値段です。東京Mサイズの基準値は1kgあたり・消費税を含まない値で、2026年9月は298円でした。店頭の値段は総務省の小売物価統計調査で1パック10個入りの値段として調べられ、東京都区部の2026年9月は324円です。2023年6月から2024年1月には、相場が48.4%下がった間に店頭は1.6%の下落で、同じ時期でも動き方が違いました。

Q2. 鳥インフルエンザが出たあと、相場はどう動きましたか?

2022年秋から2023年春のシーズンには、家きんで84事例が発生し、約1,771万羽が殺処分の対象になりました。相場(東京Mサイズ基準値)は2022年9月の223円から上がり、2023年4月と5月に350円をつけています。2023年2月1日の成鶏めすの数は、前年より6.3%少ない1億2,857万9,000羽でした。相場は鶏の数のほかに季節や需要でも動くため、ここでは同じ時期の数字を並べるにとどめます。

Q3. 昔の卵の値段と比べられますか?

小売物価統計調査で比べるときは、期間に注意が必要です。卵の値段は2002年7月に1kgあたりから1パック10個入りの表示に変わり、2018年1月にはLサイズからサイズ混合の卵に変わりました。2002年6月以前の1kgあたりの値段は、1パックの値段とは単位が違います。2018年の前後も調べている卵が違うため、比べるときは同じ種類の卵の期間どうしで見るのが確実です。

🔍 この記事のファクトチェックについて

楓
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当サイトはファクトチェックを実施しています。このページのファクトチェックのエビデンスを以下に掲載します。

✦
この記事のファクトチェックについて
確認日:2026年11月

記事内の主要な数値・事実について、確認の度合いを4段階で示しています。

✅ 一次確認:公式発表・省庁・原典で直接確認 🔍 二次確認:報道など二次情報で確認 📊 筆者試算:一次データを基にした独自計算 ⚠ 要確認:状況により変わるもの
✅ 一次確認

東京都区部の鶏卵(10個入り)の小売価格:2026年9月324円(2002年7月〜2026年9月の291か月で最高)、2022年9月248円、2023年6月311円、2024年1月306円、2024年9月274円。e-Stat 表 0003421913・2026年10月23日更新

総務省「小売物価統計調査(動向編)」主要品目の都市別小売価格(e-Stat) →
✅ 一次確認

鶏卵の基本銘柄の改正:2002年7月(1kg〔1個約60g〕→白色卵・Lサイズ・パック詰〔10個入り〕)、2018年1月(Lサイズ→サイズ混合)

総務省統計局「小売物価統計調査(動向編)」基本銘柄の新旧対照表 →
✅ 一次確認

東京の鶏卵卸売価格(JA全農たまご「相場情報」・Mサイズ・消費税を含まない):2023年4月・5月350円(1990年1月以降の最高)、2023年6月349円、2024年1月180円、2026年9月298円/kg

農畜産業振興機構(ALIC)国内統計資料「鶏卵の価格動向」 →
✅ 一次確認

「JA全農たまご(株)の荷受相場の東京Mサイズ基準値」の呼び方、2026年8月292円/kg、暑さによる卵重の低下、量販筋・業務筋ともに不需要期

ALIC「畜産の情報」2026年10月号 鶏卵の需給動向 →
✅ 一次確認

2026年11月2日発表の東京の基準値:LL310・L315・M320・MS340・S315・SS245円/kg。東京・大阪・名古屋・福岡のサイズ別。東京M基準値の年平均 2023年306・2024年227・2025年324円

JA全農たまご「相場情報」 →
✅ 一次確認

補塡基準価格・安定基準価格(2022年度181・159円、2026年度240・218円/kg)、差額の9割を補塡、60日以上の空舎に奨励金、2022年度は発動なし、変動幅±25%以内の政策目標、生産コストの約6割が飼料費、夏季の低需要期、6年周期のエッグサイクル

農林水産省「鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格 算定概要」(令和7年12月) →
✅ 一次確認

採卵鶏の成鶏めす(6か月齢以上)の飼養羽数:2026年2月1日1億3,860万2,000羽(前回比6.8%増)。令和7年(2025年)は農林業センサス実施年のため調査休止

農林水産省「畜産統計(令和8年2月1日現在)」概要 →
✅ 一次確認

成鶏めすの飼養羽数:2022年2月1日1億3,729万1,000羽、2023年2月1日1億2,857万9,000羽

農林水産省「畜産統計」令和5年 採卵鶏(e-Stat) →
✅ 一次確認

鳥インフルエンザ(家きん)の発生事例・殺処分対象:2022〜23年シーズン84事例・約1,771万羽、2025〜26年シーズン24事例・約576万羽。殺処分対象には肉用鶏などを含む

農林水産省「令和7年シーズン 高病原性鳥インフルエンザの発生状況」 →
✅ 一次確認

配合飼料の工場渡価格(全畜種加重平均・消費税を含まない):2026年8月93,916円/トン

ALIC 国内統計資料「配合飼料の価格動向」工場渡価格 →
📊 筆者試算

1個あたり32.4円=324円÷10個(2022年9月は248円÷10=24.8円)。年平均の差80.1円=318.9(2026年1〜9月)−238.8(2022年)、1個あたり約8円=80.1÷10

元データ:e-Stat 小売物価統計調査 →
📊 筆者試算

変化率:相場−48.4%=180÷349−1、店頭−1.6%=306÷311−1、店頭−11.9%=274÷311−1。成鶏めす−6.3%=128,579÷137,291(千羽)−1

元データ:ALIC「鶏卵の価格動向」・e-Stat →
📊 筆者試算

年平均(各月の単純平均):店頭 2022年238.8・2023年297.1・2025年307.5円、相場 2025年323.7円(1990年以降の最高)。配合飼料 2020年60,580円→2023年89,191円で1.47倍。相場の月別平均(2010〜2019年)1月171・7月176・8月176・12月234円

元データ:ALIC 国内統計資料 →
⚠ 要確認

小売物価統計調査の鶏卵は、2002年7月と2018年1月に調べる卵の種類(銘柄)が変わったため、その前後の値段は単純には比べられません。値段は東京都区部のもので、全国の平均ではありません。

変更の可能性あり。総務省統計局 小売物価統計調査 →
⚠ 要確認

相場は、JA全農たまごが発表する荷受相場の基準値で、国の統計ではありません。基準値は日ごとに変わり、記事の数値は月の平均です。

変更の可能性あり。JA全農たまご「相場情報」 →
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